2ch黒猫スレまとめwiki

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hiesuke

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67スレ目261

『五更家に招待』

日向&珠希「ただいまー」

日向と珠希が元気よく帰宅の知らせをすると、黒猫が出迎えにやって来た、
普段はジャージ姿で居る事が多い黒猫だが、創作活動中だったのか、ゴスロリ姿だ

黒猫「あら、お帰りなさい、あら?」

黒猫は見慣れた妹達の後ろに、見覚えのない少女が居るのに気付き、
彼女にしては珍しく好奇心を抑えられない様子で訪ねてきた

黒猫「日向、珠希、その子は?」
日向「公園でたまに遊んでくれる小鳩姉だよ、今日は外は寒いから家で遊ぼうって事になって…」

黒猫は「よくもまぁほいほい仲良くなれるわね」と羨ましそうな眼差しを向けていたが、すぐに気を取り直す

黒猫「そうなの、いらっしゃい、小鳩ちゃん」
小鳩「お…おじゃまします」

怖ず怖ずと挨拶する小鳩と呼ばれた少女は、綺麗な金髪に蒼と赤のオッドアイをしており、
小柄な体を真っ黒なドレスに身を包んでいた、一見すると外国人の様に見えるが、
日向の話だと、日本人とイギリス人のハーフで一応は日本人なのだという
小鳩は黒猫の姿を見るなり、まるで悪戯を思い付いた小僧の様にほくそ笑んだ

小鳩「クックックッ、我が名はレイシス・ヴィ・フェリシティ・煌、現われたな、夜魔の女王」

そう言って小鳩は得意げに顔の前に指を二本、横に突き出しすポーズを取る
態度を一変させた小鳩に驚いた黒猫だが、やがて、それがある年齢特有のの症状である事を看破する
「ああ、これが噂に聞く邪気眼という奴ね、何て痛々しいのかしら」と
自分の事を完全に棚に上げた事を考えていたが、それならばここは自分流の返しをすべきだと思い至る

黒猫「ふふふ、私は千葉の堕天聖黒猫、千葉(せんよう)の地に舞い降りし闇の女王」

黒猫は”荒ぶる堕天聖のポーズ”と呼ばれる決めポーズを取った、実にシュールである

小鳩「ククク、真祖たる我と対峙しようとは、愚かな」
黒猫「吸血鬼風情がこの女王に勝てるとでも思って?」
小鳩「我の眷属にしてくれよう」
黒猫「闇の下僕にしてくれるわ」

珠希はそれを楽しそうに眺めていたが、日向は居ても立っても居られないという様子だ

日向「ちょ、ちょと、2人ともいきなり喧嘩なんかしないでよ!」
黒猫「何を言ってるのかしら? 日向」
小鳩「ククク、我がこんな所で真の力を開放するはずもあるまい?」

慌てて2人を止めようとする日向を二人はまるで可愛そうなものを見るような憐れんだ表情で見つめる
珠希までも不思議そうな表情をしている、何という事は無い、二人は自己紹介をしていただけだったのである
日向は腑に落ちていなさそうだったが、こんな所で立ち往生していても仕方ないので
取り敢えずは皆で居間に移動する事となった

日向「それで、小鳩姉何して遊ぶ?」
小鳩「クックック、人間の小娘よ、我が戯れに付き合いがいい」

そう言って小鳩は鉄の死霊術師というアニメを題材としたゲームを差し出した、どうやらこれで遊びたいらしい

小鳩「ククク、この中で一番の熟練者と交えてやろうではないか」
日向「じゃあルリ姉だね」
黒猫「あら、私も一緒に遊ぶの? 仕方ないわね、やるからには手加減はしないわよ」

こうして小鳩と黒猫との戦いが始まった

黒猫「ふふふ、我が美技に酔いしれるがいいわ」
小鳩「ククク、我の強大な闇の力に恐れおののくがいい」


―数分後―


ガチャガチャガチャ…K.O.

