(05)890 『小さな大冒険』



(やろ?)
(うん、いいねぇ)
(賛成なの)
額を突き合わせて『リゾナント』奥のテーブルで何事かを相談しているのは、かめ、さゆみん、田中っちの三人。
かつて問題児と呼ばれた彼女らも、最近はすっかりお姉さんになったもんだ。

「あら、そんなとこで何しとん?いっつも三人仲ええねえ」
愛ちゃんはいつもの通り、何も気づいていないようだ。
「な、なんでもないっちゃ、ガキさん」
「そうそう、なんでもないですよ?」
「ここで秘密会議してるとか、口が裂けても言えないの」
「さゆ!しゃべったらいかんってさっき言うたばっかりやろ!」
「三人目はボケるのがお約束なの」

 ・・・いや、これは何か企む表情だ。別れの気配はないが間違いない。
「ちょっと!コソコソ話してないで、私や愛ちゃんにも説明してくれない?」
私がそう言うと顔を見合わせる三人。
なになになに、そんなにヤバい相談してたの!?

「えーと、ですねぇ。この計画はですねぇ、早い話がぁ、メンバー相互の信頼関係を・・・」
「かめ、話が長くなりそうだから、悪いけど誰か他の人に代わってくれる?」
そう言うと、かめはシュンとしてしまった。ちょっと気の毒だが仕方ない。
「れいなが説明するけん。れいな達がリゾナントのメンバーになってから大分経つっちゃけど、
三人だけで何ができるか、試してみたくなったと」
「何か具体的なアイデアがあるん?」愛ちゃんも興味深そうに質問する。
「まだ目的地は決めてないの。ただ、普段行かない場所へ行ってみようって」

「田中、台湾連れテケ」
「ワタシ富士山登ってみたいデス、田中」いつのまにかジュンジュンとリンリンも話を聞いていたようだ。
「こら!また敬語間違えとるし!”田中さん”やって何回も言うとるやろ!」
おっ、田中っちが早速教育モード。
でも、こういう場では融通を利かせるべきなんじゃないかとも思う・・・私が言うのもなんだけどさ。

「旅行なら、別に隠さなくてもいいじゃん」おっ、愛ちゃん、いいこと言うねぇ。
「うーん、旅行やなくて、修行って言うか、そんな感じやし。能力も使うし」
田中っちにしては奥歯にものが挟まったような言い方で、さっぱり要領を得ない。
「飛びます、飛びます。れーなとさゆ、絵里の三人だけで」
両手をばたばたさせて見せるかめ。その場の空気が一変する。
以前、場の空気を一瞬で変える力があると評された人を目の当たりにしたことは
あったが、それと同等、いやそれ以上だ。・・・寒い。

三人の話を聞く限り、一言でいうなら”冒険したい”ということらしい。
なぜわざわざ、危険を冒してまでそんなことをするのか、私にはさっぱり理解できない。
なので思わず、頭ごなしに否定してしまう。
「ダメ!むやみに能力使っちゃダメ!」
「だけん、人が見とらんところを通る予定やし・・・」
「絵里のウィンドーはオールマイティ、万能ですよ?」
「さゆみの能力でみんなを見えないようにカバーするの」

「ええと思うよ。若いうちにいろいろ経験するんは悪いことやないがし」
「ちょっと愛ちゃん!ちゃんと考えてる?この三人だけで冒険旅行なんて、無理に決まってるじゃない」
「ガキさん、そうでもないと思うんよ。三人の成長見てきたやろ、ガキさんも。
それとも、拒む理由でもあったりするん?」
ううむ。そうまで言われては無理に否定できない。

「小春もー!小春も行きたい!」
「田中さんが行きはるんやったら、愛佳も行ってみたいですぅ。あ、亀井さん、ウィンドーは窓ですよ」
言わんこっちゃない。またうるさい二人がかぎつけてきた。
「コラー!全員で出かけてどうすんのよー。今は田中っちたち三人の話してるんだから、
話をややっこしくしないで。あんたたちは向こう行ってなさい」
怒ると気分よくないんだけどね、これもサブリーダーである私の役目、仕方ない。

