(21)263 『蒼の共鳴-いざ、海上の牢獄へ-』



「…保田さん、どうして彼女達を帰したんですか?
あのまま帰したら、二度と戻ってこないかもしれないのに…」


静かな空間に響く声。
所狭しと設置された、無数のコンピューター、電子機器。

ここは、とある県に存在する樹海の奥深く、地下に作られた“研究施設”である。
政府等の公的機関にもその存在は察知されていない、幾重にも渡って厳重な“結界”で外界から隔離された空間。

保田と呼ばれた人物―――“保田圭”は、自分を責めるような目つきで見つめてくる女性に口を開く。


「小川…逆に聞くけど、あんたがあの子達の立場だったら、どう思う?」

「どう、って…」

「実は自分達は人間ではありませんでした。
その上、ただの超能力者じゃない、世界を救うために作り出された存在でした。
そんなこと急に言われて、どう思うの?」

「それは…」

「あの子達には、整理する時間が必要よ。
そりゃ、新垣のこと、そしてそう遠くないうちに起こりうるダークネスの企みを打ち砕くためには、
あの子達を“騙して”でも無理矢理光の方向へと導くべきだとは思う。
だけど、ね―――誰かに強制されることなく、自分達の意思で世界を守ろう、戦おうと思えない限り、
例えあの子達が強さを手に入れても、それは達成されない、そう思うのよ」


圭の淡々とした物言いに、小川と呼ばれた女性―――“小川麻琴”は口を噤む。
黙り込んでしまった麻琴を見つめながら、圭はなおも口を開いた。


「新垣が収容される海上の牢獄、そこはダークネスのもう一つの基地と言ってもいいくらい、
何十もの結界に包まれ、戦力も集中した場所よ。
あの子達が力を手に入れても、ひょっとしたら―――新垣を助け出す前に、命を落とす可能性だって充分ある。
あの子達は今までもダークネスの能力者達と渡り合ってきて、その度に何とか能力者を退けて生き残ってきた。
でも、今回の新垣奪還は、ただ新垣を奪還すればそれで終わることじゃない。
ダークネス、リゾナンター、互いの命、存在、そしてこの世界を賭けた戦いの始まりでもあるのよ」

「保田さん…」

「そんな重大な戦いなのよ、それなのに、あの子達の意思をねじ曲げ無理矢理赴かせたところで、世界は救われると思う?
あたしはそうは思わない。
あの子達が自分達で、たった9人でやり遂げるには余りにも大きすぎる戦いに赴くことを選ばなければ意味がないのよ。
誰かに決められたから、やらなきゃいけないからやる、じゃない。
自分達で決めた、だから何としてでもそれを貫いてみせる、そういう心の強さを、光を掲げられなければ―――強すぎる闇に呑まれて死ぬだけよ」


そこまで言って、圭は椅子に腰掛けて目を伏せる。
その姿に、麻琴はただただ圭を見つめることしか出来ない。


「…彼女達、帰ってきますかね?」


麻琴の呟きに、圭が答えることはなかった。


     *    *    *


その頃、“喫茶リゾナント”に戻ってきた8人。
誰も何も言えない、重苦しい空気がリゾナントを包み込んでいた。


リゾナントのマスターであり、“リゾナンター”のリーダーでもある愛が、意を決したように口を開く。


「…ここからは、個人個人に任す。
今までのようにはいかん、命を落とす可能性も今までとは比べものにならん、ダークネスとの全面対決。
里沙ちゃん、そして…仲間達の命だけじゃない、この世界に生きるあらゆる人間達の命を背負った戦いが待ってる。
覚悟が出来た人間だけ、明日、ここに集まって。
―――来ない人間が居たとしても、あーしは、そしてここに再び来た仲間は絶対にそれを責めたりしない。
それじゃ、解散」


愛の言葉と共に、仲間達は重い足取りで散っていく。
その背中を見つめながら、愛もまた階上にある自室へと消えていく。
リゾナントに居候している“田中れいな”も、愛に続くように階上へと消えていった。

