歴史
建国
22世紀初頭に建国される。
西暦2110年、北欧極地宇宙機構が建設中の
セナーセー小惑星基地で発生した事故を、奇跡そのものといえる不屈の精神で乗り越えた遠征隊隊長
サー・ジョージ・クリステンセン大主教によって独立が宣言された。
以後同基地が
ノイジーラント大主教国となる。建国時の国民は大主教と妻
アイリーン・サティヤナンの二名。
西暦2130年ころから二人の子供たちが他の基地の隊員たちとの間に子供をもうけていく。またこの過程で奨励された同性婚に賛成する人々が同国に流入し続け、こうして徐々に国民が増えていった。
隆盛
衰退
24世紀に入ると徐々にかつての勢力を失っていく。
西暦2334年に
海賊戦争が終結し非合法な敵国がほぼ存在しなくなったことにより、それまで
ノイジーラントが担ってきた太陽系の安全保障役が不要とる。
これ以降は小規模な国防契約にとどまる。
加えて、徐々に勢力を伸ばしてきた
ロイズが24世紀後半からは太陽系全域の実質上の覇者となり、
ノイジーラントが武力で覇を示す舞台がなくなってしまう。
ノイジーラント自身も自前の艦隊を
ロイズ傘下の
MHD社からリースするようになる。このためこれ以降、
ノイジーラントは
MHDと宙戦を行えなくなる。
再興
24世紀から再興の道が模索されはじめる。
武威を示す時代の終わりを早くから予見した
アダムス・アウレーリアによって、24世紀初頭、新たな発露として恒星間探索の道が提示される。
これはアウレーリア家の運動として続いていき、26世紀初頭に
オラニエ・アウレーリアによって実現を果たす。
地理
小惑星
セナーセーは二つの小惑星をワイヤで接続し共通重心をお互いに回転させている双公転体である。
小惑星1つの大きさは直径3キロメートル、高さは500メートル程の扁平な形であり、この上に各種建造物が建築されておりさらに小惑星内部も拡張されている。
小惑星間の距離は20キロメートルほど。イメージとしては向き合って回るデコレーションケーキといわれる。
どちらの小惑星上にも都市があり合わせて
セナーセー市と呼ぶが、明示的に識別する場合はそれぞれ
[[セナーセー北市]]、
[[セナーセー南市]]と呼び分ける。
南北両市があるとはいえ1公転体に1都市しか存在しないため、小惑星名と都市名は同義で使われることが多い。
例)「
セナーセー」と言えばは双公転体小惑星
セナーセーのことを表すと同時に南北合わせた
セナーセー市のことも表す。
その他の12小惑星についても
セナーセーと同じ構造である。
各市は双公転体であるため遠心力で1Gの重力を発生させている。
太陽系の各国家、各共同体でも受胎問題があるため部分的に1G重力がある場所を用意しているが、領土全てに1Gの重力があることは珍しい。
確認されているうちでは、スカイシー共和国のスカイシー3、移動前のハニカム、およびプラクティスのエウレカ-ハニカム公転体のみである。
宗教
政治
国政については12名の主教による主教会議のもと行われる。
大主教が国家元首ではあるが、象徴的立場であり、実際は次席主教が最高行政官の任を負っている。
主教位が世襲制のため、いわゆる寡頭制である。
大主教/次席大主教による独裁制ではないものの上記の理由により一般国民が直接的・間接的にも国政に参加することはできない。
軍事
各主教が30隻ほどからなる艦隊をもつ。
23世紀から24世紀にかけて、艦隊は会派名と同名の旗艦を持ち全て強襲砲艦であった。
大主教も同様。
旗艦には主教ではなく主教名代が艦長として乗船することが慣例となっているが、ときおり主教自身が艦長となることもある。
国政関係
西暦2310年におこした
ドロテア・ワット襲撃の結果として自治共同体としての資格を剥奪された
プラクティスを、西暦2311年よりアウレーリア家が保護観察においた。
地方行政
地方行政としては大主教が小惑星
セナーセー(
セナーセー市)を、各会派がその他の小惑星の統治を行っている。
市長である主教と、市民の選挙によって選ばれた家臣団という集団との合意で市制を行っている。
家臣団選任の選挙制度は詳細が不明であるが、地方行政であれば市民がある程度参加できる模様。
主教は世襲制である。しかしジンデル家の
デイム・グレーテルがエスレル市長であったり、主教会議によって
アダムス・アウレーリアが主教を罷免されるということもあるようだ。
経済
ノイジーラントの主な産業はいわゆる傭兵業である。
自前の軍隊を持たない国家・共同体と契約し国防・警備を担っている。