今回のことは・・・組織には秘密にしておこう。
私の知らないところで三人が遊びに行った、それでいいよね。
なんか私、ここ最近よく見逃してるような気もするけど。


愛ちゃんとガキさんも説得できたし、れいな達の勝利ったい。
でもガキさん、何で怒っとったんかいな。
小春や愛佳も連れて行ってやりたいとこやけど、三人だけって決めとるしね。
「決行も決まったし、今からカラオケ行ってパーッと騒ごうよ、さゆ」
「まだ気を抜くのは早いの。これから行き先を決めないといけないの」
さゆの言うとおりやね。単に作者が決めとらんだけかも知れんけど。

詳細を決めるために、れいな城こと、れいなの部屋で作戦会議。
『関係者以外立ち入り禁止』のプレートを貼って、気合入れてみると。
「さゆみは山口がいいの。久々にふぐと車えびが食べたいの」
「絵里は特にないんだけど、浅草寺か、富士山の近くの遊園地かなぁ。またゴーカート乗りたくなった」
「れいなは福岡がいいとよ。本場の博多ラーメンと鉄板焼き食べたら、二人とも驚くっちゃよ」
いかん。このパターンだとまたいつものようにグダグダになってしまうとこやった。気をつけんとね。

「・・・まとめると、第一目標、博多。第二目標、山口。第三目標、前に行った遊園地でいいと?」
こういうとき地理がわかっとらんと揉める原因になるけん、地図を指しながら説明すると。
「絵里の遊園地はなんで三番目なのー」
「さゆみの山口も二番目なのは納得いかないの」
「だけん、まだれいな達の力がどれだけのもんかわからんけん、できるだけ遠くへ飛ぶことを目指して行きたいやろ?
それで、もし途中で無理そうやったら、第二、第三目標に変更すればいいと思うとよ」
本当は逆なんやろけど、先に言ったもん勝ちやし。
さゆと絵里から同意の声が出たのを確認して、うなずく。

「そしたら、目的地は、福岡県博多市。途中、一般人の目に触れないように能力を使うこと、以上」
「補足するの。移動に必要なパワーは、絵里が担当。絵里のパワー補助は、れーなが担当。
さゆみは、全員を覆う光学風迷彩の発生を担当するの」
「絵里、途中で疲れちゃうかもしれないけど・・・さゆも、れーなも、よろしくね。エヘヘヘ」
「一本締め、するっちゃ。お手を拝借!」
パン!
景気のいい音が響いた。ばあちゃん、明日はホームランったい。


出発の朝。みんな朝弱いはずなんやけど、誰も寝坊せんで集合できたのは奇跡っちゃね。
「元気で行ってきいや」愛ちゃんは火打石をチョンチョンと切ると、シンプルな言葉をくれた。
「あんたたち、ホントに大丈夫?かめ、ちゃんとハンカチとティッシュ持ったの、あとそれから・・・」
ガキさんがすっかりお母さんになっとると。あちゃー、もしかして泣いとる?
「久住さんは寝坊しはって、見送り間に合わへんけど、よろしくって。気をつけて行ってきてください」
愛佳から差し入れのお弁当をもらった。みんなにもお土産買って来んといかんね。
ジュンジュンとリンリンは、早朝から卸市場のバイトがあるとかで、来られんかったらしいっちゃけど。
愛ちゃんから預かった袋を開けてみる。なにやらずっしりと重い。
『田中 オヤツは300円マデ ジュンジュン』
『田中 血糖値のコントロールは大事デス リンリン』
何やこれ・・・バナナと飴ちゃん?だいたい、バナナってひと房もいらんやろ。
苦笑いしつつ、『リゾナント』を後にする。ここからは、三人だけの戦いやけんね。
「よーし!気をつけて、行くっちゃ!」・・・あれ、さゆがおらんし。

「れーな、そこでさゆが転んでるよ~」
段差どころか、石につまづいたわけでもないのに、さゆはよく転びよる。
「さゆみ、つまづいちゃった。テヘ」いや、そんな可愛さいらんから。