別れ別れになった仲間達は、自宅へと戻っていく。
誰も何も言わず、別れの挨拶すらしないまま、徒歩で帰る者、電車で帰る者、タクシーで帰る者とバラバラに。

皆、自分、仲間達の身に突如降り掛かった“事実”と向き合うことで精一杯だった。

リゾナンターが結成されてから、数年間、断続的に続くダークネスとの戦いに赴いていた。
傷つけられ、時には生命の危機に瀕することがありながらも、ダークネスの能力者を退けて生き残ってきた日々。

いつかは、完全に決着をつけなければならないのだと思ってはいた。
だが、自分達に知らされた“真実”は、予想していた範囲を遥かに超えていたのだ。

先日戦った、否、戦いにすらならなかった強大な力を持った能力者。
今まで戦ってきた能力者など足下にすら及ばない、圧倒的な力を有する存在。

あんな能力者がいる組織だとは知らなかった。
しかも、圭の話では―――そうした圧倒的な力を有する能力者が複数いる上に、クローン技術を駆使して今も尚、
そうした能力者並のクローンを無数に作り出そうとしているのだと言う。


それに対して、自分達はたった九人、しかもうち一人はダークネスに捕らえられてしまっている。
強大な組織に対抗する技術も施設も持たない、ただの能力者の集まりに過ぎない。

圭は言っていた、自分達は“共鳴因子”というものを身に宿した、この世界の希望にも絶望にもなり得る存在だと。
だが、本当に自分達はダークネスを倒し、この世界に希望をもたらすことが出来るのだろうか。

圭の言葉に嘘偽りがあるとは思えない。
だが、本当に―――自分達は、この世界を救うことが出来るのだろうか。

誰もが眠れぬ夜を過ごす。

―――そう簡単に、答えは出そうもなかった。


     *    *    *


深夜、カウンターから愛は誰もいない店内を眺めていた。
今までのこと、そしてこれから先のことを考える。

里沙を助け出したい。
そう思う気持ちは以前と変わらない。

だが、単純にそれだけで終わる問題ではないのだと知った今。
よく考えて、選ばなければならない。

愛は誰もいない店内を目に焼き付け、息をつく。

祖母の遺志を継ぎ、何も分からないまま継いだ喫茶店。
最初の頃は、訪れた客に文句を言われることも珍しくはなかった。

だが、それでもこの喫茶店を経営することが出来たのは―――以前と同じ味が楽しめなくなっても、足繁く通ってくれる客が沢山いたからである。


このまま、里沙を助けに向かわないという選択をすることは。
里沙が助からないだけではなく、ここに通う客の命もいずれ失われるということだった。
そして、この世界に生きる数多の人間達がダークネスに怯え、いつ命を落とすかもしれない恐怖の日々に身を晒されるのだ。