この際、各国の領土内に派遣する部隊を
レジメント(気圏連隊)と呼んでいる。
国民
文化
国民性
サー・ジョージ・クリステンセンが建国時に見せた気高い不屈の性状を全国民が尊崇し、自らもそうあろうとする国民性をもつ。
すなわち既存の常識や習慣にとらわれず、既存の社会・政体に組しないということである。また同性愛、異性愛にこだわりがなく、さらに性のタブーが非常に少ない。
どの性で生まれてきても14歳の時に自分の性を選択する慣習がある。男性、女性、両性、無声、非性、他、から選択する。
生体工学技術が非常に発達しており、性の選択時や
アンチオックス等、肉体改造についても抵抗を持たない。
ただし自分達は特殊な集団であり、主流派でなくマイノリティーであることを自覚している。
民族衣装
民族衣装はチェックのキルトスカートである。これは初代大主教がイギリス聖公会出身ということに由来する。
牧羊
太陽系でさかんに飼育される電波発進種の羊は、24世紀初頭
アンチオックスによって作りだされた種である。
担当した、当時の食料庁畜産かの司祭が
カルドヘッピゲン派であったため、それ以降
カルドヘッピゲン派は牧羊に明るい一統となった。
ただし実際のところ電波発進種は
ノルルスカインの策略であり彼が自身のリソースにするために作らせたものである。
死生観
ケブネカイセ派の教義上、死者の魂は
ケブネカイセのゆりかごに帰り、肉体は資源として
CELSSに戻され他の生命を養うとされる。
死者は光葬にふせられ、燃焼の結果発生する二酸化炭素、窒素、水等は再利用される。またそれ以外の鉄分やカルシウムは固められ墓標となる。
建国時の逸話
21世紀末より宇宙開発に乗り出していた
NPSAは西暦2110年、当時の潮流に乗って小惑星帯に恒久基地建設を目指す。
サー・ジョージ・クリステンセン隊長と6名の隊員からなる遠征隊が
コロニム族の小惑星
セナーセーに到着するも、滞在9ヶ月目に
CELSS(閉鎖環境循環機器)のトラブルに見舞われる。
全員の滞在が出来なくなっただけでなく全員揃っての帰還もかなわないという状況で、隊長は、まず5名を帰還させ自身ともう一人の女性隊員の二名で基地にとどまり生存の手立てを尽くすという決断を下す。
基地に残された
CELSSは4ヶ月しかもたないが、部品などはないため二人は自力で対応する。すなわち部品そのものを作る工具の製造から始める。
無線により地球のスタッフからアドバイスはあったものの、そもそも素人の二人には荷が重過ぎる作業であった。
それでも諦めずに作業を進める二人の姿に、かえって地球側のスタッフに錯乱者がでるほどであった。
いよいよ期日が迫る。なんとか修理が間に合い
CELSSは作動したものの、8分間ほど酸欠状態に陥る二人。しかし息を吹き返し地球に送信する。
「
セナーセー基地から地球へ。間に合った。生き延びた。酸素は切れたが、俺たちは生きているぞ」
そして酸欠の間に啓示をうけた
サー・ジョージ・クリステンセンは、続いて
ノイジーラント大主教国の建国を宣言する。
「酸素は切れたが、俺たちは生きているぞ(Lose O2,we stand)」は「ルゾッツー、ウイース・タン」として末永く国民の合言葉になる。
同性による繁殖
同性愛者が子供をもうけたい場合は体外受精による単為生殖を行う。クローンではない。また両親と異なる性の子供をもうけたい場合は、三人目の親として異性を加える。
元ネタ?
・スウェーデンで一番高い山がケブネカイセ山。
ケブネカイセに限らず北欧に由来するものが多い。
・ケブネカイセ山の詳細はウィキペディア参照。
→ケブネカイセ山
・ノルウェーで一番高い山がガルドヘッピゲン山。
・ただしカタカナ発音的にはガルフピッゲンのようだ。スペルをローマ字読みチックに読むといいかもしれない。
・ガルフピッゲン山の詳細はウィキペディア参照。
→ガルフッピゲン山
・北欧神話に出てくる英雄の一人がシグムンド。
・シグムンドの詳細はウィキペディア参照。
→シグムンド
・実際のところ21世紀現在、メインベルトにコロニム族という小惑星群は存在しない。
・ただし似た名前のコロニス族は存在しており、さらに作中の説明と酷似している。
コロニス族の詳細はウィキペディア参照。
→コロニス族
・イギリス聖公会は実在するキリスト教宗派であり、イングランド国教会としても知られている。
・「星公会」はこれにちなんだ作者の造語である。
・イギリス聖公会の詳細はウィキペディア参照。
→イングランド国教会
最終更新:2012年09月27日 00:24