(03)128 名無し募集中。。。 (魔女降臨)



「藤本さんっっ!!!」

意識朦朧の田中が見たのは元リゾナンダーの藤本だった








青白い冷気と共に暗闇の奥からゆっくりと近づいてくるミティ
「フッフッフ、久しぶりだね田中」


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それは1年前の出来事だった

当時リゾナンダーの隊長吉澤の元で副隊長をしてた藤本は美しく聡明で知的で
ずば抜けた実力の持ち主でメンバー達からも尊敬されていた。
特に藤本に憧れていた新人田中は毎日激しい特訓で戦い方を教えてもらう師弟関係の仲だった

そんなある日、隊長吉澤と田中は偶然ダークネスのアジトを発見し中を探ろうとするが
手下達に見つかり捕らえられてしまう
拷問を受ける2人だが口は堅く、とどめを刺そうとするダークネス
その時、手下どものうめき声が聞こえ、振り向くとそこには助けに駆けつけた藤本が立っていた

藤本はリゾナンダーの中でも特殊なメンバーで魔法が使える
得意のブリザード魔法で手下どもをバタバタと倒していく
そして隙を見て2人の縄を解いて逃がそうとする藤本
礼を言う吉澤が立ち上がろうとしたその時・・・氷柱が吉澤の胸を貫く
真っ赤な血を噴出しながら倒れていく吉澤
驚く田中が振り向くと微笑しながら背後から吉澤を氷柱で突き刺す藤本の姿があった
唖然としながらダークネスの一撃を喰らい意識を失う田中・・

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今その藤本が目の前に立っている








「何で・・・何であんなことをしたと・・」
「吉澤のことか?あれは仕方がない。私がダークネス様に認めてもらうにはああするしかなかった」
「ダークネス様!?もしかして藤本さんっ!」
「その通りよ。私はダークネス様に忠誠を誓ったわ。そして世界を制覇する」
「どうして!れいな訳が分からんと・・」
「フッ、相変わらず綺麗な顔をしているね田中」

ゆっくり近づき氷のような冷たい指で田中の顔を撫で回す藤本
「生命には寿命がある。どんな美しい美貌を持っていてもやがて肉体は老化し醜い姿になっていく。
 私にはそれが耐えられなかった。永遠の肉体が欲しい。その為にダークネス様と手を組んで暗黒世界に入ったのよ」
「そんなの間違ってる!藤本さんはそんな人じゃない!!」
「ええい、黙りなさい!私はもう藤本ではないわ。私はミティよ!」
田中の服を切り裂くミティ


「1年前のあの時、何故お前を殺さないで逃がしたと思う?」
「・・・」
「お前が羨ましかったのさ。若くて、美しくて、そして強くて。」
「・・・」
「だから生かしておいたのさ。成長したお前の姿が見たくてね。そして永遠の肉体を手に入れた私の手で殺したくてね」
「今日光井のフリしてここに呼び出したのも藤本さんだったわけね」
「さあ、お喋りの時間もここまでよ。そろそろお前を殺したくてウズウズしてきたわ」
「1つだけ聞いていいと?リゾナンダーとして勇敢に戦ってきたあなたの姿は偽善だったの?」
「・・・さあね」

戦闘力は圧倒的に力の差がある藤本と田中
昔よりは成長してるとはいえ田中1人では魔法使いの藤本には到底かなわない
こういう時の最も効果的な戦法は“逃げる”ことだ
しかし吉澤を殺され裏切った藤本の前に怒りと恐怖で我を忘れた田中は逃げようとはしない
死ぬ覚悟で戦うことを決めた
殺意に満ちた藤本が立ち向かってくる
 ・・・・
 ・・・
 ・・



気が付くとそこは古い小さな小屋の中のワラで作られたベッドの上だった
台所の方でヤカンが蒸気を噴いている
「気がついたかニャ?」








「ボ、ボス!!」
「しばらくここで休んでいけニャ」
「藤本さ・・いやミティは?」
「ふぅ、歳はとりたくないのぅ。間一髪じゃったニャ」
そう言ってボスはお茶を入れに行った。シッポが血で赤く染まってた。

私の中の藤本さんはもういない
私はもっと強くなってみせる
そして必ずミティを倒す
絶対に許さない

リゾナントブルーが流れる








「アジト見っけ♪」




















最終更新:2012年11月23日 10:56
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