2ch黒猫スレまとめwiki

◆mIO446hOp.

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hiesuke

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『黒猫フィギュア』

「このゲームには3人の妹キャラが出てくるんだけど、
 特にこの娘が一番可愛くてマジ萌えるのよね!」
「はぁ、そうですか」

その日、いつものように桐乃に部屋へ呼ばれた俺は、
先日出たばかりというエロゲーがいかに神ゲーかという講釈を受けていた。

俺が受験生であるってこととか、なんでこんな夜中にするんだよってこととかは百歩譲ろう。
でもよ、そんなことよりさ。

「でね、その娘がホントは主人公のことが大好きなのに素直になれなくて―――」
「……なぁ」
「なによ?」

俺に口を挟まれ眉をひそめる桐乃。
実はさっきから以前にはなかったブツが目に付いて妹の話が耳に入ってこないんだよね。
俺は思い切って聞いてみることにする。
隠し扉のオタグッズの一角を指差すと、桐乃もそっちを向いた。

その視線の先には、よく知っている女の子が立っていた。
本物より、かなり小さかったが。

「それ、なんで黒猫のフィギュアが飾ってあるんだ?」



そう、いつもの隠し扉の中には、山と詰まれたエロゲーやメルルフィギュアと並んで、
黒猫のフィギュアが飾ってあった。

「買ったからだけど」
「なんで?」
「はぁ?買ったら飾るでしょ?」
「そういうことじゃねーよ。」

嘆息する。桐乃は本気でわからないらしく、首をかしげている。
なあ、俺がおかしいのか?
例えば俺が赤城のフィギュア持ってたら、なんでそんなの持ってんのって思うだろ?
まあメルルコスの加奈子相手に鼻血出すようなやつに何言っても無駄なんだろうが。

「はぁ、まあいいや。だいたいよ、同じ奴を二つもか?」

いつもの黒猫のトレンドマートであるゴスロリで、腰に手を当てこちらを見下ろすような不敵なポーズ。
しかもなぜかそいつを二つもだ。

「保存用もあるから三つあるよ」
「観賞用と保存用の二つで十分だろうが。なんで二つも飾るんだよ?」
「ふふん、驚かないでよね。」

そういうと桐乃は立ち上がり、飾ってあった二つのフィギュアを持ってきた。
再びベッドに腰を下ろすと、あろうことか俺に向かって、
その、スカートの中を向けてきやがったよ。

「ほら、こっちは普通なんだけど。ね、ドロワーズはいてるでしょ。」
「……それを見て俺にどうコメントしろと?」
「いいからいいから。で、こっちは……ほら、見てよ」
「……なんだこれ?」

桐乃が差し出してきたもう一方の黒猫フィギュアを受け取る。
それを言われるままにスカートの中を覗き込んで見ると、そいつはドロワーズが脱がされていて――

「こっちのはドロワーズ外してみた」

いわゆる生パン状態だった。



白だった。
じゃなくって、だな。

「おまっ!自分の友達のフィギュアになんてことしてんの!?」
「べ、別にいいでしょ!フィギュアをどう飾るかは人それぞれだし!
 確かに通常は外せないようになってたけど、
 こんなに気合入ったパンツ作ってくれてるっていうんだから、
 脱がせないと逆に失礼っていうか……」

逆ギレ気味の桐乃。
いやいや、それ答えになってねーし!

「だいたいお前さ、
 前に『強引にキャストオフさせるのはあたしの主義に反するのよね』とか、
 みんなの前で語ってたじゃねえか?」
「そ、それはそうなんだケド……、ネットでアップされてた画像見てたらどうしても欲しくなって……、
 気が付いたら保存用のを箱から出しちゃってた
 ……ダメ、かな?こういうの、おかしいかな?」

上目遣いで聞いてくる。
そんな様子に思わずドキリとしてしまう。
こいつは最近こういう顔をよくするようになった。
俺にだけでなく、黒猫や沙織にも素直に甘えるようになったというか……。

「べ、別にダメってわけじゃねーよ。どう楽しむかはお前の言うとおり人それぞれなわけだし。」
「えへへ、あわてて保存用にもう一つポチったんだから」

モジモジしながら照れる桐乃。そこ照れるポイントか?
まあこいつは前から黒猫のこと大好きだったし、
欲しくなって思わずっていうことなら別に俺がどうこう言うことじゃないしな。

桐乃は嬉しそうに黒猫のフィギュア(はいてる方)を傾けながら、
「この角度が一番可愛いのよねー」などと堪能している。
俺もせっかくなので色々眺めて遊んでみた。

「まあ確かに可愛いな。よく出来てる」
「でしょ!何ヶ月も待った甲斐があったってもんよね!」

俺は何ヶ月も待ったりしたわけじゃないが、
これを買ったファンたちはみんなお前と同じように考えてるだろうよ。
ところで、一つだけ聞かせてくれ。

「なあ、お前ホントは実在のほうの黒猫も、こう、脱がせたいとかって考えてないだろうな?」
「はぁ!?キモ!二次元と三次元を一緒にすんな!」

殴られた。

終わり











おまけ

しかし夜中に妹の部屋で自分の彼女のフィギュアのパンツ覗き込んだりしてる男、か。
冷静に考えたら、今の俺は確実に変態にしか見えないな。


~~♪


「っ!?」
「ケータイ、鳴ってるよ。
 その着メロ、黒いのからでしょ」
「わ、わかってるよ」

とりあえず電話に出る。
めずらしいというか、テレビ電話でかけてきてた。

「よう。どうしたんだ?めずらしいなテレビ電話でだなんて」
「こんばんわ。今日はその……会えなかったから……、たまには……
 って京介?あ、あなた……」
「ん?どうした?何を驚いた顔をして?」
「あ、あなた……それ……何を持って……」
「何って……うおっ!?」

し、しまった!
俺黒猫のフィギュア持ったままだった!

「ちょっと待て黒猫!これは――
「し、しかも……、わざわざドロワーズまで脱がせて……」
「聞けって!これは桐――」
「………おやすみなさい」

ガチャ
ツー ツー

次の日、誤解を解くのに一時間かかったよ、畜生。

終われ

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