人気のない土手まで移動して、発進スタンバイ。
さゆが両手を頭に置いて、意識を集中すると、れいな達の周囲にピンク色の障壁が生まれる。
「うさちゃんバリア!」
雲を操る能力のおかげで、ほかの人からは見えんはず。
ピンクのうさぎさんが高速回転して、バリアを貼るんやね。
やけん、この光学風迷彩、ゆうんやろか・・・?ピンク色って目立たんかなぁ。どうにかならんかいな。
続いて、絵里も印を結ぶと、手足に意識を集中させる。薄オレンジ色のつむじ風が軽く体を撫ぜる。
「ウィンドー!」
かまいたちの能力で、れいな達の体が浮かび上がる。
最近、一人で特訓しとったんやな。さっき愛佳に間違い突っ込まれとったけど。
こんなこと言っとらんと、れいなもがんばらんとね。
「エンフォース!」
れいなも意識を集中して、絵里のかまいたちにパワーを注ぐ。
午前4時、れいな達を包む直径約2mのうすピンクの球体は、ふわふわと『リゾナント』近くの土手を飛び立った。



キュルキュル。周囲から聞こえるのは、風の音だけ。
あぁ、さゆみ、ついに風の妖精さんになったの。ホントは海の妖精でもあるんだけどね。
ん?なんか、さっきからお腹がグーグー言ってるんだけど・・・。こんなときは。
「れーな、何か食べ物持ってない?」
「バナナと、飴ちゃんと、あとお弁当があるっちゃけど」
「飴ちゃんでいいから、さゆみの口に入れて欲しいの」
「さゆが自分で取ればいいやろ」
「だって、さゆみも絵里も能力使うときは両手ふさがっちゃうんだもん。
手が空いてるの、れーなしかいないじゃん」
「ほら、バナナ剥いたけん、これ食べて」
れーなったら、さゆみの小さな口にバナナを一本、押し込んできた。
エロ禁止って言われてるのに、これじゃ小さなお友達が引いちゃうじゃない。
神様、ごめんなさい。さゆみはいけない子になりそうです。ちょっと絵里、笑いすぎ。

でもよく考えたら、さゆみがうさちゃんバリアで包んでる限り、誰にも見えないんだった。
よしよし。
心置きなくバナナ、食べちゃうぞ。

(せせらぎのイメージ映像)

ごっつあんです。さゆみはパワーアップしたんだけど、絵里の様子がおかしい。
「どうしたの、絵里、ちょっと休む?」
「だ、大丈夫。もう少し飛べるから・・・」
声が弱々しい。バイタルが低下しているのだと思う。れーなとアイコンタクトする。
「ここで降りるよ、絵里」複数能力は同時使用できないから、今ヒーリングは使えない。
「でも・・・」
「リーダー命令やけん、降下!」
ゆっくりと降りる。ここはどこかの山の中らしい。
「ちょっとれーな、リーダーってどういうことなの」
「それより、絵里が辛そうやし、何か飲ませたほうがよさそうやけん、自販機探してきてくれると?」
しょうがない、絵里のためなら。
リーダーの件はひとまず置いておくとして、今はれーなの指示に従おう。


「うーん・・・」
とにかく絵里の顔色が悪いっちゃね。休ませてあげんと。
さゆにヒーリングさせたらよかった、と思ったけど後の祭り。
膝まくらして、頭を少し高くしてあげる。
「あ・・・れーな」
「絵里、気づいたと?無理したらいかん言うたやろ」
「二人に迷惑かけたくなかったから・・・もう大丈夫」
「起きられると?」
手を貸して、絵里の体をれいなにもたれかけさせたまま、地面に座らせる。
「ありがと。れーな、リーダーっぽいよね」
「そうでもなかよ」

そうこうして何分か経ったろうか。
「さゆ、遅いね」
「そうっちゃね。どこまで買いにいったんやろ。れいなも探しに・・・」
絵里の手が、れいなの手をギュッと握り締めてくる。
「嫌。行かないで。絵里を置いてかないで」
「どこにも行かんとよ。わかったけん、落ち着き」

