(17)052 『共鳴修学旅行~リゾナンター京都湯煙探訪~』



【良い子のみんなに注意とお願い】

以下の項目に当てはまる方は読み飛ばして下さい
  • とにかく“18禁”の単語が気になるタイプの方
  • ドラマ『水戸黄門』にかげろうお銀の入浴シーンはいらんだろ!けしからん!なタイプの方

また、例外的に
  • エロに飢えている方
ご満足頂けない事間違いナシwなのでいっぱい期待しないでくだされ






れいな発案“大浴場競走一発芸バトルロワイヤル”の結果にまだ不満顔のさゆみ
脱衣場でブツクサ言いながら、自分の着替えを空いているロッカーに投げ込んだ

「こんな所に来てまで一発芸とか…憂鬱なの…」
「ニシシ…楽しみにしとるっちゃよ」

れいなはゴソゴソと服を脱ぎながらさゆみをからかう

「ってかれーな、なにしてんの?」

れいなの不思議な姿に絵里がつっこむ

「何って…服、脱いどるだけっちゃん」

れいなは端にゴムが通されてワンピースの様になるバスタオルを身に纏っていた
柄はもちろん人気アニメ“きらりちゃん☆エボリューション”だ
※参考画像:



「その脱ぎ方もおかしいし、そのバスタオルの柄もさぁ…ウヘヘ」

絵里はバスタオルの裾をつまみ上げる

「ちょ、めくらんとってって。しかもこのバスタオル、かわいかろうが」
「かわいいけどさぁ…ウヘ」


そうこうしている間に他のメンバーは準備が整ったようで
声を上げながら浴場へと走って行く

「イエイ!小春が一番乗りー!」
「アイヤー!久住サン!待ッテくだサイ!」
「オ風呂デカイナ!オォ!声スゴく響ク!ア゙ァーーー」
「ジュンジュンうるさいって!」
「アンタ達!湯船に入る前に体洗いなさいよっ!」

はしゃぐ年少組+ジュンジュンに里沙がすかさず釘を刺す

「里沙ちゃんはおかーさんみたいやのぉ」

こちらも準備が整った愛がニコニコしながら里沙の隣に立つ

「愛ちゃん…前、隠して…」
「ええやろ別に…どーせお風呂入ったら見えるもんやし」
「そうだけどさ、ここは…」
「みんなー!早く来てくださいよぉ!」

さらに続く里沙の小言は小春の呼びかけにかき消され、
愛は小言を最後まで聞く事なく走り出した

「おぉ!さっき見た写真より立派やよ!」
「もぅ…リーダーまでこれなんだから…」

里沙はため息をつきながら脱衣場を後にした


「コレぐらい広イと泳ゲますダ!」
「リンリン!アッチマデ競争スル!」
「小春も!小春負けないもんね!」
「あぁ~もう…めっちゃ水しぶき上がってますやん…」

湯船で泳ぎ出した3人のバタ足のせいで頭からお湯をかぶった愛佳は
ぷっかりと浮かんだまま遠ざかる3人のおケツを呆れ顔で、でも少し笑いながら見つめた
湯船の隅っこの方ではれいなと絵里が並んでまったりしていた

「はぁ~…良いお湯~…」
「絵里、おばさん臭いっちゃね」
「そう言うれーなは子供っぽいよぅ」
「どこが?胸とか腰のくびれの事とか言っとるんやったら、れな怒るっちゃよ?」
「違うよぉ…ウヘ」

絵里は脱衣場でのれいなの姿を思い返した
小学校の時とか必ずクラスに一人はいたよなぁ…ああやって着替える子…ウヘ

「なん?一人で笑っとーし…キモ…」
「キモとか言わないでよぉ!あ!さゆが来たよ!」

入口でバスタオルを体にまいたまま立ちつくすさゆみ


「さゆー!一発芸!」
「一発芸!」

れいなと絵里が囃したてる声に浴槽で競泳していた3人も動きを止める

「イヨイヨ道重サンの一発芸デスカ!」
「楽しみっす!」
「ミチシゲの一発芸はオモシロイのカ?」
「みんな…そんなにハードルを上げるような発言は…酷やと思いますけど…」

一応フォローする愛佳だったがその顔は笑いを堪えきれず頬はゆるんでいた
皆の注目が集まる中、さゆみは意を決して側に転がっていた風呂桶を二つ拾い上げた

ゴクリ…

誰かの息を飲む音が静かな浴場に響く
さゆみは一旦体を反転させて背を向けた
そしてゆっくり深呼吸

   さゆみはデキる子…さゆみはやればデキる子…

自分に言い聞かせる様に口の中で自己暗示の言葉を繰り返す

「さゆみ、行きます!」

そう叫んださゆみは両手に持った風呂桶を自分の両胸に当てがい、勢いよく振り返った

「巨乳!!!」

   ………。



「久住。露天風呂ニ行ってミタイ」
「うん!行こ行こ!」
「ワ…ワタシも行くダ!」
「愛佳も行きます~」
「絵里ちゃんも行きますよ」
「れなも!れなも行くったい!」
「…ミンナ…ヒドイノ…。」
「さゆみん…頑張ったよ…うん、頑張った…」

里沙はそっとさゆみの肩に手を置いた

「アヒャヒャヒャ!巨乳やて!」
「ほら…愛ちゃんにはバカウケだしさ…」
「愛ちゃんにウケてもあんまり嬉しくないんですけど…」
「アヒャヒャ!その巨乳、硬そうやな!」
「…確かに…愛ちゃんの笑いのツボは浅いもんね…」
「あーオモロかったぁ~。ほれ!笑った後は露天風呂で汗を流すやよ!」

ひとしきり笑いきった愛はスタスタと露天風呂に向かって歩いて行った

「愛ちゃん…だから、前…」
「リーダーって…豪快ですね…
 さゆみ、ギャグがウケなかった事で落ち込んでるのが小さく思えてきました…」
「そう!そんな事気にする必要ないって!」
「ですよねっ」

思いがけず立ち直ったさゆみの手を取って、里沙は愛の後を追った



「うぉっ!」
「どーしたのよ?」

露天風呂へ続く扉を開けた愛がちょっとマヌケな驚きの声を上げる
その愛の肩越しに里沙が外の様子を伺う

そこには風情たっぷりの露天風呂にはまったく似つかわしくない猛獣・パンダの姿

「ちょぉーっと!ジュンジュン!なにしてんのよ!」「バウッ」
「バウッ、じゃないわよ!こんな所で獣化しなーい!」

怒りに任せて腕を振り上げた拍子に、里沙は体を隠していたタオルをハラリと落とす

「アッヒャー!里沙ちゃんダイタンやのぉ~」
「新垣さん!前!前!」

愛のスケベな視線もさゆみの慌てた指摘も耳に入らない里沙はさらに怒りを沸騰させる

「なんで獣化してんのよっ!?」




「バウッ!」

「だからってこんな事して良いワケないでしょーーーっ!!!」

こうして楽しいバスタイムは和やかに過ぎて行った…




「里沙ちゃん…さっき脱衣場の外に卓球台があったがし…」
「しないよ!絶対しないからね!」

「リゾナンターのマジ卓球…ちょっと見てみたい気もするんやけど…」

と呟いた後、収拾がつかなくなるであろう死闘が頭をよぎり
大きく頭を振ってその考えを打ち消した愛佳であった…





















最終更新:2012年11月25日 20:05