小鳩「ううぅあんちゃぁん…」

そこには嵌め技により、ほぼ完封負けの憂き目にあっている小鳩の姿が有った
最初の数回こそ小鳩の圧勝だったが、瞬く間に操作方法を理解した黒猫に蹂躙されてしまった

日向「ルリ姉大人気ないよ~」
黒猫「……ちょとやり過ぎたかしら」

このまま続けていると大人気なく力を振るいまくる黒猫によって小鳩が号泣しかねないので、
日向の提案により今度は皆で遊べるボードゲームをする事となった

黒猫「ふふふ、この空き地は頂くわ」
小鳩「クッ、我のエリアに相乗りだと!? 小賢しい…」
珠希「お店が大きくなったです~」
日向「1以外! 1以外! 1以外! ぐああああ!!」
珠希「パーティーするから全員集合!」
黒猫「この店は5倍で頂くわ」
日向「LVUP! これで何とか、何とかなるはず…」
小鳩「ククク、交渉成立! 我の店がまた強大になったぞ!」
珠希「ラッキーセブン!」
黒猫「ふふふ、エリア独占!!」
小鳩「ククク、10株売りを喰らうがいい」
日向「旅の扉にはまった!!」


―数時間後―


黒猫「あら、もうこんな時間なのね」
珠希「楽しかったです~」
黒猫「ふふ、そうね」
小鳩「ククク、良い勝負であったぞ」
日向「orz」
黒猫「目標金額を越えた時は勝ちを確信したのだけれど、まさか追い付かれるとは思わなかったわ」
小鳩「ククク、我の力を甘く見るとは愚かな」
黒猫「しかも珠希まで追い付いてきて、貴女は相乗りが上手いわね」
珠希「えへへ」
日向「orz」
黒猫「日向、リアルでそのポーズはちょっと鬱陶しいわよ、いい加減やめて頂戴」
日向「だってドベだよ!? びりっけつだよ!? どうしてこうなった!!」
黒猫「仕方ないでしょう、マス運が悪かったんだから、こういう時は自分の力だけで戦おうとせずに
   相手の力を利用しないと、貴女は戦術の切り替えが下手なのよ」
日向「むうう~~~」

日向は不満げだったが、実際、その通りなので何も言えなかった
日向の戦術が崩れたのは黒猫の高額店に嵌ったせいなのだが、それを言っても詮無き事だ
対人戦はコンピューター相手の様にはいかない、日向はその事実を改めて噛みしめた

黒猫「さて、夕食だけれど、折角だから小鳩ちゃんも食べていく?」
珠希「小鳩おねぇちゃんも一緒にご飯食べるです~」
日向「もうこの際、今日はお泊りしていってよ~」
黒猫「そうね、妹達もこういってるし小鳩ちゃんも今日は泊まっていって頂戴」
小鳩「あ、あんちゃんに聞いてみる」

小鳩は携帯電話で兄と連絡を取る、数分後、どうやら了承を得られたようだ、
小鳩から電話を変わった黒猫は小鳩の兄に小鳩の事をくれぐれもよろしくと頼まれた

黒猫「小鳩ちゃんは何が食べたいの?」
日向「ハンバーグ!!」
黒猫「何故貴女が答えるのかしら…」
小鳩「ハンバーグ…じゅるり…」
黒猫「……不満は無さそうね、珠希もそれでいいかしら?」
珠希「はーい」
日向「やったー!!」
小鳩「ククク…ハンバーグ…ククク…」

黒猫「じゃあ買い物をして来るから、みんなはゲームでもやっていて頂戴」
一同「はーい」


―数十分後―


黒猫「ただいま」

黒猫が買い物を終えて帰って来た、ゴスロリは既に着替え、ジャージを纏っている
黒猫が食材をしまう為に台所に行くと、隅っこで蹲っている日向が視界に入った

黒猫「あら、日向、そんな所に座って、どうしたの?」
日向「ううう…今度こそ勝てると思ったのに…勝てると思ったのに…」
黒猫「?」

壊れたレコーダーの様に同じ言葉を繰り返す日向を埒があかないと放置し、
黒猫は珠希と小鳩の様子を見に行った
ガチャガチャガチャ…
居間では珠希と小鳩が鉄の死霊術師のゲームで対戦していた、2人はほぼ互角といった所だろうか