「ねー、れーな、キス、したことある?」絵里の顔がさっきより近くに寄っとるようなのは、気のせいやろか。
「キスって・・・!?あの、口と口でする奴?」
知らんうちに顔が真っ赤になるのを感じる、でも、止められん。
「したこと、ないの?」
「あ、あるに決まっとうやろ、キスくらい」
「じゃあ、絵里としてみる?」
なんでそこで、”じゃあ”ってつながると?
「やけど・・・」
「もしかして、怖いんだ?」絵里の目がなんか怖い。
「こ、怖くなんか、ないっちゃ」
「それなら、できるよね」
「う、うん」
何やろ、この違和感。いつもの絵里とは微妙に違うんやけど・・・。そう思いつつ、抵抗できずに唇を重ねる。


「そこまで!」
不意に静寂を破る声。どこかで聞き覚えがある声やね、と、ぼうっとしたまま声のしたほうを眺める。
いつのまにかさゆが、絵里の手を取って・・・それ以上曲げたら折れてしまうと!
「正体を現しなさい!」
グギャアアア!悲鳴を上げた絵里、いや絵里の姿を真似た敵が、正体を現す。
「うさちゃんホールド!」
雲を凝結させて密度を高めた、たくさんのピンクのうさぎが、敵の動きを封じる。さゆの新開発の技やね。
「れーな、今なの。攻撃して!」
異形の敵は、こちらを睨みつけて威嚇しとる。でも、そんなもの。
「ハァッ!」
体術による攻撃なら、れいなの十八番やけんね。ありったけの打撃を叩き込む。
「なにィ!、全然効いとらん・・・!?」
さゆのうさちゃんホールドを破った敵がゆっくりと近づいて来る。
有効打もほとんど入っとらん状態やし、困ったと。弱点は・・・どこやろ。

さゆからリゾナントパワーで暗号通信が入る。
『さゆみに1分だけ時間をくださいなの』
『1分は長すぎやろ』
『じゃあ、5秒でいいの』
『5秒・・・なんとかしてみるとよ』

「やーい腰抜けめ!お尻ペンペンったい!」挑発して敵の気を引き、さゆが精神集中する時間を稼ぐ。さゆ、頼むっちゃ・・・
まんまと挑発に乗った敵が近づいて来よる。
こいつはまともにぶつかってもパワーで敵わんやろうから、スピードでかく乱するしかなさそうやね。
「オーバーヒール!」
れいなが敵の注意を引きつけとる間に接近しとったさゆが、敵の背後からヒーリングのパワーを注ぎ込む。
ヒーリング言うても、過ぎたルは及ばざるが如し。生半可なパワーやないけんね。
見る間に敵が弱って行くのがわかる。

「れーな、今!」
「必殺!トリプル・アタック!」とっさに閃いた技のイメージを試してみる。
れいなのスピードと、さゆの特殊効果、そして絵里のパワーの、三位一体技。


塵も残さずに、敵は崩れ去った。
「勝った・・・」力を消耗して、膝を折るさゆ。そしてれいなも、もう立っとられん。
「れーな、さゆ、だいじょうぶ?」能天気な絵里の声が近くで聞こえよる。
「絵里!どこ行っとったと?」
「さゆみ、すっごく心配したんだからね!」さゆは半泣き状態。
「エヘヘヘ。なんかぁ、さっきの敵の作った空間に閉じ込められてたんだよ。サポートできなくてごめんね」
絵里がギュッとしてくれる。
ん・・・痛い痛い痛い。ちょっと力強すぎるけん、もう少し優しく・・・