愛は覚悟を決める。
例え独りでも、里沙を助け出し―――ダークネスを倒す為に、この命を賭ける、と。


     *    *    *


ロフトに寝転がり、れいなは天井を見上げていた。
体は休息を欲していたが、全く眠れる気はしない。

今も尚、ありありと思い出せる、皆の力を合わせても勝てる気の起こらない、圧倒的な能力者。
あんな能力者がいる巨大な組織に、果たして勝てるのだろうか。

胸を切り裂く、あの夜の別れ。
今も忘れることの出来ぬ、里沙の微笑み。

里沙を助けたい、心の底からそう思う。

れいなは身を起こし、ロフトから降りて階下へと向かう。
誰もいない店内を真剣な眼差しで見つめている愛の横顔に、れいなは密かに誓う。

愛は、例え独りでも勝ち目のない戦いに赴くに違いない。
里沙を助けるために、そして…この世界を救うために戦う、愛はそういう人だ。

正直な話をすれば、自分が世界を救う力を持った人間だという実感なんて全くない。
でも―――愛をたった独りで、過酷過ぎる戦いに赴かせたりはしない。


愛との出会いがあったから、今の自分がいる。
喜びも悲しみも共に分かち合い、乗り越えることの出来る仲間達と出会うことが出来た。

れいなは愛の傍に行くと、そっとその手を握りしめて愛に微笑む。
言葉よりも遥かに“共鳴”が、自分の想いを愛に伝えた。


「愛ちゃん…」

「れいな、ありがとう。
…心配せんでも、絶対にあーしは死なんし、里沙ちゃんも助けてみせる。
そして、この世界も、きっと…」


強い意志の宿った瞳。
もう今まで何度も見てきたはずなのに、れいなの胸は自然と熱くなる。

愛と共に階上へと戻りながら、れいなは他の仲間達のことを思う。

自分は、こうしてすぐ傍に愛がいたから答えを出すことが出来たが。
他の仲間達は、きっと今、たった独りで戦っている。


明日、ひょっとしたらここには誰も来ないかもしれない。
だが、それでも…仲間達も自分と同じ道を選んでくれることを信じるしかなかった。

布団に転がり、天井を見つめながられいなの夜は更けていった。


     *    *    *


朝が来た。
愛とれいなは荷物をまとめ、階下でひたすら仲間達が訪れるのを待つ。

圭に指定された時間は、夕方だった。
夕方までに集まった人間だけで今後は進めていくと、そう言っていた圭。

全員いた方がいいけれど、こればかりは強制出来ることではない。
強大すぎる力を持った能力者が何人も待ち構えた場所へと乗り込み、里沙を救い出し…そして、ダークネスを完全に打ち倒すために戦わねばならないのだ。

命の保証など何処にもないし、ダークネスを倒せる保証ももちろん何処にもない。
そして、これは自分達とダークネスだけの問題ではない、この世界の行く末を決める重大な戦いである。

皆、超能力が使えるということを除いては、いたって普通の人間と変わらない生活を送ってきたのだ。
それが突然こんな事態である。
自分達の命だけではなく、この世界に生きるあらゆる人間達の命をも背負うという重圧のすごさは、当事者だからこそよく分かることだった。
それに耐えきれずに、リゾナンターを去ったとしてもそれを責める気には到底なれない。


だが、出来るならば…共に来て欲しい、そう思う。

刻一刻と過ぎる時間。

愛もれいなもその間、一言も会話することはなかった。


     *    *    *


その頃、圭と麻琴は今後の対策を練っていた。
何人戻ってくるかは分からないが、常に万全の対策を練り彼女達を送り出せるようにしなければならない。


「とりあえず、あの子達を海上の牢獄に直接転送するのは厳しいわね。
下手に転送して、結界と結界の間なんかに送り込んだ日には、命が幾つあっても足りないわ」

「そうですね、と、なると…」

「ステルス機能を搭載した、高速で移動出来る乗り物が必要ね。
高速移動かつ、結界を突き破ることの出来る“結界破壊-シールドブレイク-”機能、“透明化-クリアライズ-”機能を搭載した乗り物。
後は…何か、戦闘服みたいなものを作った方がいいかしらね、治癒能力、増幅能力を繊維に練り込んだ強度の服」

「出来るなら、デバイスみたいなものがあるといいですね。
戦闘能力のない人間でも戦えるように、持ちうる能力を何らかの攻撃手段に転換できるような」

「後は非常用の手段として…能力増強剤でもあればいいかしらね…。
とは言え、あまりそれを使うような事態にはなってほしくないけど」


圭はそう言いながら、メインルームとは別にある部屋へと麻琴を伴って移動する。
その部屋に置かれていたのは、銀色に輝くスポーツカー。


圭はスポーツカーに触れながら、己の能力を解き放つ。

圭が行使したのは“創造-クリエイション-”、既存の物を自分の思うがままの物へと作り替える能力だった。
一から何かを創造することは出来ないが、既存の物を自分の思う物へと作り替える能力を行使し、圭はただのスポーツカーを、
海上を高速移動出来る、特別なマニュアルなど無くても操作できる乗り物“リゾナンカー”へと作り替えた。

