(06)398 『青い夜』



たまに愛ちゃんは裸で寝る。
寝室でパジャマの上下を脱ぎ下着を脱ぐ姿が月明かりに照らされる。
こんな綺麗な小さな背中で愛ちゃんはたくさんのものを抱えとぅ。

裸で寝る日、愛ちゃんはいつもれいなを呼ぶ。
消え入りそうな声で
「一緒に寝ん?」と問いかける。

れいなは裸にはならんっちゃけど愛ちゃんのすぐ隣で愛ちゃんと向かい合って寝る。

最初は恥ずかしかったけど、わかったから。

愛ちゃんは寂しかったり、辛いときにれいなを呼ぶ。
たとえばメンバーの誰かが大怪我したり、たとえばどっかの国で戦争がおこって犠牲者が出たり。

今日は中国での様子を見たからやね。
お店の中で、お客さんも一人おったっちゃけど愛ちゃん、泣いとった。

どんだけ涙があるんだって思うくらい次々と溢れ出ていた。



愛ちゃんは前に言っとった。


「ダークネスのせいじゃなくっても人はお互い争ったり、自然の脅威にさらされることがある。やから、あーしらはせめて止められる殺戮を止めなあかん。大切な命を守らなあかん。だってみんな平等に一生懸命生きてる」
内戦のテレビを見てた時に言ってたと思う。
やっぱり愛ちゃんはその日もれいなと一緒に寝た。



愛ちゃん、愛ちゃんは一人じゃなかとよ?
れいながおる。絵里もさゆも、ガキさんも、小春も愛佳もジュンジュンもリンリンもみんなおる。

やから、いつでも甘えてきてよかよ?

そんなちっちゃい背中で無理せんといてね。




















最終更新:2012年11月24日 08:56