(02)474 『ドッキリレズキュン』



小春・・・どうしたの?」
何故か頭の芯が痺れるような不思議な感覚に襲われながら、愛は入り口でたたずんだままの小春にそう訊ねた。

「高橋さん・・・小春・・・なんだかおかしいんです・・・体が熱くて・・」
そう言いながら、小春はゆっくりとブラウスのボタンをはずし始める。
愛は、その一つ一つの行動に伴ない、頭の芯の痺れたような感覚がその度合いを増してゆくのを感じていた。

やがて、キャミソールだけの白く華奢な肩や二の腕が露わになる。
「変だよ・・・小春なんだか変なの・・・」
そう言いながら、小春がふらついた足取りで愛の下へと歩み寄る度に、深く切り込まれたスカートのスリットから太ももが覗く。

「小春・・・」
もはや陶然とした目つきの愛は、小春に向かってゆっくりと手を差しのべた・・・


「・・・ねえ、ちょっとこれヤバくない?」
誰もが言いだせなかった台詞を口にしたのは絵里だった。

「絶対ヤバイって」
「愛ちゃんマジじゃん・・・」
「ですよ・・・ね」
「アレハ本気ノ目ダヨ」
「デスネ」

口々にそう言いながらもモニターから目を離さない他のメンバーたちを前に、里沙は事態の収拾をどうつけたものか悩んでいた。
小春の能力「魅了(チャーム)」を使用してのドッキリ企画。
そうは言っても同性には効果がないはずだったのだが・・・

「よし、なかったことにしよう」

ポンと手を打つと、里沙はモニターを食い入るように見つめる仲間の輪に入った。
もう中学生のメンバーはいなくなったことだしまあいいじゃんと自分に言い訳をしながら。




















最終更新:2012年12月17日 11:42