そして、圭は部屋の片隅に設置されていた転送装置を展開し、麻琴に何でもいいから服を買ってくるように告げる。
麻琴が出ていったのを確認し、圭は部屋を出ていく。

再び戻ってきた圭の手に握られていたのは、九つのブレスレット。
それぞれに、小さな石が付いているだけのシンプルなブレスレットに、圭は再び能力を解き放つ。
見た目は何も変わらないブレスレットに、能力転換機能が搭載された。


「…買えた?
え、サイズとかどうしたらいいのかって?
そんなの、あたしの手にかかればどうとでもなるから早く買いなさい。
で、買い終わったらまた連絡して、転送装置展開するから」


携帯電話の終話ボタンを押し、圭はメインルームへと戻る。
パソコンを操作し、リゾナンター達の各データを分析しはじめる圭。

一人一人が持ちうる能力を分析し、その上で今度は身体データを分析していく。
淀みなく高速でキーボードを叩く指から奏でられる音が、静かな空間に響く唯一の音だった。

十数分後、麻琴から連絡を受けた圭は別室へと移動し、転送装置を展開して麻琴を呼び戻す。
九人分の服を抱えた麻琴の労をねぎらいながら、圭は三度能力を解き放った。

色とりどりの様々な服が、黒を基調とした服へと生まれ変わっていく。
動きやすさを重視しつつ、その服に治癒能力、増幅能力を練り込み…数十秒で一着、“戦闘服”が完成した。


同じように、圭は服達を戦闘服へと作り替えていく。
額に汗を滲ませながら、圭は必死に作業を進めていった。

九つの服を作り替えた圭が次にしたことは、先程作り替えたブレスレットと戦闘服をリンクすることだった。
ブレスレットに力を込めれば、自由自在に戦闘服、普段の服とを切り替えられるようにしていく。

そして、獣化能力を持った少女のために…戦闘服に再生機能を付与する。
獣化する度に服を作り直していてはきりがない、ならば最初から服に再生機能を付与しておけば服が破れても問題ないだろう。

そこまで準備した圭は、腕時計の時間を確認する。
彼女達―――“リゾナンター”に告げておいた時間が来た。

圭は祈るように転送装置を展開する。
数十秒後、施設に転送されてきたリゾナンター達の数は―――八人。


「…よく、全員戻ってきてくれたわね」


圭の言葉に、八人は微笑み一つ零さず圭、そして麻琴に視線を向ける。

強い光が、八人の双眸から放たれていた。
今までの、何処か頼りない瞳とは全く違う、強い意志を感じさせる眼差しに、圭の心は熱くなる。
圭の目を見据えながら、愛が一歩前に踏み出して口を開いた。


「保田さん…あーし達、戻ってきたけど。
でも、あーし達はやっぱり迷ってる、っていうか、よく分からんかった。
世界を守るとか、救うとか言われても、やっぱりどこかピンとはこんくて。
でも…」

「でも?」

「あーし達は今まで生きてきたこの世界が、この先もずっと続いていけばいい、そう思った。
里沙ちゃんがいて、皆がいて、いつも心穏やかに過ごせるような、そういう時間の続く世界。
あーし達にその世界を守る力があるなら、戦わなきゃいけない、そう思う。
死ぬかもしれん、世界を守るよりも先に全員死んで、この世界はダークネスのいいようにされてしまうかもしれん。
でも、あーし達は―――戦います、そして、ダークネスを倒して、この世界を必ず守ってみせます」

「…そうこなくっちゃね。
さて、と。
早いところ新垣を助け出したいのは山々だけど、あんた達をこれから海上の牢獄に送り出すために、何日か時間を貰うわよ。
あんた達の持っている“共鳴因子”、それの持つ可能性、そしてあんた達が持っている力を限界まで引き出さないといけないから」


