『転校初日 夜編』
「おまたせ、温かいうちにどうぞ」
「すっげー、何?なんでこんな豪華な、今日何かお祝いの日だっけー?」
「ほんとに、すごいです~」
「え?そ、そうなのか?確かに豪華だけど・・」
「もしかしてルリ姉なんか良い事あった?
高坂くん心当たりない?」
「・・・変な事言ってないで黙って食べなさい」
(や、やばい、あの目は変にいじると魔王の呪いが発動しちゃうー)
「い、いっただきまーす」
「いただきます~」
「ありがとうな、黒猫」
「ど、どうぞ・・お口にあうと良いのだけれど」
いつもより豪華だったらしい夕食を堪能した後
「ねえねえ高坂くん毎日遊びに来てよー」
「ん?俺に惚れたか?でも無駄だぞ~、俺の心は黒猫で溢れてるからな」
「ちっ、ちが、ってノロケきたあーーっ、
ってかさー、それルリ姉に直接言ってあげればいいのにー
めちゃ喜ぶと思うよ?」
「そ、それは恥ずかしい・・だろ」
「・・ほんと、へたれだねー」
「ほ、ほっとけっての」
「彼女を喜ばせるのは彼氏の勤めだと思うよ?」
「そ、それはそうだろうけどさ、あは、あはは」
「ま、それはともかくー、高坂くん来るとおかずが増えるんだよねー
だからもっと来てよー」
「それが本音かよ」
「えへへー」
そんなこんなでくつろいでいる所へ片付けを終えた黒猫が戻ってくる
「さ、日向、珠希宿題あるんでしょ?お部屋に戻りなさい」
「え~、まだ早いよ~、ね?高坂くん」
「・・あら?聞こえなかったのかしら?」
「は、はいっ、部屋で宿題してきますーー」
「宿題してきます~~」
「・・ね、今日の料理はどうだった?」
「肉料理多めで超美味かった、
えっと、味噌カツっての?初めて食ったけど美味かったよ」
「よかった、お母さんがレシピ送ってくれたの」
「え?また旅行でも行ってるのか?」
「ううん、お父さんね、単身赴任で名古屋にいるから世話しに行ってるの」
「え?あれ?単身赴任って・・?」
「そうね・・いい機会だから言うわね、ほんとはみんなで名古屋に移るはずだったの
お父さんね、孫請けの小さい会社にいたんだけど元請けの会社の人に気に入られて
高く評価されてスカウトされたの、
同業種間で引き抜きされたときに割とあるそうなんだけど
気まずいだろうからと離れた所に1~2年赴任する事があるそうなの」
「・・それで名古屋に?」
「そう、でもね、こんな事があったらしいの」
--- 回想シーン -----------------------------------
「ただいま~」
夜勤明けの母猫が帰ってくる
待っていたかのように日向が駆け寄ってくる
「お母さん大変大変大変~」
「あら、どうしたの?おねしょでもしたの?」
「してないよ!ってか、ずっとしてないでしょ!!」
「冗談よ~、初潮でも来たの?」
「まだだよ!ってそうじゃなくてー」
「ルリ姉に彼氏がいたんだよー」
「あらあら、今度はどんなアニメ?」
「違うよ、本物だよ、リアル彼氏だってばーー」
「・・え?リアル彼氏?ほんとに?」
「うんうん、昨日家に来てたのー」
「あの子ったら・・そんな大事な事なんで言わないのよ」
「ダーリン、ダーーリン!」
「んー、おかえりー、ハニーどうしたー?」
「ダーリン、瑠璃にね瑠璃にね、あの瑠璃にね彼氏がいたんですって」
「んー、今度はどんなマンガだい?」
「ダーリンったら~、あの子に本物の彼氏がいたんですって」
「・・マジ?マジで瑠璃に本物の彼氏が?」
「日向が昨日見たって、家に来てたって」
「た、大変だ、それじゃ名古屋に連れていくわけにはいかないな
ハニー服頼む!会社で土下座してでも頼み込んでくる!」
「それでこそダーリンよ(ハート)」
「ハニー(ハート)」
「ダーリン(ハート)」
二人手をとりあって見つめ合う・・
「お父さんお母さーん」
「あら、いたの?」
「なんだ、いたのか?」
「いたでしょ?さっきからいたでしょ?」
「冗談よ~」
「冗談だって、お前はいじるとほんとかわいいな」
「うーーーーー、ダメだこの親、誰か何とかしてーー」
--- 回想シーン終わり --------------------------------------
「・・・温泉で会ったけど・・親父さんたちって・・そんなだっけ?」
「ええ、ホントはこんな風なの・・いまだにラブラブで・・
ま、まあとにかく、会社に頼み込んで交渉の末
お父さんは予定通り名古屋に
私たちは千葉市に一番近かったここに入れることになったの」
「そ、そうだったのか・・でもこっちに残れてホント良かったな」
「ええ、ほんとに良かった」
「俺と別れたのは名古屋に行くはずだったから?」
「・・うん、他にも理由はあるけど・・・」
「桐乃・・か?」
「うん、桐乃の本心を聞いたらあなたは私より桐乃を選ぶ事わかってたし・・」
「ど、どうしてわかるんだよ」
「でも、桐乃を選んだでしょ?」
「ぐ・・・」
「い、いい機会だから言っとく」
「ダメ、聞かない」
「いいから聞けって」
「やだ!聞かない」
「いいから聞け、一度しか言わないからよく聞いとけ!」
「俺は瑠璃、おまえが好きだ、愛してる!
