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無題:24スレ目846(短編)

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
高坂家から、ひな祭りパーティーの誘いが届いたのはしばらく前のことだ。
あの子からの、必ず妹達を連れて参加して、という内容には、内心躊躇するところもあったのだが、
招待状は「高坂家」からということで、先輩のお母様の署名もされていた。
それなら行かないというのも失礼だろうと、私達は誘いを受けることにしたのだった。

※※※
「うわあ、妹ちゃんたちキター!!!」
「ようこそ。今日は来てくれてありがとう。楽しんでいってね」
「こちらこそ、お招きいただきまして、ありがとうございます。」
私は手土産の桜餅をお母様に渡す。
「さあさあ、上がって上がって♪」

「うわあ、立派なひな人形…」
「おひなさまが、きれいです」
リビングには、豪華な7段のひな人形が飾られてた。
私の家には勿論、余所で見かけることもそうそうない、それは立派なものだった。
「それじゃ、始めましょうか」

※※※
「…それにしても、五更さんたち姉妹は本当に仲がいいのね」
「はい。ねえさまのことは、だいすきです」
「ルリ姉は、たまに厳しいときもあるけど、やっぱりあたしたち姉妹は仲良しだと思います」
「やっぱりね。桐乃からみんなのことを聞いて、一度会って見たかったの。
話し通りの良い姉妹ね」
あの子が私達姉妹の事を家族に話していたとは、意外だった。
「『あんな姉妹って、ホント、いいよね』とか、
あなたたち姉妹の事をとても羨ましがってたのよ」
「違うから、そんな、羨ましいとか言ってないし!」
あの子は慌てて否定するが、顔が真っ赤なのは図星の証拠。まったく、あの子らしいわ。

ふと目を移すと、下の妹がひな人形をじっと見つめていた。
「わたしのおうちには、こんなおひなさまはないです」
そう、私の家にはひな人形がない。ひな祭りに招待された時、妹達と参加するのを躊躇したのは
余所様と我が家のひな祭りの差を妹達が感じてしまうことを恐れてたからだ。

「そうね。私も子供の頃、家にひな人形がなくて、お友達の家の人形を見て羨ましいと思ったっけ」
お母様が語り出す。
「にいさまのおかあさんのおうちも、おひなさまがなかったですか?」
「そうなの。私も三人姉妹なんだけど、家が狭いからかひな人形がなくて、
その代わり、母親が自分で紙や布でひな人形を作って毎年お祝いしてたの」
「ねえさまとおんなじです。ねえさまも、おひなさまをつくってくれます♪」
「いいお姉さんね」
「はいっ♪」

※※※
楽しい時間はあっという間にすぎ、私達は高坂家を後にした。
自宅に戻り、高坂家でも話の出た自作の人形を飾る。
「ホント、ルリ姉は手先が器用だよね」
「ねえさまのおひなさまがだいすきです」
妹達が褒めてくれる。
「それにしても、今年の人形はいつもとちょっと違うよね」
「そうかしら?」
「よりリアルになったというか…」
「おだいりさまが、にいさまそっくりです」
「そうかー、高坂くんに似てるね。お雛様はルリ姉そっくりだし、
二人並んでラブラブって感じ?」
「ねえさまとにいさまはらぶらぶです」
「ち、違うわよ、何を言い出すのかしら。さあ、夕食の支度をするわよ」
ふと鏡を見ると、私も顔が真っ赤だった。
まったく、あの子のことをを笑えないわね……

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