「背景ストーリー」(2011/06/27 (月) 02:08:20) の最新版変更点
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まだなにもないよ!
幻想と現
物語はある日、突然に始まる。
何時だってそうだ。私たちは渦中に居て初めてその渦を知る。
物事の歯車、その歯車になっていることに気付くのはいつだって「そうなってしまって」からだ。
人は知らぬものを畏れる。今に始まったことではない。
そう、だからこそ古の人と妖の賢者たちは、
各々の住む世界を分けた。
『博霊大結界』にて。
しかし――――
幻想郷と現実世界、現と夢の境界に歪み、博麗大結界の綻び。
そしてその綻びから現の世界に逃げ出してしまった
「夢の世界の住人たち」
幻想郷始まって以来の、存亡にかかわる大異変に八雲紫はいち早く解決に乗り出した。
「……念のため保険をかけておいたのだけれど」
妖の賢者、八雲紫は、夢と現の世界の境界が曖昧になることによって、幻想郷に住む人食いの妖怪、魑魅魍魎たちが現の世界を侵すこと、
そして、幻想郷の存在が今の現の世界側に流出することを恐れた。
古の賢者が一人は博霊大結界を修復する時間を稼ぐため、そして、
現の世界の人間たちと「幻想郷自体」を守るために、幻想郷の「異変解決の専門家」に依頼する。
「やれやれ、今回は悠長に構えてる暇はなさそうね」
「へぇ、今回の異変は一癖ありそうだな、私に任せておけって!」
そして―――――
――――物語は幕を上げる。
紫はまずはじめに、自らの「保険」を元にカードを創る。
『幻想の住人たちを現の世界に呼び出すカード』を
それを手にした者は幻想の力を借りることが出来る―――
キィン――――
――――カシャン
「さて、こっちの世界は始めてね。どうなることやら」
「ふーん。こっちは魔力が少ないな、けど、わくわくするぜ」
紅白の巫女と、白黒の魔法使いは次々に好奇心と邪念に塗れた 妖怪を倒してゆく。
しかし――――
「な!なんだぁ!ありゃあ?」
結界の綻びはさらに幾つもに分かれ幻想郷と現実世界を繋ぐ。
何が起こってるのか、未だ知るものは誰もいない。
こうしている今もまた―――――
「これじゃあ時間も人手も足りないわね。仕方ない」
彼女は異変解決の専門家だけではなく、「他の」幻想の住人たちにも力を借りる。
「お嬢様の『条件付』でお許しもでましたし、お手伝いいたしますわ。ええ、おゆはんまでには戻るように、と。」
「話は聞いています。幽々子様からも託がありましたし、未熟者ではありますがご助力いたします」
「怪しい風は捉えていました!向こうのことは私が一番詳しいですし、ついに私の出番ですね!」
「面倒だけれど、私の住むところが危ういみたいだし、少しだけなら手を貸すわ。新しい人形も試してみたいしね」
「あやややや!いよいよ異変は大きくなってきたみたいですね!私も以前から向こう側に興味があったんですよ!
大天狗様のお許しも出たし、取材がてらご助力いたします!」
また、直々に各陣営に赴き、経緯を語る。
「私は結界の修復を最優先に動くわ。だから――――
紫はさらにもう一種類、「幻想郷を守るため」に、彼女たちの「力の一部を封印」する「カード」を創る。
「このカードに力を封印し、協力してくれるかしら?」
『幻想郷始まって以来の危機よ』
キィン―――――
混ざり合う現と夢。
このままでは、人は夢を失い、夢は現に梳けてしまう。
揺らぎは強く、少しずつ形を変え、現実世界幻想郷各地に散らばり二つを繋ぐ境界。
それが意味するのは、
幻想郷の終末――――
現実世界を守るために。
幻想郷を守るために。
『彼女たちの力の一部を封印したカード』もまた現実世界へ――
「頼んだわよ、この異変を解決するのには『あなたたち』の力が必要なのだから」
まだ物語は始まったばかり。
私たちはまだ、幻想郷を知らない。
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