「黒猫と瑠璃」
俺がベッドに座り休んでいると黒猫が部屋に入ってきた。
「京介、どうしたの? 今日は貴方が主役なのに?」
「さすがに疲れたよ。”妹達”の相手をするのに」
今日は俺の大学合格祝い。そんな理由で皆集まってくれた。
桐乃、沙織と瀬菜、んで黒猫3姉妹。
女三人集まればかしましいが… 6人だからな。
しかも皆、年下ばかりだ。
さすがに疲れた… ちょっとくらい休んでもいいだろう。
「… 合格おめでとう」
「おお?」
「バタバタして、ちゃんと言ってなかったから…」
「ありがとうな」
「なあ黒猫」
「なにかしら?」
「黒猫と、瑠璃、どちらの呼び方だ好きだ?」
「… 突然なに? なんでそんなことを聞くの… ?」
「いいから答えてくれよ」
「フッ… いままで通り黒猫でいいわ」
「そうか… じゃあ今後は瑠璃って呼ぶことにするわ」
黒猫は顔を赤くして
「何故、私の希望と逆の呼び方を… 」
「その方が面白いからだよ。つかお前俺の事『京介』って名前で呼ぶじゃん?」
俺は”瑠璃”にそう言った。
「く、黒猫で良いわよ、そ、そのおかしいでしょ?」
瑠璃は言いにくそうに
「名前同士で呼び合うなんて、こ、恋人同士ですることでしょ?」
瑠璃は顔を伏せながら
「私と、貴方、きょ、京介は、そうゆう関係じゃないし… 」
「別に恋人じゃなくても、友達なら名前で呼ぶだろう? 沙織やあやせも俺は名前で呼んでるし」
「あ… と、友達ね。そうね友達… でも黒猫で良いわ。友達なら渾名で良いでしょう?」
「なあ瑠璃も、ちょっとこっち来て座れよ」
俺はベッドの隣をポンポンと叩く。
「ちょっと、その呼び方やめてちょうだい」
と言いながらも隣に座ってくれた。瑠璃の顔が赤い
俺は瑠璃の目を見ながら言う
「瑠璃… 」
「な、なにかしら? ってやめてって言ってるじゃない」
「…今でも、今でも呪いは継続中か? 」
「えっ…… 」
違う、こうじゃない。今度は俺から言うって決めただろう。
「ごめん。今の無し」
ゴホン。俺は咳払いをして、あの夏の台詞を思い出しながら
「俺は、お前の事が好きだ。世界で一番、他の誰よりもずっとずっと」
「お前と逢ってから、まだ一年半しか経ってないけど… 」
「この気持ちは誰にも負けない。たとえこの身体が滅びて、世界から消えてしまっても」
「きっと、来世でも好きになるぜ」
あの時の台詞、丸パクリだ。
「… あ、あああ…… 」
しばらく動揺していた瑠璃だが、
「フッ『考えさせてくれ』だったからしら? あの時の貴方の台詞は」
「創造力がないとは思っていたけど… 私の台詞をパクるなんて」
「パクりは認める。…で『返事は考えさせてくれ』か? 」
「呪いは継続中よ… それが返事…」
瑠璃が優しく笑った。やっぱりこいつ…
「そうか… 改めてよろしくな」
「俺の名前は高坂京介。五更瑠璃を世界一好きな男だ。愛してると言っても過言じゃないぜ」
「あ、愛してる!?」
顔が真っ赤だ。やっぱり照れてる瑠璃は可愛すぎる。
あーもっと照れさせたい。
「瑠璃… 呪いを上書きしよう」
俺は瑠璃が台詞を言い切らないうちに瑠璃を抱き寄せた。
「ま、まって下に皆がいるのよ、その、あと心の準備が… 」
「半年も待たせてゴメンな… 好きだよ…」
背中に手を廻し、顔を近づける
「わ、私も、私も… 好き……」
瑠璃が目を瞑った、その時--------
「ちゅーするですか?」
「ちょっ、たまちゃん声だしちゃダメ!」
「珠希、今いいところなんだからシー!」
「わ、わっ! 五更さん顔真っ赤」
「すでに時遅しでござる」
「おわー! お前ら!」
「ああああ、貴方達いつから… 」
「ちゅーしないですか?」と珠希ちゃん。
「えーと、黒猫と瑠璃からかな? 」と桐乃。
「キリ姉が良いもの見れるからって… 」と日向ちゃん。
「しかし高坂先輩も厨二病丸出しの告白ですねぇ」
「それはともかく、京介氏、黒猫氏、おめでとうでござる!」と沙織。
その後、皆で下に降りた。パーティーが再開された。
みんなから散々冷やかしに冷やかされた。
瑠璃は終始赤面。俺も絶句してばかりだ。
こいつはたまらん。針のムシロじゃないか。
『高坂京介、大学合格パーティー』の垂れ幕が、
『高坂京介、五更瑠璃、婚約パーティー』に変わってやがるし!
