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『2つの誕生日ケーキ』:(直接投稿)

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
今日は先輩の引越しと私の誕生日の祝いを兼ねた
オタクっ娘主催のパーティが、先輩の引越し先の
アパートの庭一面を貸し切って開かれていた。

オタクっ娘主催といっても、それ以外にも私や桐乃の友人も
沢山招待しているし、日向や珠希も参加していて
2年前にここで先輩の引越しパーティをしたときと比べても
賑やかで所狭し、といった感じね。

今日の私や先輩は主賓、ということでパーティの用意なんかは
桐乃や沙織が仕切っていて手伝わさせて貰えなかったのだけど。
おかげで花楓やあやせ、日向たちが作ってくれた料理を味わいながら
ゆっくりと皆と雑談に興じさせて貰えたわ。

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「はい、皆さんお待たせの五更さんの誕生日のケーキ、作ってきたよー」
「おおー、五更ちゃんのイラストまで入ってるんだねぇ。さっすが二村ちゃん!」
「うん、この前のお花見で見た、桜吹雪の中の五更さんの笑顔が
凄く印象的だったからそれをモチーフに描いてみたんだけど」
「あの時の黒猫さん、確かに桜の妖精のような感じでしたもんね」
「それにしても五更さん、この絵もそうですけど随分可愛らしい格好を
するようになったものですね。ああ、これぞ大学デビューってわけですか」
「……五月蝿いわね。春には春らしい姿をするのが
日の本の民の宿縁というものでしょう?この『桃猫』の姿には
我が闇の運命と和の風韻と調和とが籠められていて……」
「ふふっ、でも本当に黒猫さんは笑顔も雰囲気もとても優しくなりましたね。
花楓さんの描かれたこの黒猫さんの笑顔、まるで本人のように素敵ですわ」

花楓の作ったというラズベリークリームのデコレーションケーキの上には
私のイラストが描かれていた。それを見た秋美やユウや瀬名、沙織がケーキの
出来に感心しながらも、私の事を話題にあれこれ盛り上がっているのが
当の本人からしてみれば恥かしいことこの上ないのだけれども。

でも大学生活のために手ずから創り上げた『桃猫』の衣装を纏った私を
こうして褒めてもらえているというのは悪い気はしないわね。

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http://dl1.getuploader.com/g/kuroneko_2ch/874/P4180584.JPG

「じゃじゃーん、あたしたちも瑠璃の誕生日ケーキ、作ってきたよー。
あたしの力作のイラスト、よーく描けてるっしょ?」
「へぇ、桐乃、中学の時には確かに美術の成績は良かったケド
いつの間にかケーキなんて作れるようになってたのかよ」
「さすが、桐乃!イラストは勿論、チョコレートケーキも良く出来てるよ」
「あー、ケーキの方はほとんどあたしとたまちゃんで作ったんだよねぇ……」
「はい!たまきもケーキの飾りつけ、がんばりました!」
「お、これはこの前のアメリカ旅行の時の黒猫のドレス姿か。
このときの黒猫は凄く大人っぽく見えて綺麗だったよなぁ」
「な、な、何を幸せそうな顔で言っているのよ、あなたは……」

桐乃の持ってきたのは、日向と珠希が作ったチョコレートケーキの上に
桐乃が元絵を描いたというイラストが入ったものだったのだけど。
もっとも、元絵はともかく、実際にケーキにイラストを描いたのは
ケーキを作った日向か珠希なのでしょうけど、ね。

ふふっ、二人ともすっかり腕をあげたものね。
姉の贔屓目を差し引いてもあやせの言う通りに見事な出来栄えだわ。
もう私が教えることなんて何もないのかもしれないわね。

方や桐乃には、先輩がここで一人暮らしを始めてから
先輩と一緒に料理を始め、家事全般を指南しているのだけれども。
さすがに飲み込みは早いとはいえ、桐乃はまだまだ
ケーキを作るほどの腕前ではないものね。

それでも私のために元絵を描いて協力してくれた桐乃や
その時の私のドレス姿を褒めてくれている先輩に
私は心の中で感謝の言葉を返しておいたわ。

「ごめんなさい、お店の手伝いですっかり遅れちゃったけど
黒猫さん、お誕生日おめでとう。うちの和菓子だけど皆で食べてね」
「あら、田村先輩。約束通りに来てくれたのね、どうもありがとう」
「え?麻奈実……さん?まさか瑠璃が呼んだの?」
「麻奈実、お前も今日のパーティに来てくれたのか?」
「ん~、わたしは可愛い後輩さんの誕生日のお祝いに来ただけだからね~
きょうちゃんの方はまだ素直に祝える気にはなれないけれど」

そんな言葉とは裏腹に田村先輩は先輩と桐乃ににっこりと微笑んだ。

「でもみんなでパーティを楽しみたい気持ちは一緒かな?」
「……ああ、そうだな。お前も目一杯楽しんでいってくれよ。
丁度黒猫の誕生日ケーキもきたところだしな」
「ほら、桐乃?」
「……わかってるってーの。コホン、あの、麻奈実さんも
あたしたちの作った瑠璃の誕生日ケーキ、食べてもらえますか?」
「うん、喜んで頂くよ~」

誕生日ケーキと田村先輩も加わって、ますます賑やかになった
このパーティの場を私は改めて見回した。切り分けられた2つのケーキを
美味しそうに口に運びながら、誰もが楽しそうに笑っている。

そう、それはまるで。

ふふっ、私の『真の理想の世界』がもう実現したかのようね。

私と私の愛する人達全てが笑ってすごせる世界。

それを手に入れるために、これからも私は全てを賭して邁進していくわ。

今目の前の光景に、確かにその手応えを感じながら。
19回目の誕生日を迎えた私は改めて心の中でそう誓っていたわ。

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