Scarborough Fair
クリスマスの起源
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クリスマスの起源と大地母神
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一般にはイエスの誕生日とされているクリスマスも、
元を辿れば大地の復活を祈る地母神的な祭儀である。
元を辿れば大地の復活を祈る地母神的な祭儀である。
クリスマスのルーツはローマ帝国にて世界宗教の座を
争いあったキリスト教とミトラス教の双方にある。
争いあったキリスト教とミトラス教の双方にある。
……
12月25日はイエスの誕生日と思われているが、
そもそも、イエスの誕生日がいつであるのかは
聖書には一切記されていない。
そもそも、イエスの誕生日がいつであるのかは
聖書には一切記されていない。
……
ただ、その時期羊飼いたちが野宿をしていたという記述がある事から、
非常に凍え、降雪なども見られる中東の冬季で無い事は確かである。
非常に凍え、降雪なども見られる中東の冬季で無い事は確かである。
……
元々ローマでは、冬至と重なる12月17日から24日にかけて、
種撒きと農耕の神である大地神サトゥルヌス
(ギリシア神話のクロノスに相当) の祭が行われていた。
種撒きと農耕の神である大地神サトゥルヌス
(ギリシア神話のクロノスに相当) の祭が行われていた。
冬至とは夏至以降、一日ごと短くなっていく日照時間が底打ちし、
一日ごとに長くなっていく、「太陽の死と復活」の日である。
ローマの人々は冬という穀物が生育しない寒冷の時期を、
太陽神の死と大地の神の死になぞらえ、森から常緑樹の枝を取ってきて
贈りあい、大地が新しい力を得られるように祈った。
一日ごとに長くなっていく、「太陽の死と復活」の日である。
ローマの人々は冬という穀物が生育しない寒冷の時期を、
太陽神の死と大地の神の死になぞらえ、森から常緑樹の枝を取ってきて
贈りあい、大地が新しい力を得られるように祈った。
……
サトゥルナリアというこの祭の期間中は、奴隷と自由人の垣根が取り払われ、
人々は蝋燭や人形を交換し合い、楽しく陽気に祝われたという。
人々は蝋燭や人形を交換し合い、楽しく陽気に祝われたという。
この時期はエジプトの地母神イシスの祭りでもあった。
またミトラス教の祭りでもあり、3世紀初めのヘリオガバルス帝(218-222)は
不滅の太陽神ソル・インウィクトゥスの誕生祭を「12月25日」と定めた。
またミトラス教の祭りでもあり、3世紀初めのヘリオガバルス帝(218-222)は
不滅の太陽神ソル・インウィクトゥスの誕生祭を「12月25日」と定めた。
インドやペルシアに端を発するミトラス教は、この太陽神ソルを
主神である太陽神ミスラ (仏教でいうところの弥勒菩薩) と同一視しており、
太陽の死と復活の日である冬至に
ナタリス・インウィクティという祭典を開き、大々的に祝っていた。
主神である太陽神ミスラ (仏教でいうところの弥勒菩薩) と同一視しており、
太陽の死と復活の日である冬至に
ナタリス・インウィクティという祭典を開き、大々的に祝っていた。
この12月にはユール祭というゲルマンの祭もあり、
地母神フレイヤの兄である豊穣神フレイの獣、
雄豚を供犠として捧げて食べた。
クリスマスに七面鳥などを食べるのはこの変形である。
地母神フレイヤの兄である豊穣神フレイの獣、
雄豚を供犠として捧げて食べた。
クリスマスに七面鳥などを食べるのはこの変形である。
つまり今日キリスト教に見られる、12月24日までの
待降節(アドヴェントス)、そして25日の降誕節(クリスマス)は
こうした異教の祭が前提として存在していたものなのである。
待降節(アドヴェントス)、そして25日の降誕節(クリスマス)は
こうした異教の祭が前提として存在していたものなのである。
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さて、それまでローマ帝国から弾圧されてきたキリスト教であるが、
4世紀は逆転劇を演じる。
313年にコンスタンティヌス帝がキリスト教を公認、
392年にテオドシウス帝がキリスト教を国教化した。
4世紀は逆転劇を演じる。
313年にコンスタンティヌス帝がキリスト教を公認、
392年にテオドシウス帝がキリスト教を国教化した。
この中間の時期において、サトゥルナリアやミトラス教の冬至祭が渾淆され、
キリスト教の祝聖日として作り換えられた。
「クリスマス」の誕生である。
キリスト教の祝聖日として作り換えられた。
「クリスマス」の誕生である。
……
太陽神崇拝の冬至祭を強引にイエス・キリストの誕生日として祝うことにした結果、
キリスト教は確かに異教徒を取り込むことに成功した。
だが、それはまた、キリスト教の異教化(正確にいえば、イエスの説いた
もともとの教えからの逸脱)を進めることにもなったといえる。
キリスト教は確かに異教徒を取り込むことに成功した。
だが、それはまた、キリスト教の異教化(正確にいえば、イエスの説いた
もともとの教えからの逸脱)を進めることにもなったといえる。
もう少しクリマスの話を続けよう。
ミトラス教は牡牛を聖なる動物と崇め、
これを屠って神に捧げる。
ミトラス教は牡牛を聖なる動物と崇め、
これを屠って神に捧げる。
……
この儀式を簡略化したのが12月25日のパンとワインの儀式で、
キリスト教はミトラス教と渾淆した際に
その儀式を取り入れたのだという説がある。
キリスト教はミトラス教と渾淆した際に
その儀式を取り入れたのだという説がある。
もっともルーツを共にするものか、
同じく牛を祀って神に捧げ、その血を聖なるものとする教えは
ミトラス教に限らず、広くオリエント一帯の古代宗教に見られる。
同じく牛を祀って神に捧げ、その血を聖なるものとする教えは
ミトラス教に限らず、広くオリエント一帯の古代宗教に見られる。
キリスト教の元となったユダヤ教でも雄羊を神に捧げたり、
その血を門に塗って殺戮の天使の被害を免れたりした。
その血を門に塗って殺戮の天使の被害を免れたりした。
尤も、ユダヤ教がこれらと異なるのはこうした牡牛を崇める
バアルやマルドゥクなどの異教と対立していたという点である。
創世記に於いてもモーセが牡牛を祀っていた異教徒を排斥している。
バアルやマルドゥクなどの異教と対立していたという点である。
創世記に於いてもモーセが牡牛を祀っていた異教徒を排斥している。
パンとワインの儀式とは要するに血と肉の代わりを口にして
生贄と同一化する儀式であり、広く普遍性を持った儀式に過ぎない。
それを取り入れたからといって、ミトラス教の教義に染まったと
結論づけるのは短絡的であろう。
生贄と同一化する儀式であり、広く普遍性を持った儀式に過ぎない。
それを取り入れたからといって、ミトラス教の教義に染まったと
結論づけるのは短絡的であろう。
なお、クリスマスと言えば欠かせないのがサンタクロースだ。
白い髭を蓄え、子供たちが寝静まったクリスマスイヴの夜、
トナカイの曳く橇に乗って煙突から侵入し、プレゼントを置いて立ち去る聖人。
白い髭を蓄え、子供たちが寝静まったクリスマスイヴの夜、
トナカイの曳く橇に乗って煙突から侵入し、プレゼントを置いて立ち去る聖人。
ロクチャイルド系会社のコカ・コーラが
CMに起用した事で赤と白のコスチュームが流行った。
コカ・コーラ社の広告として活用されたというのは
CMに起用した事で赤と白のコスチュームが流行った。
コカ・コーラ社の広告として活用されたというのは
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END