2ch黒猫スレまとめwiki

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zeppelin

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『残念な日向』

日向「あたしは…殺されるかもしれない・・・」
珠希「誰にです? どうしてです?」
日向「でも、殺されないにしても夕飯は消されるかもしれない…」
珠希「?」
日向「実はルリ姉のお気に入りのコスプレ服を破いちゃって…」
珠希「ちゃんと謝れば姉さまも許してくれますよ」
日向「それはたまちゃんが普段ルリ姉を怒らせない良い子からだよ!」
珠希「そうなんですか?」
日向「どうしよう、ルリ姉が帰って来る前に何とかしなきゃ…」

ガラガラ

黒猫「ただいま」
日向「!?」
黒猫「どうしたの? 二人してこんなところで」
珠希「姉さま、お帰りなさい、おねぇちゃんが姉様の…」
日向「な、何でもないよ~、ルリ姉おかえり~」 ガバッ
珠希「もがもが…」
黒猫「……何をしてるの?」 ジト
日向「な、何でもないよ、ね~、たまちゃん」
珠希「もがもが…」
日向(やばい、たまちゃんに喋られたらやばい、ルリ姉に部屋に入られてもやばい、
   ここは時間を稼がないと…)
日向「そ、そうだルリ姉、今日のご飯な何かなー」
黒猫「お刺身と煮物とお味噌汁よ」
日向「き、昨日の夕食は何だったっけ?」
黒猫「焼き魚とお豆腐とほうれん草のおひたしよ」
日向(ぐぬぬぬ…)
黒猫「それはそうと、そろそろ珠希を離してあげたら?」
日向「え?」
珠希「むーむー」
日向「わああぁぁぁ!! たまちゃんごめんねっ!!」
珠希「はぁ、姉さま、おねぇちゃんが…」
日向「わああああああああああああ!!」
黒猫「大きな声を出さないで頂戴」
日向(やばい、ルリ姉のあの顔、あたしが何か隠し事をしてる事に気づいてる)
黒猫「さぁ、私は部屋に行くからどいて頂戴、日向」
日向(マズイ、今部屋に入られたりしたら確実にルリ姉の雷が落ちる、何とかルリ姉を足止めしないと…
   たまちゃんが言う様にとっととルリ姉に話して謝っちゃった方が良いのは分かってるけど…
   怒られるのも謝るのも少しでも長引かせた方が絶対いい!! こうなったら…)
日向「い、痛たたたた、お、おなかが…」
日向(ルリ姉はこういう時、本気で心配してくれるから仮病で騙してるのはちょっと気が引けるけど
   ここはなりふり構ってる場合じゃない、この場を凌げば後は有耶無耶にできる…)
黒猫「だ、だいじょうぶ? 日向」
日向「さ、さっき食べたおやつに当たったみたい」
日向(よし、主導権を掴んだ、これで夕食まで大人しく部屋で寝てればルリ姉も怒るに怒れないはず…)
珠希「あれ? おねぇちゃんおやつなんて食べましたっけ?」
日向「!?」 ダラダラダラ…
黒猫「………」 ジト
日向(やばいやばいやばいやばい…)
日向「い、痛たた、さ、さっき転んだ時に怪我した肘が…」
黒猫「そこは膝よ、怪我をした部位を押えるなら場所が違うわ」
日向「!?」 ダラダラダラダラ…
日向(やばいやばいやばいやばいやばいやばい…)
黒猫「日向…脂汗が凄いわよ」
日向「タ、タダノアセダヨ?」
黒猫「やれやれ、どうせまた私を脅かす為に部屋に蛇や蛙の玩具を仕掛けたりしたのかしら?」
日向「ソ、ソンナコトシナイヨ?」
黒猫「嘘おっしゃい、他にも部屋の本を積み木代わりにして遊んだり、教科書に落書きしたり
   私の創作ノートで紙飛行機を作ったり、私の寝言を録音しようとしてテープを仕掛けたり
   京介を顎で使ったり、私が大事に取っておいたお茶菓子を食べたりしたそうね」
日向「どうしてそれを!?」
黒猫「珠希が教えてくれたわ」
日向「ちょ、たまちゃん!?」
珠希「えへへ」
日向(くっ、珠希ちゃんは嘘が付けないから聞かれたら素直に答えちゃうんだ、迂闊だった…)
黒猫「さて、今度はどんなろくでもない事をしてくれたのかしら?」
日向「わああああ!! ルリ姉ちょっと待って―――!!」
黒猫「なぁに、まだ何かあるの?」
日向(わぁい、ルリ姉のこの疑惑に満ちた眼…、あたしの信用度って凄~い)
日向「え、え~と…」
黒猫「用が無いなら退いて頂戴、部屋に入れないわ」
日向「へ、部屋の中には何もないよ~」
黒猫「珠希、この中には何があるの?」
珠希「おねぇちゃんが姉さまの…」
日向「たまちゃん言っちゃダメ―――!!」
日向(ひーん、この状況で喋られたら弁解の仕様がないよ~
   どうしてあたしはとっととルリ姉に謝らなかったんだよ~)
黒猫「やれやれ、もういいわ、開けるわよ」
日向「もうダメだ――――――!!」

