「ん…駄目だよ蓮華…ふふ…」
朝、優しい光が窓から差し込む。
「まったく…そんな甘えてる姿…皆には見せられないな…」
春の暖かさを含んだ光は寝台まで静かに伸び、陰影を色濃く落としている。
「…………ま」
「髪が短く…ても…長くても…可愛いよ…」
「…しゅ……様」
「ふふ………」
「「ご主人様!」」
「らめぇ…そこは鼻の穴なの……ぉ……ぅ?」
目をこすりながら声のした方へ顔を向けると、そこには満面の笑みを湛えた蒲公英が立っていた。
「「おはよっ!ご主人様♪」」
「んぁ…あぁ…おはよう蒲公英。朝っぱらからご機嫌だな…」
回らない頭を軽く振りながら身を起こす。
まだ日も昇りきらない頃からこの元気。少し見習いたいと思った。
まだ日も昇りきらない頃からこの元気。少し見習いたいと思った。
「「もー、ご主人様。たんぽぽを見て何か気付かない?」」
そう言いながら口元に手を当てる蒲公英。
そういえばさっきから蒲公英の姿が二重に見える。
…最近暖かくなってきたからと薄着で居たせいか?風邪でも引いたかな…。
それにしては体調はどこもおかしくない気がするが…
…最近暖かくなってきたからと薄着で居たせいか?風邪でも引いたかな…。
それにしては体調はどこもおかしくない気がするが…
「なんだ…?蒲公英もついに分身の術を会得したのか…武の極みだな」
「「違うよー!ほらちゃんと起きて起きて!」」
急かされながらまた頭を振ると意識が覚醒してきたので
蒲公英を見つめる。
蒲公英を見つめる。
「「ふふー。」」
……分身じゃない!蒲公英が…二人居る!?
「ど、どういうこと!?蒲公英が二人!?…双子だったの!?」
「「あははっ、違うよーっ」」
二人の蒲公英が同時に言うと、これまた二人同時に片手を挙げていつものポーズ。
「たんぽぽでっす!」
「Exたんぽぽでっす!」
「Exたんぽぽでっす!」
「「よろしくね!ご主人様!」」
「え…えぇー…!?」
……三国時代のはずなのにエクストラってなんだよ…
やっぱりまだ頭は回っていなかった。