みんなでプール
「あれ、日向ちゃんは浮き輪無くていいのか?」
「えー、あたし泳げるもん。この歳になって浮き輪とかハズカシイじゃん」
「…………(ぴくっ)」
「そ、そうか。まあなんだ、お前ホント姉ちゃんとは全然タイプが違うよなぁ。地味だし」
「……こーさかくん……、プールで足引張られて溺れないように気を付けてね?」
「ふ、ふん。大体、人間風情と違ってこの私に泳ぎの技能なんて必要ないのよ。
いざというときは妖気の膜で体を覆えば水中でも活動可能なのだし」
「よーきのまくでー!」
「る、ルリ姉っ、珠ちゃんが真に受けるからやめてっ。
――そうだ、いい機会だしルリ姉、高坂くんに泳ぎ教わったら?」
「えっ?」
「ほら、よくあるじゃん。沈まないように両手握ってバタ足の練習する、みたいなやつ。
にゅふふ、ああいうのもコイビト同士の定番イベントだよね~、ひゃあぁぁ~~ん!」
「なな、何言ってるんだよ日向ちゃん。そんな小恥ずかし……じゃなくてっ。
黒猫だって強がってそんな技能は必要ないとか言っちゃった手前もあるし、なっ?」
「…………ましょう」
「……へ?」
「……いいわ、やりましょう。……これが円環の理というのなら……!」
「いや、何だか知らないがそんな大層なモンじゃないと思うぞっ? 無理はしないほうが……」
「まーまー。ホラ、あっちの四角いプールのほうなら空いてるしっ。
ルリ姉のコト頼んだよ、高坂くんっ! ガンバってね~~!」
「あ、おいっ!……ったく、しょうがねえなぁ」
(1時間後――)
「さてと、そろそろルリ姉たちもいいカンジかなぁ~?」
「よしよし、その調子だ」バシャバシャ
「お~、やってるやってる。にゅふふっ」
「よーし、なかなかうまいぞ、珠希ちゃんっ」
「ぷはぁ~っ。えへへ~」
「……あ、あれ? なんで珠ちゃん? ……ルリ姉は?」
「…………(プールサイドを指差す)」
「わっ! ど、どうしたのルリ姉っ、鼻にティッシュなんか詰めて!?」
「……フ……、真夏の炎天下で無謀な挑戦はするべきではないわね……。
危うくこの水面を鮮血で染めるところだったわ……」
「…………今日のおかずはレバーとかにしたほうがいいんじゃないかな……」
「あれ、日向ちゃんは浮き輪無くていいのか?」
「えー、あたし泳げるもん。この歳になって浮き輪とかハズカシイじゃん」
「…………(ぴくっ)」
「そ、そうか。まあなんだ、お前ホント姉ちゃんとは全然タイプが違うよなぁ。地味だし」
「……こーさかくん……、プールで足引張られて溺れないように気を付けてね?」
「ふ、ふん。大体、人間風情と違ってこの私に泳ぎの技能なんて必要ないのよ。
いざというときは妖気の膜で体を覆えば水中でも活動可能なのだし」
「よーきのまくでー!」
「る、ルリ姉っ、珠ちゃんが真に受けるからやめてっ。
――そうだ、いい機会だしルリ姉、高坂くんに泳ぎ教わったら?」
「えっ?」
「ほら、よくあるじゃん。沈まないように両手握ってバタ足の練習する、みたいなやつ。
にゅふふ、ああいうのもコイビト同士の定番イベントだよね~、ひゃあぁぁ~~ん!」
「なな、何言ってるんだよ日向ちゃん。そんな小恥ずかし……じゃなくてっ。
黒猫だって強がってそんな技能は必要ないとか言っちゃった手前もあるし、なっ?」
「…………ましょう」
「……へ?」
「……いいわ、やりましょう。……これが円環の理というのなら……!」
「いや、何だか知らないがそんな大層なモンじゃないと思うぞっ? 無理はしないほうが……」
「まーまー。ホラ、あっちの四角いプールのほうなら空いてるしっ。
ルリ姉のコト頼んだよ、高坂くんっ! ガンバってね~~!」
「あ、おいっ!……ったく、しょうがねえなぁ」
(1時間後――)
「さてと、そろそろルリ姉たちもいいカンジかなぁ~?」
「よしよし、その調子だ」バシャバシャ
「お~、やってるやってる。にゅふふっ」
「よーし、なかなかうまいぞ、珠希ちゃんっ」
「ぷはぁ~っ。えへへ~」
「……あ、あれ? なんで珠ちゃん? ……ルリ姉は?」
「…………(プールサイドを指差す)」
「わっ! ど、どうしたのルリ姉っ、鼻にティッシュなんか詰めて!?」
「……フ……、真夏の炎天下で無謀な挑戦はするべきではないわね……。
危うくこの水面を鮮血で染めるところだったわ……」
「…………今日のおかずはレバーとかにしたほうがいいんじゃないかな……」