(04)896 『制服協議会―しろくろ―』

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   【第一回輝け!制服協義会】


新垣さんプロデュースのデコデコした看板がリゾナントの壁にかけられた。その高さはきっちり。

みな、手にフィリップを持ちながらにたついとる。
今日はリゾナンターの新しい制服を決める協議会の日。
あ、ガキさん字間違えとーよ。

「では、始めましゅ、す。」
議長である愛ちゃんのたどたどしい司会によって、それぞれのプレゼンが始まった。

最近の戦闘の激化によって、ずっと着てきた銀色の制服がボロボロになってきた。
リンリンには特殊な糸を作る力があるらしくて、
彼女が補修してくれたら大抵直りよったけど、もう生地自体が限界らしい。
「ワタシがイチから作ればもっと強くなりマス」
とのリンリンの提言で、制服を新調する運びとなった。
実はケチな愛ちゃんが渋りよったけど、みんなの安全のためにって泣く泣く資金を出した。




小春、愛佳、ガキさんの番が終わって、今は絵里がプレゼン中。

「これは~亀の甲羅を~みんなで背負って~」
ほらここにおやつとか、武器とか入るの~
絵里のアイデアは、その作画センスはもとより、プランそのものも破壊的。

「うええええ!そーれはないからカメ~」
そしてその絵里のプレゼンが始まった途端、
水を得た魚のようにつっこみ始めたガキさんのプランもなかなかのものやったと思うと…
なんやのあれ、どこのアイドル?
白いセーターと赤いチェックのスカートって…ガキさんの趣味丸出しやん…

ジュンジュンはワタシだけ恥ずかしくないように全裸、なんて斬新過ぎる意見を提出。

さゆのデザインも、どことなくさゆの陰を感じて同意しかねる…

ツッコミで回すのも疲れたところで、いよいよれなの番…
あんたたち…まったく仕方ないっちゃね…れなのを発表するっちゃ!



「うぉ~!!」

れなは絵には自信がある。ほらほら、審査員の愛リンの二人も身を乗り出しとう。
動きやすさとかっこよさを重視した2タイプのデザイン。
色塗りは間に合わんやったけど…。
男タイプと女タイプに分けてみた。
肩が大きく開いとうのは、うん、れなの趣味。
ホントはもっとゴテゴテしたほうが好きっちゃけど、自分の趣味だけ押し付けたら、団体行動はできんとよ
みなの賞賛の声に自然と口角がうえうえしてしまうと。

「田中さんのすーごーいー!!」「小春、男バージョン着たい!!」
「絵里のやつの方が良くないですか~?」「うん、断然、田中っちのだねっ」
満場一致でれなのデザインが採用された。
誰がどちらを使うかは、愛ちゃんに一任されてこの場はお開きとなった。



*  *  *


「じゃあ、リンリン、これでよろしくね」
営業時間も終わって、れなの城でごろごろしていたある日、
ワッカリマシターというリンリンの大きな声が魅惑の水さんルーム(休憩室)から聞こえてきた。
おそらく、デザインを渡しているのだろう。れなは誰よりも早く、それを見たくなった。
愛ちゃんが出てきたのを見計らって、入っていく。

「リンリ~ン、れなにも見してくれん?」
リンリンはニコニコしながられなにデザインを渡してくれた。ちょろいとよ。

愛ちゃんの絵は、普段の可愛い絵やなくて、事務的なデッサンで9人が描かれていた。
黒を基調にした、2パターン。
リンリンから始まって、ジュンジュン、愛佳、小春、れな、さゆ、絵里、ガキさん、そして愛ちゃんと1枚の長い紙に書いてある。
かなり、細やかな指示が書き込まれてる。右足の素材を柔らかく、とか。この子のこの部分は厚めに、とか。
戦闘中もみんなに気を配って、動きのクセを見抜いてる愛ちゃんやからこそできうる指示。
ジュンジュンの素材は特別に伸びるものになってる。
お金出すのいやって言っといて、こんなクオリティ高いもの作ろうなんて愛ちゃんらしいと。
なんて思いながら読み進めていたのに、最後のところで目が止まった。
…それは、愛ちゃん自身のページ。




