(24)585 『絶対解ける問題 X=A+JS』



 >高度400、目標を補足
 >減速、降下シークエンス
 >攻撃準備の為、光学迷彩解除
 >ウェポンベイ、OPEN

その漆黒の鳥は都内某区の上空に突然姿を現した
形状、素材、動力のステルス性に加え、光学迷彩で完全に姿を隠せるダークネスの最新兵器

『ジェットストライカー』

黒鳥は翼を広げ、眼下の獲物に向かって猛然と降下し始めた。

 >目標をモニター。集音マイクON


「リン!」

李純の声で振り向いた銭淋が見たものは、飛来する黒鳥の姿。

「アレは・・・」
「コッチに向かって来ル」

黒鳥は銭淋達まで150m余りの距離で急停止し、ホバリングを始める。

「ヤハリ、ドウ見てもコチラをターゲッティングしているナ。奴ラか。」
「マサカ、ココで仕掛ける気カ!?」

突如ビルの谷間に飛来した小型戦闘機
行き交う人々の中にもその姿に気付き、ざわめいたり、指を指す者も居る。

 >目標に照準セット>OK

「『念』デ落トスカ?」
「この距離デハ無理ダ・・・来るぞ!」
「汚イ奴らメ!!!」
「ドコまでヤれるかワカラナイガ、罪モナイ人達ヲ巻き添えニハシナイ!」
「了解!」

 >目標、念動フィールドを展開

李純と銭淋の共鳴した念動力で、円を描くように遠くへ周囲の人々が吹き飛ばされていく

 >全弾発射準備>OK
 >Fire!


フォン!という音と共に黒鳥から発射される数発の小型ミサイル
たちまち爆風に包まれる李純と銭淋
一瞬固まり、悲鳴と共に逃げ惑う人々
続けて掃射されるガトリングガン
念動力に次々弾かれる弾丸が、周囲のアスファルトに穴を開ける

「クッ・・・キツいナ・・・」
「もう少シダ!あの機体の大きさデハそう弾数ハナイ筈ダ!」

銭淋の推測通り、カラカラと回り弾を吐き出さなくなるガトリングガン

 >全弾発射終了。残弾ゼロ
 >目標、生存
 >攻撃の効果算出中・・・
 >念動エネルギー、初期展開時の30%まで減少

「終ワッタ・・・」
「行クゾ淋!アノ蚊トンボを落としてヤル!」


黒鳥に向かって駆け出そうとする李純

 >白兵戦に移行
 >System「A」射出

「待テ純!マタ何か出スようダゾ!」

上空でホバリングを続ける黒鳥のハッチが開き、中から黒い塊が射出される。

「アレは・・・人!?」

射出されたのは丸まった体勢の人間。人影は空中で一回転すると手足を伸ばし
ズン、という音と共に李純達の目の前に着地する。

「コイツ・・・」
「アノ高さカラ降りテ平気ナノカ・・・」

 >着地時の衝撃による損傷>ナシ
 >攻撃、再開

以前に戦った『粛清人』と同じ黒革の服を纏った女は着地の際に地面のアスファルトに
めりこんだ足を引き抜き、ゆっくりと李純達に向かって歩き始めた。

(続く)




















最終更新:2012年12月02日 08:46