ガラガラ

黒猫「!? ………………これはどういう事かしら? 日向」 ゴゴゴゴ…
日向「あわわわわわわわ…………」
日向(ど、どうしよーーーー!!
1.ルリ姉を説得する
  普段の状態なら兎も角この状態じゃ無理だよ!!
2.逃げる
  この状況でルリ姉が逃がしてくれるとは思えない!!
3.脇目も振らずに逃げる
  ダメだ! ルリ姉からは逃げられない
4.たまちゃんを盾にする
  それは人間としてやっちゃいけない気がする…
5.土下座
  これだ!! もうこれしかない!!)
日向「ルリ姉ごめんなさい!!」 ガバッ
黒猫「………」
日向「………」
黒猫「……………」
日向「……………」
黒猫「…………………」
日向「…………………」
黒猫「……ふぅ、しょうがないわね、日向、顔を上げて頂戴」
日向「えっ、でも…」
黒猫「いいから」
日向「う、うん」





黒猫「大丈夫、このぐらいだったら何とか直せるわ」
日向「えぇ!? ホントに!? 凄い!!」
珠希「よかったですね、おねぇちゃん」
日向「うん」
黒猫「まったく、素直に謝れば私だって怒ったりしないのに」
日向「ごめんなさ~い」
黒猫「さぁ、そろそろ私は夕食の支度をしないといけないわ、
   貴方達は学校の宿題でも片づけてなさい」
珠希「は~い」
日向「あ、あたしの分の夕食は?」
黒猫「心配しなくてもちゃんと作ってあげるわ」
日向「まさか人参ご飯とか出てこないよね?」
黒猫「そんな事しないわよ、それに、そんなに沢山人参なんて用意していないわ」
日向(という事は用意できてたら人参ご飯になってた可能性が…
   いやいや、ここはルリ姉を信じよう)
日向「じゃあ、たまちゃん行こっか」
珠希「は~い」
黒猫「やれやれね」





黒猫「お味はどうかしら?」
珠希「美味しいです~」
日向「ルリ姉の料理はいつ食べても美味しいよ~」
黒猫「そう、よかったわ」
日向(ふぅ、一時は当分ご飯抜きを覚悟したけど、たまちゃんのいうとおり、
   ちゃんと謝ればルリ姉も許してくれたね、これからは何かあっても
   直ぐに謝っておけば大丈夫だよね?)
黒猫「これからは何かあっても直ぐに謝っておけば大丈夫、
   …とでも考えてそうな顔ね? 日向」
日向「ギクッ!!」
黒猫「これからはその何かを起こさない様に気を付けて頂戴」
日向「あ、あはは…」


- 完 -

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