• あらすじ
 いつからか季節を問わず、群発的に雪が降る町――雪宮市。最初の内こそ観光資源にされていた雪だが、町外れにある廃工場から出た産業廃棄物の影響で現れたという話が広まってからは、公害として人々は危惧するようになった。そんな経緯から、この雪に長く触れていると奇病にかかってしまうという噂が生まれ、その曰くから雪のことを誰とも無く病雪と呼ぶようになった。実際にそういった奇病にかかる者はいなかったが、市民は漠然と不安を感じ、病雪を苛むようになった。
そして、この町にはもう一つ、病雪に関するある噂がまことしやかに囁かれていた。
――病雪に魅入られた者は化物になる。
 噂はその実、漠然と知られている程度でなんら真実味を帯びたものではなく、人々の間では単なるゴシップにすぎない――はずだった。

 春間和希は雪宮市に住む、ごく普通の少年。和希は無類の正義感を抱いていたが、それを発揮する場面に居合わせられなかった。和希はひょんな事から、怪物と闘う少女と出会う。少女は雛羽のぞみと名乗った。彼女は、怪物は噂として流れている病雪に魅入られた者の末路と語った。病雪に魅入られた者を見た人間は、同じように怪物になってしまうらしい。だが、怪物を見たはずの和希は、何故か無事だった。のぞみは和希に興味を持ち、和希を監視するために部屋に転がり込んでくる。こうして二人は、奇妙な共同生活を送りながら、病雪との死闘を繰り広げて行くことになる。

  • キャラクター


最終更新:2011年05月26日 00:51