「なん、これ…」
愛ちゃんの服だけ、ブラウスが、白い。

愛ちゃんは、目立ちたがりじゃない。負けず嫌いではあるけど。
そんな愛ちゃんが一人だけこんな色にするのはおかしい。考えられること、それは、一つ。

自分が、攻撃を、受ける。そういう、意思。
いつも、そう。愛ちゃんはみんなみんなが大切。自分を大切にしてない。
わざと目立つ攻撃とかして、自分が犠牲になって、みんなを守ろうとする。
どれだけみんなが愛ちゃんに救われてるか、わかってない。

なんか、気付いたら、視界がぼやけてた。
リンリンがわけがわからずおろおろしとう。ごめん。
「ティッシュ、取ってきマス!」
そう言って外に出かけた彼女の手を取って、あるものを借りた。
れなはばれんように素早くあることをした。

このこと、他言せんで、そう泣きながら言うと、
「極秘任務ですネ~」
と返ってきた。ちょっと寒さを感じたけど、リンリンの優しさにまた、涙が出たと。

愛ちゃんのパートナーになれるなんて思ってない。けど…れなは…




「わーい!新しい!」
二週間後、出来上がったコスチュームに身を包むメンバー。
みんな笑顔やのに、愛ちゃんだけが、びっくりした顔しとう。
理由は一つ。れなも愛ちゃんと同じ、白いブラウスを身に纏っていたから。

「リンリン、なんで…」
いいかけた愛ちゃんにしーってした。
れなはれなの心臓の辺りをとんとんして、愛ちゃんに心を読んでもらった。

―れなが、やったと。最初は、愛ちゃんの服を黒くしようかと思ってた―
愛ちゃんは自分から発信する方法がないから、複雑な顔をしている。
れなは構わず想い続けた。
―でも、みんなを守りたいって、愛ちゃんの覚悟が、この白さやって思ったら、黒くはできんかったと―

愛ちゃんの背中が普段、誰に傾いてるか、預けられているか、なんてわかってる。
入り込めない絆が、深くあるって知ってる。
その絆がれなは好き。でも、こと戦闘に関しては、愛ちゃんの横は、れなの場所。
れなは誰よりも多く、愛ちゃんと前線に踊り出てきた。パワーとテクニックの愛ちゃんと、スピードと直感のれな。
れなには特別な力はないけど、この拳で、みんなを守ることを愛ちゃんに教わった。
あの時、己の場所を求めて、人を傷つけ、攻撃するだけだった拳が、大切なものを守る拳に変わった。

―愛ちゃんがみんなを守るなら、愛ちゃんの背中はれなに預けて?―




「なんで、田中さんと高橋さんのは白いんですか?」
そう問われて、わたわたする愛ちゃん。
「目立つからだよ。
 誰よりも早く、現場に向かった二人を目印にして、私たちがすぐ戦闘の体制に入れるようにね」
そうフォローを入れてくれたのは、他でもない、ガキさんやったと。

れなは目で感謝の意を示すと、
「それにこのデザイン、れなのやし!れな目立つの大好きやけん、嬉しいとー」
と、おどけておいた。

愛ちゃんは、まだ複雑そうな顔をしとったけど、一つため息をついて、れなの肩に手を回した。

「じゃ、これからもよろしくね。相棒」


そう、愛ちゃんに言われてなんだかくすぐったかった。
そして、同じだけ、心が温かくなって嬉しくなった。





ノリo´ゥ`リ<小春のも、小春のここも白いー!!



Σ从´ ヮ`)oO(消しゴムが滑って、隣の小春のも消してしまってたと!?)