おまえは俺を永遠に好きだと言ってくれた
俺は・・俺はおまえを未来永劫好きだ!愛してる!
どんなに離れようと
海の向こうだろうと
地の果てだろうと
何度生まれ変わろうとも
絶対迎えに行くから必ず行くから
だから、だから俺のそばにいてくれ!」
「・・・・///」
「・・・ど、どうやって探すの?」
「お、俺達にはソウルリンク(愛の絆)が繋がってるんだろ?
だ、だから多分、大丈夫だ」
「・・・そ、そうね、ソウルリンクがあれば大丈夫・・かも」
「・・き、桐乃の事はどうするの?」
「す、すまん、本心を言えば正直どうしていいか迷ってる・・・」
「でも、おまえは、おまえなら儀式を、何か手を考えてあるんだろ?
俺にそれを手伝わせてくれ、
いや、二人で考えて一緒にやろうぜ!」
「ふたり・・で?」
「そう二人で、
その方がおまえの言う理想の世界に少しでも早く近づけるだろ?
二人でおまえも桐乃も納得出来るよう考えていこうぜ」
「そうね、そのほうが・・・」
「な?一人でやるより二人でやるほうが良いだろ?」
「ま、まあ返事はまたいつかでいいから考えておいてくれよ」
「・・なんだか、いきなりへたれたわね」
「う、うっせ、は、恥ずかしさが限界に来たんだよ」
「やれやれだわ・・でも嬉しかった」
「そ、そか、じ、じゃあ時間も遅いし・・か、帰るわ」
「ま、待って・・帰らないで・・」
「え・・?」
「ち、違うの・・違うのよ・・・違うと言ってるでしょ
へ、変な想像しないで頂戴・・・///」
「そ、その儀式とか、これからの事とか相談したいから・・・
そ、それだけ、それだけなのよ、勘違いしないで頂戴」
「そ、そうだよな、相談すること多いよな・・
じ、じゃあ家に電話するわ」
----------------------------------
「はい・・あんた、こんな時間まで何やってんの?」
(うあ、桐乃が出やがった)
「あ、ああ、実は赤城と遊んでたら話が盛り上がっちゃってさ、
今日泊まってくことにしたから」
「赤城?・・ああ、せなちーのお兄さん?」
「そそ、お袋たちによろしく言っといてくんない?」
「それはいいけどさー、
ちょっとせなちーに代わってくんない?
そこにいるんでしょ?」
(ま、まさか、う、うたぐってんのか?)
「あ、ああ、ちょっと待ってくれるか?」
その時だった
「フォォォーーーーー!!
お兄ちゃん、ほらほらポーズとってとってーーー
ほらほら高坂せんぱいも電話してないでポーズとってーーー
写真取るわよーー」
(に、似てる!魂入ってる!)
「あ、あはは・・瀬菜のやつバリバリ腐女子モード入ってるけど
・・いいのか?」
「い、いいっ!やっぱいい!代わんなくていい!!
お母さん達にはちゃんと言っとくから!」
「わるいな、よろしく頼むわ」
「う、うん・・・そ、その・・・・・・おやすみ」
「お、おう、おやすみ」
---------------------------------------------------------
「さっきはありがとな、助かった」
「どういたしまして」
「しかしホント似てたな、本人かと思った」
「あれくらい出来るわよ、あなた出来ないの?」
「できねーよ!」
「ダメな人ね」
「いや、普通できないから!」
「あら、そうなの?」
「そう、普通そうなの」
・・・・・・・・
・・・・・
・・
そんなこんなで松戸の夜は更けていくのであった
おわり
「おまたせ、温かいうちにどうぞ」
「すっげー、何?なんでこんな豪華な、今日何かお祝いの日だっけー?」
「ほんとに、すごいです~」
「え?そ、そうなのか?確かに豪華だけど・・」
「もしかしてルリ姉なんか良い事あった?