「れーな、さっきのリーダーの件なんだけど・・・」さゆが近づいてくる。

(ねー、れーな、キス、したこと、ある?)顔を寄せた絵里がささやく。
(ばっ!なんでそれを!)
(絵里にはぜーんぶお見通しですよ?ってか、全部聞こえてたんだよねー。何故か)
(さ、さゆには内緒やけんね)
(あれはれーなの内面の願望を反映する敵だったんだよ、きっと。ということは、れーなは、絵里のことを・・・)
(ち、違うし!確かに一番可愛いけん、れいなが男やったら彼女にしたいって言いよったかもしれんけど・・・あっ)
あわてて口を押さえても、絵里には聞こえてしまったみたいや。下手こいてしもうた~。
(エヘヘヘ。そーなんだぁ。絵里ちゃんモテるなぁ。ねーねー、れーなは絵里のどこが好きなの?
ちなみに絵里はれーなのプリケツだけが目当てだよ)
(れ、れいなはそんな嫌らしい目で絵里を見たりせんとよ!)

「れーなったら、聞いてるの?」れいなの肩に手をおいたさゆったら、急に大声を出しよるけん、驚いて飛び上がる。
「な、なん?」声が裏返る。
「リーダー、持ち回りでいいよね?」さゆ、目が笑ってないから。
「あ、あぁ、別に構わんとよ」もう、何が何かわからんちゃけど、リーダーにこだわっても仕方ないけんね。
「じゃあ、今度は絵里がリーダーですよ?」
「あー!ずるーい!さゆみが先なのに」
「もう誰でもいいけん、お昼にするったい」
「さんせーい」
「はい。リーダー命令。今からお弁当休憩にします」
「それ、れいながさっき言うたやろ」


「このおべんと、おいしいよねー」
「愛佳、毎朝作っとったらしいけん。でも、煮物が多いかもしれんね」
「茶色が多いのは残念だけど、デザートのうさぎさんで許してあげるの」
めでたくリーダー交代。絵里たちは、光井ちゃんのおいしいお弁当でパワー回復したよ。

おっと、出発前に状況を確認しないとね。リーダーたるものの心得、その一。
まずは現在地現在地っ、と。携帯のナビをポチッとな。
「はぁ!?なにこれ?」
ついつい大声を上げてしまう。さゆとれーなが寄ってくる。
「これ、裏山やん!」
「さゆ、てっきり南西方面に飛んできたと思ってたの」
ナビ画面に表示されているのは、『リゾナント』から歩いて10分くらいの、
大きな公園に隣接した山。

「え、絵里は悪くない・・・よ。たぶん」
二人して、何よ何なのよ。絵里だって一生懸命飛んでたの、知ってるじゃん。
だいいち、さゆもれーなも、どっちが福岡か、教えてくれないし。
まぁ、絵里も聞かなかったんだけどさ。

「どうする?今から第三目標の遊園地、行く?」
「賛成。ゴーカート乗りたいの」
「そんなかっこ悪いこと、いかんやろ。愛ちゃんもガキさんも、ほかのみんなも送り出してくれよったのに」
確かにれーなの言い分は正しい。れーなのくせに生意気だけど。

「さゆみとしては、東京駅の売店で博多のおみやげを買って行くのがいいと思うの」
それって、出張詐欺?大体、テキトーに買ったお土産って、あんまりおいしくないんだよね。
「絵里はどうしたいと?体力はまだいけると思うとると?」
さっきも途中で疲れちゃったし、あんま自信ないかも。
真剣に聞いてくれるれーなには嘘はつけないや。


「よし決めた!お土産だけ買って帰ろうよ。んで、嘘つかずにちゃんと謝ろう。
また次の機会に飛べばいいし」
「リーダーがそう言うなら、いいっちゃけど」
「さゆみもそれでいいの」
やっぱり絵里ってリーダー向いてるよね。うん。人望があるっていいなぁ。

(ところでれーな、れーなも絵里のこと狙ってるって、風の噂で聞いたんだけど)
(うっ・・・き、気のせいや、きっと)
(さゆみに嘘をつかないほうがいいの。隠したりすると、うさちゃんホールドで固めてこしょこしょされることになるの)

れーなとさゆ、なんか最近仲いいよね。今も内緒話してるし。
絵里ちゃんも俄然、気分いいぞ。


つづけ


























最終更新:2012年11月24日 08:36
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