高坂くんが遊びにきた
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『プレーン』
「それでルリ姉ったらさぁ、玄関出るのも一苦労してんのよ。」
ルリ姉は台所に立っている
あたしは高坂くんと雑談、たまちゃんは高坂くんの膝の上
もはや定位置だなー
「そいつは難儀なこったな。さらにデカい羽があったとは・・・」
「ありえないよね~」
「まぁとにかく日向ちゃん。お陰で助かった。サンキュな。」
あたしの頭を撫でる高坂くん
ルリ姉とはちょっと違う感じ
うん。悪くない
「えへへ~」
「あら、愉しそうね。何の話かしら。」
お茶を淹れてきたルリ姉が話しに加わる
「神猫の衣装のこと。ホントはもっと羽がおっきかったんだよってね~」
「あれは、その・・・イメージをそのまま具現化したから
デザイン重視になっていただけよ。」
「だからってまともに玄関から出られないってないっしょ。
というか、どうやって部屋から出てきたの?」
素直な疑問をぶつけてみた
「フッ・・・正面突破が無理ならば側面から攻めればいいだけの事よ。」
あー・・・つまり壁に沿って横歩きしたのか
「なんだ。それじゃ神猫じゃなくて蟹猫だな。」
「お!高坂くんそれだ!蟹だよカニカニ。」
両手でチョキチョキしながら笑う
・・・っと、ヤバ。ルリ姉がプルプルしてる
「あー・・・まぁ羽はともかく、お前は本当に器用だよな。」
「・・・そうかしら?私はただ自分で出来る事は極力自分でする、それだけよ。」
「それでもよ、普段着れるような服を自分で作れる中高生はそうはいないぜ?たいしたもんだよ。」
「・・・そう。」
真っ赤になるルリ姉
なにこの乙女。かわいいじゃなイカ
「あとは実用性とか機能美とか考慮すればいいんじゃないか?
ほら、車が今の形になったのも空気抵抗や燃費とか、事故った時の衝撃吸収とかを考えたからだろ?」
「確かに・・・いくらデザインがよくても普段の使い勝手が悪ければ評価はされないわね。」
顎に指を当ててなにやら思案している
ルリ姉がまともな服を作るようになったらあたしも作ってもらおうかな~
新聞の折り込み広告を参考にすれば問題無いっしょ
「ルリ姉の趣味全開だと派手すぎるよね~」
「服を自作していると、色々付けてみたくなるのよ。」
そうかもしれないケド
夢中で作っているうちに色々付けたくなったとしてもあの羽はないよなぁ・・・
「そういえば黒猫の服って
モノトーンではあるけどフリルやリボンが付いたようなのが多いな。」
「・・・似合わないかしら?」
「いや、出会った時は女王コスだったし、黒猫らしくていいんじゃないか?ただ・・・」
「ただ?」
「俺はもう少しシンプルな方がいいかな。」
「夏コミの時のような?」
「あれもいいけどな。なんといえばいいか・・・
んー・・・そうだ。厳選された最高の食材があったとする。
料理人は知識と経験をフルに使って美味い料理を作ろうとするわけだ。
調理法やソースにも拘って究極の料理ができた。客も満足するはずだ。
でも客は思うんだ。美味いけどこれ、何だろうってな。
最高に美味いんだが元の食材が解らない。ソースの味が強すぎるんだよ。
例えばヨーグルト。フルーツが入っていたり粉砂糖?を振り掛けたりして食べるだろ?
