2ch黒猫スレまとめwiki

◆iImnD8ZhUs

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匿名ユーザー

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久しぶりの私の部屋。

ついこの前までは一日中この部屋に篭っていたわ。

机の上には私の”運命の記述”。

そしてその記述どおりに”儀式”は行われ、

現世は着実に私の”理想の世界”へと近づいていっていた。

昨日までは…





このノート一冊を文字と絵で埋め尽くしたとき、

私は”達成感”とともに”絶望”を抱いた。

もちろん、最初から”絶望”に繋げるつもりでいたのではなく、

私の欲求に素直になり、どちらも諦めないつもりだった。

私がちゃんと納得できるように、私なりの全力を尽くす…

そうしてたどり着いた処が”絶望”であっただけ。



自分で出した結論を否定したくて、

何度も何度もシミュレートを繰り返し、

気がつけばノートは修正ばかりで真っ黒になってしまっていたわ。

でも…

それでも結論は変わらなかった。

もともとピースが欠けているパズルを何度も何度もやり直している、

最後の頃はそんな空虚な作業を繰り返しているだけだった。



翌朝、寝不足と泣き腫らして酷い様子の自分の顔を鏡で見て、

何度も冷たい水で顔を洗い、部活にいくのがちょっと遅くなった。

その後あなたと一緒にいながら、”運命の記述”と異なることが起これば…

そう思いながら、ずっと過ごしてきた。

しかし…

途中で妹たちの介入というハプニングはあったものの、

ほぼ記述どおりに”儀式”は進行していった。

あなたと会っている時は、それはすばらしく輝かしい時間だったけど、

家で一人でいる時は、その結末を想い、涙が止まらなかった。



最初から、どちらか一方を諦めていたら…

そういう考えが何度も頭をよぎったわ。

しかし、あなたを選べばあの女は苦しみ、

それを知ったあなたが苦しむことになる。

だから、あなたが笑っていられるようにするためには、こうするしかなかった。



あなたたち二人の想いを白日の下に晒す。

しかし、そのためには、私はあなたの前から消えなければならなかった。

私が消えることで、あの女はあなたに本心を打ちあけ、

あなたはあの女の想いをきっと受け止めてくれる。

そうすることで、あなたはずっと笑っていられるようになる。

だから、たとえ私が傍にいられなくても、

私にとっては幸せなはずだった…



そうして、”運命の記述”どおり、私たちは別れた。



その後、食事もろくにとらず、ずっと部屋に引き篭もっていた私。

そんな私を心配してか、家族で旅行に行くことになった。

本当はどこにも行きたくなかったのだけど、

無碍に断ることもできず、行くことにした。

ただ、あまり気力もなかったから、ジャージ姿のままだったけれど。

そして…





さっき旅行から帰ってきて、久しぶりの私の部屋。

机の上には私の”昨日までの運命の記述”。

そしてその記述どおりに”儀式”は行われ、

現世は着実に私の”理想の世界”へと近づいていっていた。

しかし昨日、記述とは異なることが起こった。

私はあの二人の傍にはいられない、そう思っていたのに、

まさか、あの女が来てくれるとは、想定外だったわ。

これまで欠けていたパズルのピースが見つかったようね。

まだ、確実ではないけれど、

どうやらあなたが笑っている傍に、私もいていいらしい。



それまでは、あなたの傍にいることができないって、

本気でそう想っていたし、覚悟もしていた。

しかし、想定外のことが起こり、

これまでの”運命の記述”が覆されたことを知ったわ。

だから…

私はあなたの答えを聞くことができなかった。



私は机に向かい、新しいノートを取り出す。

”新しい運命の記述”を書くために。

これから、まだ紆余曲折はあるのだろうけれど、

今なら”新しい理想の世界”に向かって着実に進んでいける。

あなたと、あの女と、私、三人が笑っていられる世界に…

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