教員の問題関心「4」:補足説明

※学部生を対象とした、上記問題関心に対する補足説明

 「4」は、別の言葉で言い換えれば、統制経済期・戦時経済期における植民地経営の実態解明、となります。あまり歴史を勉強してこなかった、と自称する学生から、何故、日中戦争・太平洋戦争の時だけ、日本では統制経済が導入されたのか?という質問を受けたことがあります。実際には、戦後もしばらくは統制経済が継続されていたのですがそれは少し置いておくこととして。確かに、戦争が起これば、必ず統制経済が導入される、というわけではありません。
 私がゼミで勉強を始めた1995年というのは、戦時期に導入された経済システムが今日まで継続している、という、「戦時経済源流論」という学説が提起され、いくらかの論争を巻き起こしました(「戦時経済源流論」を提起したのは、『超整理法』等の著作で著名な野口悠紀雄氏です)。実は日本の統制経済の導入に際しては、それに先駆ける形で「満州」において統制経済が導入されたという史実があります。このことを、どのように評価すべきか。また、その後の日本と「満州」(加えて、それ以外の植民地・占領地域)の統制経済の展開過程を眺めると、いくらかの相違点が見出せます。何故、それらの相違点が現れたのかについても、検討したい問題です。


最終更新:2011年05月27日 03:45
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