(02)442 『トンネルと夜明け』



―このトンネルを抜ければ明るい外の世界

そう信じて独り歩いてきた。
だけどようやく抜けたトンネルの先にあったのは夜の闇。
トンネルの中よりも暗い、どこまでも続く闇の世界。

―もう、この闇と同化するしか自分には救いはない

そんな絶望にとらわれていたあの頃。


だけど今は違う。

「朝は必ず来る。誰にでも。どんなときでも」

あの人がそう言ってくれたときが、れいなにとっての夜明けだった。




















最終更新:2012年12月17日 11:41