「砂漠にでたぁのはいいが・・・」

見渡す限りの砂、砂、砂。
かといって後ろは視界の悪い雑草の森である。

「ま、見晴らしが悪いよりはいささかましか・・・」

そう言いながらフェールドはあたりをもう一度見渡してみる。
何もない。
ただの砂の海である。
ため息をつき空を見上げる。
雲ひとつないすっきりとした青空。
だが今まさにこの青空の下で無関係な人間の殺戮大会が起こっているのである。
頭を抱え込み舌打ちをするフェールド。

「ふざけやがって・・・これをはめられている限りは、強制的に殺し合いに参加・・・か」

そこでふと考えにふける。
もし自分が生き残れなかったら?
確実に元の世界には帰ることはできないだろう。
それはフェールドだけでなくほかの参加者も同じはずでありそれぞれが戦いたくないと思っているはずだ。
名簿に載っている聞き覚えのある一人の名前を除いて。

「・・・クローバー・・・トランプ。お前もいたのかよ、全くめんどくせぇ・・・」

それは殺戮者の名前。
殺しを楽しむ狂人の名前。
かつての仲間の名前。
そしてもうこの世にはいない人物の名前。
そのことを彼はまだ知らない。

「・・・鉢合わせになるのだけは勘弁だな・・・」

そう言いながら自分の持ち物である地図を確認する。

「【D3】、ここが現在地か・・・そうだな・・・どうせなら塔のほうに行ってみるか。見晴らしもよさそうだかんな」

来た道を少し戻り生い茂った雑草を抜け森の中へと入っていった。

【場所・時間帯】D3 朝 森付近

【名前・出展者】フェールド・クロイシカ@【夢と希望と絶望と】
【状態】正常(周りに警戒中)
【装備】三刀
【所持品】食料、携帯電話、青い箱×2
【思考】
基本:人に会いたくない
1.めんどくせぇ・・・
2.とりあえず塔を目指す。
3.人にあったら敵意がない限り無視。

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最終更新:2011年04月13日 01:05