でもヨーグルト本来の味を楽しみたいならプレーンが一番だと思う。
本当に最高の食材があるとすれば、その味を活かすにはシンプルな方がいいんじゃないかな。
野菜に塩だけとか刺身みたいに生とかな。」
「京介・・・」
真っ赤になったデレ猫がいた
ほほう・・・
こうすれば機嫌を損ねずに神猫回避できるのか
なかなかやるな!高坂くん
「んっと~それってさ、ルリ姉はルリ姉の良さがあるんだから、飾らなくてもいいって事?」
「まぁそんなとこだ。」
高坂くんまで真っ赤だよ。なにこのバカップル
「にゅふふ~そっかそっか。100%のルリ姉を味わうためにはソースもトッピングもいらないと。
つまり~高坂くんの理想のルリ姉はスッポンポンで生がいいっと・・・・・・メモメモ。」
「ちょっとまてぇ~~!ってかメモるな!」
「な・・・な・・・なんて事を考えているのよ!」
「ま、まて、落ち着け、考えたのは俺じゃない!日向だ!」
「え~?じゃあ、純度100%のルリ姉見たくない?」
「無論見たい!!」
即答だよ
「な、なんて破廉恥な・・・・・・!!」
「はっ!しまったつい!」
「高坂くん、正直すぎるよ。」
「日向!だいたい貴女も・・・」
ヤバ。ここは逃げたほうがよさそうだ
「あはは~高坂くん、あとはまかせた!」
「こら待てずるいぞ!」
「まったくもう・・・あの子ったら・・・」
ルリ姉から撤退して自分の部屋へ
ふと、気になって調べてみた
「えっと、プレーン、ぷれーん、plain・・・
え?こ、これは・・・!」
ドタドタドタ
「ルリ姉!ルリ姉!」
「今度は何よ?騒々しい。」
「えっとね、プレーンって辞書で調べてみたんだよ。ほら。」
「あら?殊勝な心掛けね。」
「さすが高坂くんだよね~感心しちゃった♪」
「・・・見せて御覧なさい。」
plain
①〔暮らしぶり, 服装などが〕飾らない, 質素な;〔布が〕模様のない, 無地の.
②〔料理などの味が〕あっさりした, 淡泊な; 何も加えてない
「なるほど。面白いわね。」
「ルリ姉、その下だよ。」
③平原,平地,平野.plainness 【名詞】
[ラテン語「平らな」の意]
「よかったね~ルリ姉!高坂くんはペッタンコでもいいってさ♪」
「だ、誰が大平原の小さな胸ですって?!」
ルリ姉、眼がコワイヨ?
「い、いや、言ったのは高坂くんだよ?」
「なんだそのキラーパスは!!そういう意味じゃねぇっての!」
「え~?じゃあ、ルリ姉のペッタンコな部分見たくない?」
「無論見たい!!」
「あ、貴方達いい加減に・・・」
あ、ヤバ。やりすぎちゃったかな?
「ごめんなさい嘘ですルリ姉は平原じゃありませんなだらかな丘ですごめんなさい。」
「お前じつは謝る気ないだろ!」
その日のあたしの晩御飯は
なにもかけないサラダとお醤油無しの冷奴だった
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『プレーン』
「それでルリ姉ったらさぁ、玄関出るのも一苦労してんのよ。」
ルリ姉は台所に立っている
あたしは高坂くんと雑談、たまちゃんは高坂くんの膝の上
もはや定位置だなー
「そいつは難儀なこったな。さらにデカい羽があったとは・・・」
「ありえないよね~」
「まぁとにかく日向ちゃん。お陰で助かった。サンキュな。」
あたしの頭を撫でる高坂くん
ルリ姉とはちょっと違う感じ
うん。悪くない
「えへへ~」
「あら、愉しそうね。何の話かしら。」
お茶を淹れてきたルリ姉が話しに加わる
「神猫の衣装のこと。ホントはもっと羽がおっきかったんだよってね~」
「あれは、その・・・イメージをそのまま具現化したから
デザイン重視になっていただけよ。」
「だからってまともに玄関から出られないってないっしょ。
というか、どうやって部屋から出てきたの?」
素直な疑問をぶつけてみた
「フッ・・・正面突破が無理ならば側面から攻めればいいだけの事よ。」
あー・・・つまり壁に沿って横歩きしたのか
「なんだ。それじゃ神猫じゃなくて蟹猫だな。」
「お!高坂くんそれだ!蟹だよカニカニ。」
両手でチョキチョキしながら笑う
・・・っと、ヤバ。ルリ姉がプルプルしてる
「あー・・・まぁ羽はともかく、お前は本当に器用だよな。」
「・・・そうかしら?私はただ自分で出来る事は極力自分でする、それだけよ。」
「それでもよ、普段着れるような服を自分で作れる中高生はそうはいないぜ?たいしたもんだよ。」
「・・・そう。」
真っ赤になるルリ姉
なにこの乙女。かわいいじゃなイカ
「あとは実用性とか機能美とか考慮すればいいんじゃないか?
