(17)148 『共鳴という絆』



秋の夜長に訪れた冷たい風が
この身も 心も凍えさせる

けれど
傍にいてくれる仲間の優しさが温かくて
いつも笑顔でいられる


  *


ずっと一人だった自分は
どこでもずっと一人だと思って
誰にでも笑顔を振りまく自分は
人形のようだと思った

その笑顔に温かさは無く
卑しい望みだけが詰まっている
そんな世界で生きてきた自分は
もう本当の笑顔が出せないと思っていた


  **


ずっと一人だった自分は
どこでもずっと一人だと思って
教室の隅っこで教科書片手の自分は
地味な一匹狼だと思った

その目は常に教科書を向いて
感情の無い人形のようにひたすら勉強をしていた
人の優しさに包まれたいと望むのに
すでに距離は開いて手は届かなかった


  *


雲に隠れた暗い月の夜に
偶然出会った女性は綺麗な瞳でこちらを見てきた

無意識に悲鳴を上げていた心の声を
貴女は感じ取って来てくれた

最初こそ奇妙だと思ったことも
今ではすごく自然なことのように感じる

この仲間でしか感じることのできない共鳴は
本当の笑顔を取り戻してくれた


  **


雲一つない満月の夜に
偶然出会った女性は綺麗な瞳でこちらを見てきた

その瞳の奥から聞こえてくる声が
心に響いて無意識に涙を誘う

不思議に思ったこの共鳴というものが
今ではすごく温かく感じる

ずっと欲しかった温もりと仲間
それを貴女は与えてくれた


  ***


共鳴で知りえた仲間は
今ではものすごく大切な人達

共に戦い 悲しみ 喜び 笑い合って
未来を切り開くべく集った仲間

守りたいと思う仲間


そこで出会った彼女もまた
共鳴で集まった内の一人

年の近い彼女が自分の友達になるのは
まだ少し先のお話...





















最終更新:2012年11月25日 20:27