あの日世界に絶望した瞬間から
闇はもう私の一部と化しいつしか私自身となった
思えば闇はいつでも私のすぐ傍にあり
星のような小さな光を掲げていた私をいつも包み込もうとしていた
闇と化した私にはどんな言葉も届かない
そこにあったはずの光はもう潰えて
闇は光と対立する概念ではなく
光の存在の前提としてそこにあるのが闇なのだと
闇自身になった今そう想う
闇は恐ろしいものだと光を掲げていた頃は思っていた
だがそれは間違いだった
強い絶対的な力を持ちながら人を包み込む優しさを持つ
闇は原初
すなわち、全てを包み込む母なる存在
―――全ての者に告ぐ、闇に還りなさい。
最終更新:2012年12月02日 11:18