ほら、車が今の形になったのも空気抵抗や燃費とか、事故った時の衝撃吸収とかを考えたからだろ?」
「確かに・・・いくらデザインがよくても普段の使い勝手が悪ければ評価はされないわね。」
顎に指を当ててなにやら思案している
ルリ姉がまともな服を作るようになったらあたしも作ってもらおうかな~
新聞の折り込み広告を参考にすれば問題無いっしょ
「ルリ姉の趣味全開だと派手すぎるよね~」
「服を自作していると、色々付けてみたくなるのよ。」
そうかもしれないケド
夢中で作っているうちに色々付けたくなったとしてもあの羽はないよなぁ・・・
「そういえば黒猫の服って
モノトーンではあるけどフリルやリボンが付いたようなのが多いな。」
「・・・似合わないかしら?」
「いや、出会った時は女王コスだったし、黒猫らしくていいんじゃないか?ただ・・・」
「ただ?」
「俺はもう少しシンプルな方がいいかな。」
「夏コミの時のような?」
「あれもいいけどな。なんといえばいいか・・・
んー・・・そうだ。厳選された最高の食材があったとする。
料理人は知識と経験をフルに使って美味い料理を作ろうとするわけだ。
調理法やソースにも拘って究極の料理ができた。客も満足するはずだ。
でも客は思うんだ。美味いけどこれ、何だろうってな。
最高に美味いんだが元の食材が解らない。ソースの味が強すぎるんだよ。
例えばヨーグルト。フルーツが入っていたり粉砂糖?を振り掛けたりして食べるだろ?
でもヨーグルト本来の味を楽しみたいならプレーンが一番だと思う。
本当に最高の食材があるとすれば、その味を活かすにはシンプルな方がいいんじゃないかな。
野菜に塩だけとか刺身みたいに生とかな。」
「京介・・・」
真っ赤になったデレ猫がいた
ほほう・・・
こうすれば機嫌を損ねずに神猫回避できるのか
なかなかやるな!高坂くん
「んっと~それってさ、ルリ姉はルリ姉の良さがあるんだから、飾らなくてもいいって事?」
「まぁそんなとこだ。」
高坂くんまで真っ赤だよ。なにこのバカップル
「にゅふふ~そっかそっか。100%のルリ姉を味わうためにはソースもトッピングもいらないと。
つまり~高坂くんの理想のルリ姉はスッポンポンで生がいいっと・・・・・・メモメモ。」
「ちょっとまてぇ~~!ってかメモるな!」
「な・・・な・・・なんて事を考えているのよ!」
「ま、まて、落ち着け、考えたのは俺じゃない!日向だ!」
「え~?じゃあ、純度100%のルリ姉見たくない?」
「無論見たい!!」
即答だよ
「な、なんて破廉恥な・・・・・・!!」
「はっ!しまったつい!」
「高坂くん、正直すぎるよ。」
「日向!だいたい貴女も・・・」
ヤバ。ここは逃げたほうがよさそうだ
「あはは~高坂くん、あとはまかせた!」
「こら待てずるいぞ!」
「まったくもう・・・あの子ったら・・・」
ルリ姉から撤退して自分の部屋へ
ふと、気になって調べてみた
「えっと、プレーン、ぷれーん、plain・・・
え?こ、これは・・・!」
ドタドタドタ
「ルリ姉!ルリ姉!」
「今度は何よ?騒々しい。」
「えっとね、プレーンって辞書で調べてみたんだよ。ほら。」
「あら?殊勝な心掛けね。」
「さすが高坂くんだよね~感心しちゃった♪」
「・・・見せて御覧なさい。」
plain
①〔暮らしぶり, 服装などが〕飾らない, 質素な;〔布が〕模様のない, 無地の.
②〔料理などの味が〕あっさりした, 淡泊な; 何も加えてない
「なるほど。面白いわね。」
「ルリ姉、その下だよ。」
③平原,平地,平野.plainness 【名詞】
[ラテン語「平らな」の意]
「よかったね~ルリ姉!高坂くんはペッタンコでもいいってさ♪」
「だ、誰が大平原の小さな胸ですって?!」
ルリ姉、眼がコワイヨ?
「い、いや、言ったのは高坂くんだよ?」
「なんだそのキラーパスは!!そういう意味じゃねぇっての!」
「え~?じゃあ、ルリ姉のペッタンコな部分見たくない?」
「無論見たい!!」
「あ、貴方達いい加減に・・・」
あ、ヤバ。やりすぎちゃったかな?
「ごめんなさい嘘ですルリ姉は平原じゃありませんなだらかな丘ですごめんなさい。」
「お前じつは謝る気ないだろ!」
その日のあたしの晩御飯は
なにもかけないサラダとお醤油無しの冷奴だった