それを見た黒猫は、先程の自分達の戦いを見た日向が、これなら自分も勝てると踏んで、
意気揚々と挑んでいくも、見事にボコボコにされてしまったのだという事を理解した

珠希「あ、姉さまお帰りなさい」
黒猫「ただいま珠希、ところで、よそ見していてもいいの?」
珠希「ほえ?」

珠希が振り返ると、自分の操るキャラが小鳩の操るキャラの必殺技を受けて倒れていた、
残りのライフは僅かばかり、ここから立て直すのは難しいだろう

珠希「小鳩おねぇちゃんズルいです~」
小鳩「ククク、我の前に無防備な姿を晒すとは愚かな娘よ」
黒猫「あら、邪魔しちゃったわね、後数十分程でご飯が出来るから、もう暫く遊んでいて頂戴」
珠希「は~い」
小鳩「ククク、了承した、ハンバーグ…じゅる…」


―数十分後―


日向&小鳩「いっただっきまーす」
黒猫&珠希「いただきます」

日向と小鳩はまるで競い合うかの様に料理を平らげていく
ちなみにハンバーグは牛と豚の合挽きに、刻んだ玉葱を加えて作られた物であり、
間違っても、肉を使わない豆腐ハンバーグが出された訳では無い

黒猫「2人とも、そんなに急いで食べなくても、誰も取ったりしないんだし
   もっとゆっくり食べたらどうかしら?」

日向と小鳩は元気よく返事をするが、食事の速度が落ちる気配はない

黒猫「やれやれ、まぁいいわ、2人は放っておいて自分のペースで食べましょう、珠希」
珠希「はーい」

女3人寄れば喧しい騒がしい姦しいとはよく言ったものだが、各人が思い思いに言葉を飛び交わす様は、
まさに文字通りの様相であった、女4人集まった場合は何と言うのだろうか

黒猫「え!? 小鳩ちゃんは中学2年生なの?」
日向「え? そうだけど」
黒猫「そ、そう、てっきり日向と同い年かと思っていたわ」
日向「最初から小鳩姉って呼んでるじゃん」
黒猫「それはそうだけど…」

チラリ
黒猫は改めて小鳩を眺める、高く見積もっても精々小学6年生程度、とても中学2年生には見えなかった
合法ロリという言葉が一瞬頭をよぎったが、黒猫はその考えを押し殺し、無かった事にした

黒猫「そういえば日向ってば、夏休みの宿題を全くやってなくて最終日に大変な事になったのよね」
珠希「姉さまがいっぱい手伝ってました」
日向「ちょ、今更そんな事蒸し返さないでよ~」
小鳩「ククク…ククク…うぅ…」
日向「そういえば小鳩姉も夏休みの宿題を全然やってなくて、
   新学期にお兄さんとかに手伝って貰ったっていってたんだよね」
小鳩「な、なんでいうんじゃあほー」

小鳩は真っ赤になってそっぽを向いてしまう、どこの家も似たようなものねと黒猫は妙な所に感心した

日向「そうそう、小鳩姉って文化祭で映画の主役をやったんだよね」
小鳩「!?」
黒猫「あら、凄いわね」
珠希「わたしも見たかったですー」
小鳩「ううぅ…」
黒猫「そうね、みんなで見てみたいわね、DVDとかは無いのかしら?」
小鳩「うぅ…あるけどいやじゃ!」
日向「えー、いいじゃん~」
黒猫「日向、本人が嫌と言ってるんだから無理強いしないの、残念だけれど」
日向「はーい」
珠希「残念です~」