婚約はしてねー! まあ今後はわからんけども…
俺は話題を変えようとするが
「大学に受かったから一人暮らしだな~」
「そこに黒猫氏が通うと、いや~羨ましいでござる!」
「キャー! そのまま同棲しちゃうわけですね!」
「ルリ姉が出て行けば一人部屋になる! ルリ姉、京介君と一緒に住んじゃいなよ!」
こりゃダメだ。今日は無理だ。こいつらブレーキがついいてねえ。
瑠璃とのイチャコラは、今日はお預けか。
ま、先は長いしのんびと、な。
-END-
俺がベッドに座り休んでいると黒猫が部屋に入ってきた。
「京介、どうしたの? 今日は貴方が主役なのに?」
「さすがに疲れたよ。”妹達”の相手をするのに」
今日は俺の大学合格祝い。そんな理由で皆集まってくれた。
桐乃、沙織と瀬菜、んで黒猫3姉妹。
女三人集まればかしましいが… 6人だからな。
しかも皆、年下ばかりだ。
さすがに疲れた… ちょっとくらい休んでもいいだろう。
「… 合格おめでとう」
「おお?」
「バタバタして、ちゃんと言ってなかったから…」
「ありがとうな」
「なあ黒猫」
「なにかしら?」
「黒猫と、瑠璃、どちらの呼び方だ好きだ?」
「… 突然なに? なんでそんなことを聞くの… ?」
「いいから答えてくれよ」
「フッ… いままで通り黒猫でいいわ」
「そうか… じゃあ今後は瑠璃って呼ぶことにするわ」
黒猫は顔を赤くして
「何故、私の希望と逆の呼び方を… 」
「その方が面白いからだよ。つかお前俺の事『京介』って名前で呼ぶじゃん?」
俺は”瑠璃”にそう言った。
「く、黒猫で良いわよ、そ、そのおかしいでしょ?」
瑠璃は言いにくそうに
「名前同士で呼び合うなんて、こ、恋人同士ですることでしょ?」
瑠璃は顔を伏せながら
「私と、貴方、きょ、京介は、そうゆう関係じゃないし… 」
「別に恋人じゃなくても、友達なら名前で呼ぶだろう? 沙織やあやせも俺は名前で呼んでるし」
「あ… と、友達ね。そうね友達… でも黒猫で良いわ。友達なら渾名で良いでしょう?」
「なあ瑠璃も、ちょっとこっち来て座れよ」
俺はベッドの隣をポンポンと叩く。
「ちょっと、その呼び方やめてちょうだい」
と言いながらも隣に座ってくれた。瑠璃の顔が赤い
俺は瑠璃の目を見ながら言う
「瑠璃… 」
「な、なにかしら? ってやめてって言ってるじゃない」
「…今でも、今でも呪いは継続中か? 」
「えっ…… 」
違う、こうじゃない。今度は俺から言うって決めただろう。
「ごめん。今の無し」
ゴホン。俺は咳払いをして、あの夏の台詞を思い出しながら
「俺は、お前の事が好きだ。世界で一番、他の誰よりもずっとずっと」
「お前と逢ってから、まだ一年半しか経ってないけど… 」
「この気持ちは誰にも負けない。たとえこの身体が滅びて、世界から消えてしまっても」
「きっと、来世でも好きになるぜ」
あの時の台詞、丸パクリだ。
「… あ、あああ…… 」
しばらく動揺していた瑠璃だが、
「フッ『考えさせてくれ』だったからしら? あの時の貴方の台詞は」
「創造力がないとは思っていたけど… 私の台詞をパクるなんて」
「パクりは認める。…で『返事は考えさせてくれ』か? 」
「呪いは継続中よ… それが返事…」
瑠璃が優しく笑った。やっぱりこいつ…
「そうか… 改めてよろしくな」
「俺の名前は高坂京介。五更瑠璃を世界一好きな男だ。愛してると言っても過言じゃないぜ」
「あ、愛してる!?」
顔が真っ赤だ。やっぱり照れてる瑠璃は可愛すぎる。
あーもっと照れさせたい。
「瑠璃… 呪いを上書きしよう」
俺は瑠璃が台詞を言い切らないうちに瑠璃を抱き寄せた。
「ま、まって下に皆がいるのよ、その、あと心の準備が… 」
「半年も待たせてゴメンな… 好きだよ…」
背中に手を廻し、顔を近づける
「わ、私も、私も… 好き……」
瑠璃が目を瞑った、その時--------
「ちゅーするですか?」
「ちょっ、たまちゃん声だしちゃダメ!」
「珠希、今いいところなんだからシー!」
「わ、わっ! 五更さん顔真っ赤」
「すでに時遅しでござる」
「おわー! お前ら!」
「ああああ、貴方達いつから… 」
「ちゅーしないですか?」と珠希ちゃん。
「えーと、黒猫と瑠璃からかな? 」と桐乃。
「キリ姉が良いもの見れるからって… 」と日向ちゃん。
「しかし高坂先輩も厨二病丸出しの告白ですねぇ」
「それはともかく、京介氏、黒猫氏、おめでとうでござる!」と沙織。
その後、皆で下に降りた。パーティーが再開された。
みんなから散々冷やかしに冷やかされた。
瑠璃は終始赤面。俺も絶句してばかりだ。
こいつはたまらん。針のムシロじゃないか。
『高坂京介、大学合格パーティー』の垂れ幕が、
『高坂京介、五更瑠璃、婚約パーティー』に変わってやがるし!
婚約はしてねー! まあ今後はわからんけども…
俺は話題を変えようとするが
「大学に受かったから一人暮らしだな~」
「そこに黒猫氏が通うと、いや~羨ましいでござる!」
「キャー! そのまま同棲しちゃうわけですね!」
「ルリ姉が出て行けば一人部屋になる! ルリ姉、京介君と一緒に住んじゃいなよ!」
こりゃダメだ。今日は無理だ。こいつらブレーキがついいてねえ。
瑠璃とのイチャコラは、今日はお預けか。
ま、先は長いしのんびと、な。
-END-