圭の言葉に、八人は一様に頷く。
不敵に微笑む圭の姿を見つめながら、八人は遠い場所に監禁されているであろう里沙を思う。

必ず、里沙を助け出す。
そして、里沙と共に―――この世界を守ってみせる。

その瞳にはもう、何の迷いもなかった。


それから数日後、八人のリゾナンター達は戦闘服に身を包み、リゾナンカーへと乗り込んだ。
愛の服のポケットには、里沙の分のブレスレット、そして…圭から渡された能力増強剤が入っている。


「…あんた達、このあたしがここまでしたんだから絶対に新垣を取り戻してくるのよ。
誰一人死んだりすることなく、無事に帰ってきなさい」

「保田さん…」

「行きなさい、そしてあいつらに見せてやりなさい。
―――蒼く輝く光を、共鳴という可能性を」


圭の言葉に八人は一様に頷く。
エンジンの回転音が響き渡る施設。

圭は転送装置を展開し、リゾナンカーを海上へと送り出す用意を整える。

―――数十秒後、リゾナンカーは海上へと転送され、海上の牢獄目指して移動を始めた。


     *    *    *


「右45度方向、ミサイル来ます!」

「私がやリまス!」


リゾナンカーの操作担当をしている“光井愛佳”の声に答えたのは“ジュンジュン”だった。
目にも止まらぬ速さで飛んでくる数多のミサイルを、“念動力-サイコキネシス-”を駆使して次々に撃ち落としていく。


「左30度方向!」

「バッチリでース!」


次に愛佳の言葉に答えたのは“リンリン”だった。
ジュンジュンと同様、念動力を駆使して次々にミサイルを撃ち落としていく。

飛行機並みの速度で移動するリゾナンカー。
仲間達とリゾナンカーを暴風や敵の攻撃から守るのは“亀井絵里”、“道重さゆみ”、“田中れいな”が作り出した三重結界だった。

十数分程、こうしたやり取りを繰り広げただろうか。
やがて、リゾナンター達の視界に見えてきた小さな島。


「結界を破って、そこから各二人のチームに分かれて四方から施設を攻めるよ!
各自、何か不測の事態が起こったら随時インカムで知らせるように!」


愛の言葉に、皆頷くと各自集中を開始する。
海上の牢獄まで後三分程度となったその時、“久住小春”が空中へと高く飛び上がった。


「いっけえええ!!!」


小春の叫び声と共に、生み出されたのは赤く巨大な稲妻。
稲妻は結界を突き破り、施設の電気系統を一瞬でショートさせる。

電気系統がショートしたことにより、先程まで飛んできていたミサイルの類が飛んでこなくなった。
八人はリゾナンカー上で、円陣を組んで固く互いの手を繋ぐ。


「…絶対に、里沙ちゃんを助け出すよ。
絶対に、皆で…九人で帰るよ、リゾナントに!!」


愛の叫び声と共に、八人はそれぞれ4人のグループに分かれる。

愛、れいな。
絵里、さゆみ。
小春、愛佳。
ジュンジュン、リンリン。

八人は海上の牢獄へとリゾナンカーが不時着すると同時に、リゾナンカーを飛び出していく。
奥に向かったのは、愛れいな組と、小春愛佳組。
それぞれが、侵入ポイントへと向かって走り出す。

攻撃をしかけてくる能力者を一瞬で倒しながら、それぞれが目標地点へと辿り着いた。


「…電気系統はさっきの小春の攻撃で駄目になってるはずやから、そこらへんは心配せんでもいいはずや。
ただ、中にはどんな能力者がいるか分からん、皆、気をつけて」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

「じゃあ、行くで!!!」


―――愛の声と共に、里沙奪還作戦が幕を開けた。





















最終更新:2012年12月01日 14:55