2ch黒猫スレまとめwiki

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fuya

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だれでも歓迎! 編集
黒猫 「折角の夏休みなのだから、あなたたちに料理の手解きをしてあげるわ」

珠希 「はいー! たのしみですっ」

日向 「料理くらい楽勝らくしょー!」

黒猫 「とりあえず、基本の玉子焼きを作ってみましょう」


 コンコン ぱかっ

珠希 「姉さまっ、じょうずに割れましたー!」

黒猫 「あら、そんな小さな手でえらいわね。珠希は筋がいいわ」

 コンコン ぐしゃっ

日向 「わっ、黄身が崩れたっ!」

黒猫 「……それ以前に、いま殻が一緒に中に入った気がするけれど……」

日向 「え゛っ。えーっと……だ、だいじょーぶ! 隠し味隠し味っ」

黒猫 「……言っておくけれど、あなたも食べるのよ?」

 まぜまぜ

珠希 「お砂糖はこのくらいでいいですか?」

黒猫 「ええ、そのくらいかしら。珠希は甘い玉子焼きが好きね」

珠希 「はいー!」

黒猫 「それなら、ほんのちょっとだけお塩を入れるともっと甘くなるわよ」

珠希 「ほぇ、お塩であまくなるんですか?」

黒猫 「隠し味っていうのはこういうことを言うのよ」

日向 「……そ、それじゃあたしはお醤油味でっ」

 どぼどぼ

日向 「うわっ、入れすぎたっ!?」

黒猫 「……随分と黒い玉子焼きになりそうね……」



日向 「あとはこれを焼くだけだよねっ」

黒猫 「そうね。珠希に火の扱いはまだちょっと早いから、珠希のほうは私が焼くわ」

 じゅー

日向 「あちちっ」

黒猫 「火傷に気をつけなさい? 卵はなるべく薄く延ばして、完全に固まらないうちにくるっと丸めるのよ」

日向 「うすーく……、うわ、すぐ固まるよ!? てか焦げそうっ!?」

黒猫 「落ち着きなさい。慌てなくていいように、丸めるときは一旦火を止めるといいわ」

日向 「ひ、火を止めて……くるっ……と……、げっ、破れたっ」

黒猫 「このあたりは慣れかしらね。丸めたらまた火をつけて、空いたところに卵を薄く延ばして……の繰り返しよ」

日向 「お、おっけー。任せてっ」



黒猫 「二つとも焼けたわね。それじゃ、いただいてみましょう」

珠希 「姉さまの玉子焼き、きれいですー」

黒猫 「珠希の卵の混ぜ方が良かったのよ」

珠希 「えへへっ」

黒猫 「もぐもぐ……。少し甘すぎたかしら。でも、美味しいわ」

日向 「あっま~いっ! けど、おいしー!」

珠希 「おいしー!」

黒猫 「珠希のほうは上出来ね。ふふっ、将来が楽しみだわ」

日向 「あ、あたしのだって初めてにしては……チョット焦げたりヘンな形だったりするけどっ」

黒猫 「慣れれば手際も良くなるわよ。それじゃひとつ……もぐもぐ……。っ? ……けほっけほっ!」

珠希 「もぐ……し、しょっぱいです~」

日向 「……あ、あれ? オカシイな~……もぐもぐ。……しょっぱ!!」

黒猫 「あ、あなた……どれだけお醤油入れたのよ」

日向 「い、いや~……最初に入れすぎたと思ったから、隠し味のお塩をいっぱい入れれば少しは甘くなるかと……」

黒猫 「隠し味のお塩っていうのはそういう意味じゃ――というか、いっぱい入れる時点で全然隠していないでしょうっ」

日向 「はっ、言われてみればっ」

黒猫 「……はぁ。次はちゃんと味付けも教えないといけないわね。とりあえず日向、お水を汲んできて頂戴」

日向 「はぁ~い……」



日向 「ハイ、ルリ姉お水。珠ちゃんも」

黒猫 「ありがとう」

珠希 「ありがとおねぇちゃんっ。……ごくごく」

日向 「……はー、シッパイしたなぁ。……って、あれ? あたしの玉子焼きは?」

黒猫 「食べたわよ」

日向 「へ? ……あれ食べたの? ルリ姉が、全部?」

黒猫 「別に食べたら死ぬような代物でもなし、残したら勿体無いじゃないの」

日向 「……あ、……えーと……」

黒猫 「夏休みが終わるまでには、ちゃんと美味しい玉子焼きを作れるようになって貰うわよ?」

日向 「……うん、頑張るっ!」

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