食事をし終わった4人は居間で思い思いに休んでいた、日向と小鳩は少し眠そうである

黒猫「小鳩ちゃん、お風呂が沸いたから先に入って頂戴」
小鳩「ククク、良かろう、真祖である我は水をも克服したという事を証明するいい機会だ」
珠希「一緒に入るですー」
日向「あ、ズルい、あたしも一緒に入る!」
黒猫「ふふ、じゃあ悪いのだけど、日向と珠希を入れてあげてくれないかしら?」
小鳩「ククク、よかろう、戯れついでに遊んでやるとしよう」
珠希「わーい」
日向「じゃあ早速行こー」

お風呂では日向と珠希と小鳩が水の掛け合いっこをしてはしゃいでいた
湯船から容赦なくお湯が流れ出ていく、3人が風呂から上がった後には
湯船の半分程までしかお湯が残っておらず、黒猫はお湯を張り直す羽目となった

黒猫「どうやったらお湯がここまで少なくなるのかしら…」
珠希「みんなで水をかけっこして遊んでました」
小鳩「ククク、我が一番多くの水を浴びせ掛けてやったのだ」
日向「楽しかったよ~、ルリ姉もやれば?」
黒猫「ふぅ、遊ぶのはいいのだけれど程々にしておいて欲しかったわ」

黒猫が風呂から上がった後は、居間に布団を敷き、皆でお喋りに興じる、
小鳩は日向の寝間着を借りている、9時頃になると珠希が早々に眠ってしまったので
それ以降は3人で珠希を起こさない様に気を付けながらお喋りを続けた
深夜2時頃に日向と小鳩が力尽きたように眠りに落ち、ようやくお開きとなった


―翌日―


黒猫が朝ご飯の支度をしていると珠希が眠そうな顔をしながら起きてきた

珠希「ふわぁ…姉さまおはようございまふ…」
黒猫「おはよう、丁度いい時間に起きて来たわね、朝ご飯が出来ているわ、
   日向と小鳩ちゃんを起こしているから座って待っていて頂戴」
珠希「ふぁ~い」

トコトコトコ

黒猫「日向、小鳩ちゃん、そろそろ起きて頂戴」
日向「う~ん…もう食べられないよ~」
小鳩「んにゃ…あんちゃん…」

いつもの様に布団を半分蹴飛ばした状態でベタな寝言を吐く日向
小鳩はというと、寝間着を豪快にはだけさせ、白い肌を露わにしていた、
布団は完全にあらぬ場所に転がっている、寝相の悪さは日向以上の様だ
黒猫は微笑ましくも呆れると、無慈悲にも2人を敷布団の上から放り出した
ゴロゴロゴロ…ポテッ!

日向「ぐげっ!」
小鳩「ふにゃ!」

潰れた蛙と猫の様な声を出し、2人は即座に覚醒した、黒猫が悪戯っぽい顔で微笑む

黒猫「ようやく起きたわね、さぁ、2人とも早く顔を洗って来て頂戴、皆で朝食を食べましょう」

と言い放つ、二度寝をしない様に釘を刺すのも忘れない
日向がぶつぶつと文句を言っていたが、黒猫は素知らぬ顔で台所へと戻って行く

一同「いただきます」

この日の朝食はご飯に味噌汁、焼き魚、五更家定番の献立である
昨夜遅くまで起きていた日向と小鳩は睡眠時間が足りないのか、まだ眠そうな顔をしており、
昨日と打って変わり、静かな食事模様となった
朝食を食べ終わり、皆でゲームをしていると小鳩の兄が迎えに来た
小鳩の兄は丁寧に礼を言い、小鳩にもきちんとお礼を言わせた、
また妹と遊んでやって欲しいと頼む小鳩の兄、小鳩は恥ずかしげにしていたが
別れ際に、ククク、我が再びこの地に降臨するのを楽しみにしているがいい
と言っていたので、また遊びに来てくれるのだろう
その日に備え、日向は珠希や黒猫を相手にゲームの腕を磨くのだった

  • 完-

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