(05)491 『夕暮れ作戦会議~DEATH DIVA集合』



5月某日 都内某所地下

「ご参集頂き、有難うございます」
薄暗い『作戦会議室』のモニターの前で白衣の女がうやうやしく挨拶する
会議室には他に四人、女が座っている
「わざわざ私達を集めるなんて、かなりの大事ね」
四人の内の一人、浅黒い肌の女が口を開く
「まずはこの映像をご覧下さい」
モニターには氷の魔女『ヘケート』が手足を奪われ、敗北する様
そして次の戦いで赤い稲妻に貫かれ敗北する様が映し出されている

「へぇ、ミキちゃんやられちゃったんだぁ」
また浅黒い肌の女が口を開く
「何とかナノマシン再生を試みていますが適合するかどうか・・・」
「せいぜいメカミキちゃん誕生を祈りましょうか、プププ」
浅黒い肌の女はヘケートの敗北をむしろ喜ばしく思ってさえいるように見える。
(まぁ仲悪かったですもんね、お二人。それにしても・・・)


「あの・・・寝ないで頂けますか?」
「んぁ?」
思いっ切り寝ていた茶髪の派手な女を白衣の女が揺り起こす
「データ照合、『リゾナンダー』の治癒能力者および念写能力者、予知能力者。警戒レベルD」
もう一人、全身を黒い革スーツで包んだ胸の大きい女が表情一つ変えず抑揚のない声で言う
「そのデータは過去のものと考えたほうがいいです。データベース更新の必要がありますね」
「確かに。でもせいぜい警戒レベルBってところでしょ。私達が集まるほどじゃ・・・」
「総帥から特命が出ています」
浅黒い肌の女の口を遮るように、白衣の女が言う

「で、ウチらはどうすればいいべか?」
ずっと黙っていた四人の内の一人、小太りの女が口を開く

「皆さん4人の総力を結集してリゾナンダーを殲滅、もしくは捕獲して下さい」


「総力?フフフフフ・・・アッハッハッハッハッ!!!」
浅黒い肌の女が突如バカ笑いする
「あんな程度の奴らに私達『DD』の総力を出せと?」
「ヘケートが倒された以上、彼女達は十分な脅威です」
今度は白衣の科学者の言葉を遮るように浅黒い肌の女が続ける
「まぁいいわ、裏切り者のおバカちゃんの始末のついでに私が一人でやってきてあげる」
浅黒い肌の女がスッ、と立ち上がる
「待って下さい!作戦が!」
「ごちゃごちゃうるさい!」
ふわっ、と白衣の女の身体が浮き上がり、猛烈な勢いでモニターに叩きつけられる
「ひゅ~、怖い怖い。リカちゃんは怒らせないほうがいいべさ」
作戦会議室を足早に出て行く浅黒い肌の女を見ながら小太りの女が肩をすくめる

「それにねぇこんこん、ウチらの総力って言うけどさ・・・」
小太りの女がうとうとしている派手な女と表情一つ変えず固まっている胸の大きい女を交互に見る

「ウチらに連携とか無理だべさ」
小太りの女はほんの少しだけ、寂しそうに笑った




















最終更新:2012年11月24日 08:12