辺縁現実
辺縁現実(へんえん-げんじつ,
marginal real)とは
運命束が構成する
世界の
基本単位。個人・集団・概念・観念から形成される一つの世界の在り方の事。
最終的には世界の
主体現実を構成する諸要素である。
質量体としての「現実」
個人を含めた一つの
束はそれ自体がかなり小規模ではあるものの完全な一つの世界を形成している。揺らぎの内にある複数の辺縁現実が
収斂を繰り返す事で確固たる(と、そこに収斂した束の中にある主観を伴った意識-それは一個人であり、社会でありそして国家である-は体感する)主体現実が創出されると考える事ができる。「現実」とは
共に観る終わりある夢である。
しかしその逆像として、
辺縁現実は主体現実から力強くその形を規定され
る。辺縁現実が主体現実との関連性を完全に失ったとき、人は
非空間の
狂気のまどろみの内に溶ける。
片現実の形成
束位相の偏在から主体としての形を取らず、
片現実となって原型となる
主体現実に寄りかかる世界が生成される事もある。
片現実の作用については
片現実に詳しい
私達はこうして自室でディスプレイの前に臨む時、既に私という主体は辺縁
現実の内にある。認識と実存は辺縁の上で矛盾無く重なり合い、セカイに継
ぎ目など無いかの様だ。我々は総体としての主体現実を相対としての辺縁現
実としてしか観察し得ない三次元存在に過ぎない。
認識と実存のずれ、世界観の違いは個々人の間に必ず存在する。人は皆自身
が描いた文脈の上を生きる盲いた紙魚であることから逃れられない。
最終更新:2013年05月08日 18:07