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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
『決戦』



 俺達は今、桐乃の部屋の前にいる。
 親父達には紹介した。五更のご両親にも挨拶した。
 残すは桐乃だけだ。

 正直、本人と双方の両親が納得してれば何も問題はねえと思うんだよ。
 でもな、瑠璃が納得しねえんだよ。それでは“もっとも望ましい結果”にならないんだと。
 久しぶりに桐乃が海外から帰ってきた今がチャンスなわけだ。

 コンコン、コンコン

「桐乃ー、いるんだろ? 桐乃ー」

 返事が無い。ただの居留守のようだ。

「仕方ねえ。横の壁ぶち抜くか」
『ぶっ!』

 ……やっぱりいるじゃねえか。

「早くドア開けないとこっちの壁ぶち抜くぞー。
 修繕費を払う俺と隠してあるブツを見られるお前と、どっちがダメージでかいかねー?」

 ダンダンダン! ガチャ!

「まったく、信じられない! 何考えてんの?!」
「よっ、桐乃」
「……アンタもねえ、コイツが馬鹿やったら止めなさいよ」
「……この程度で慌てていたら、この先やっていけないわ」
「はあ……もういい。入れば?」
       ・
       ・
       ・
 俺と瑠璃は並んで桐乃の正面に正坐した。

「あ、あのな桐乃。実は俺達……」
「……待って頂戴、京介。桐乃へは私から話すわ」
「いや、でもこれは男の役目じゃねえの?」
「……確かにそうかもしれないわ。家族への報告は普通なら、ね。
 けれど……桐乃は私の親友なの。だからお願いよ、京介」

 そこまで言われちゃ仕方ない。

「分った。まかせるよ」
「……ありがとう」
「ふーん、何のことだかよくわかんないケドー」

 おまえ分ってて言ってるよな? 絶対。

「お父さん達がOKしたんなら、今更あたしが何言っても関係ないじゃん。勝手にすれば?」
「……そうはいかないわ。あなたがいない場所で進めた話ではあなたは納得しないでしょう?」
「へえ……面白いじゃん。あたしが納得するとでも思ってるわけ?」
「……ええ。勿論よ」
「やれるもんならやってみなさいよ。ラスボスなめんな!」


 そして、決戦の火蓋が切られた。


「……京介を私に頂戴!」
「いくら出す!!」
「兄パン一年分!」
「売ったーー!!」
「ちょっと待てお前らーー!!」
「しまった! つい勢いでーー!!」

「フッ……激しい戦いだったわ」


 俺は今、泣いていい。

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