「…れーな、謝らんよ。
間違ったこと言ったなんて思ってないし」
「れーな…」
口を閉ざしたれいなの方を向くことが出来なくて、私は同じように黙り込む。
些細なことから、愛ちゃんと喧嘩してリゾナントを出てきたらしいれいな。
考え方が違うから、たまに二人はぶつかり合うこともある。
大体は、頑固なれいなが折れない代わりに愛ちゃんが折れてそれで終わるんだけど。
でも、私、知ってるんだよ。
本当は、れいなが愛ちゃんに謝りに行きたいって思ってること。
意地っ張りで頑固で、素直になれないれいな。
…しょうがないから、背中押してあげる。
「れーな、早く謝りに行ってきなよ。
大丈夫、愛ちゃんもう怒ってないって」
「そうかなぁ…れーな、ひどいこと言ったけん、まだ怒ってると思うと」
「あー、もう、いいから行け!
謝りに行って、それでも駄目だったら…慰めてあげるから」
少しだけ強い口調で言ったら、ようやく立ち上がったれいな。
不安そうな表情を浮かべて、こっちを見てくるれいなに微笑みを一つ浮かべて。
出ていった背中を見つめながら、早く仲直りするんだよと心の中で呟いた。
最終更新:2012年12月01日 15:23