高坂くん心当たりない?」
「・・・変な事言ってないで黙って食べなさい」
(や、やばい、あの目は変にいじると魔王の呪いが発動しちゃうー)
「い、いっただきまーす」
「いただきます~」
「ありがとうな、黒猫」
「ど、どうぞ・・お口にあうと良いのだけれど」
いつもより豪華だったらしい夕食を堪能した後
「ねえねえ高坂くん毎日遊びに来てよー」
「ん?俺に惚れたか?でも無駄だぞ~、俺の心は黒猫で溢れてるからな」
「ちっ、ちが、ってノロケきたあーーっ、
ってかさー、それルリ姉に直接言ってあげればいいのにー
めちゃ喜ぶと思うよ?」
「そ、それは恥ずかしい・・だろ」
「・・ほんと、へたれだねー」
「ほ、ほっとけっての」
「彼女を喜ばせるのは彼氏の勤めだと思うよ?」
「そ、それはそうだろうけどさ、あは、あはは」
「ま、それはともかくー、高坂くん来るとおかずが増えるんだよねー
だからもっと来てよー」
「それが本音かよ」
「えへへー」
そんなこんなでくつろいでいる所へ片付けを終えた黒猫が戻ってくる
「さ、日向、珠希宿題あるんでしょ?お部屋に戻りなさい」
「え~、まだ早いよ~、ね?高坂くん」
「・・あら?聞こえなかったのかしら?」
「は、はいっ、部屋で宿題してきますーー」
「宿題してきます~~」
「・・ね、今日の料理はどうだった?」
「肉料理多めで超美味かった、
えっと、味噌カツっての?初めて食ったけど美味かったよ」
「よかった、お母さんがレシピ送ってくれたの」
「え?また旅行でも行ってるのか?」
「ううん、お父さんね、単身赴任で名古屋にいるから世話しに行ってるの」
「え?あれ?単身赴任って・・?」
「そうね・・いい機会だから言うわね、ほんとはみんなで名古屋に移るはずだったの
お父さんね、孫請けの小さい会社にいたんだけど元請けの会社の人に気に入られて
高く評価されてスカウトされたの、
同業種間で引き抜きされたときに割とあるそうなんだけど
気まずいだろうからと離れた所に1~2年赴任する事があるそうなの」
「・・それで名古屋に?」
「そう、でもね、こんな事があったらしいの」
--- 回想シーン -----------------------------------
「ただいま~」
夜勤明けの母猫が帰ってくる
待っていたかのように日向が駆け寄ってくる
「お母さん大変大変大変~」
「あら、どうしたの?おねしょでもしたの?」
「してないよ!ってか、ずっとしてないでしょ!!」
「冗談よ~、初潮でも来たの?」
「まだだよ!ってそうじゃなくてー」
「ルリ姉に彼氏がいたんだよー」
「あらあら、今度はどんなアニメ?」
「違うよ、本物だよ、リアル彼氏だってばーー」
「・・え?リアル彼氏?ほんとに?」
「うんうん、昨日家に来てたのー」
「あの子ったら・・そんな大事な事なんで言わないのよ」
「ダーリン、ダーーリン!」
「んー、おかえりー、ハニーどうしたー?」
「ダーリン、瑠璃にね瑠璃にね、あの瑠璃にね彼氏がいたんですって」
「んー、今度はどんなマンガだい?」
「ダーリンったら~、あの子に本物の彼氏がいたんですって」
「・・マジ?マジで瑠璃に本物の彼氏が?」
「日向が昨日見たって、家に来てたって」
「た、大変だ、それじゃ名古屋に連れていくわけにはいかないな
ハニー服頼む!会社で土下座してでも頼み込んでくる!」
「それでこそダーリンよ(ハート)」
「ハニー(ハート)」
「ダーリン(ハート)」
二人手をとりあって見つめ合う・・
「お父さんお母さーん」
「あら、いたの?」
「なんだ、いたのか?」
「いたでしょ?さっきからいたでしょ?」
「冗談よ~」
「冗談だって、お前はいじるとほんとかわいいな」
「うーーーーー、ダメだこの親、誰か何とかしてーー」
--- 回想シーン終わり --------------------------------------
「・・・温泉で会ったけど・・親父さんたちって・・そんなだっけ?」
「ええ、ホントはこんな風なの・・いまだにラブラブで・・
ま、まあとにかく、会社に頼み込んで交渉の末
お父さんは予定通り名古屋に
私たちは千葉市に一番近かったここに入れることになったの」
「そ、そうだったのか・・でもこっちに残れてホント良かったな」
「ええ、ほんとに良かった」
「俺と別れたのは名古屋に行くはずだったから?」
「・・うん、他にも理由はあるけど・・・」
「桐乃・・か?」
「うん、桐乃の本心を聞いたらあなたは私より桐乃を選ぶ事わかってたし・・」
「ど、どうしてわかるんだよ」
「でも、桐乃を選んだでしょ?」
「ぐ・・・」
「い、いい機会だから言っとく」
「ダメ、聞かない」
「いいから聞けって」
「やだ!聞かない」
「いいから聞け、一度しか言わないからよく聞いとけ!」
「俺は瑠璃、おまえが好きだ、愛してる!
おまえは俺を永遠に好きだと言ってくれた
俺は・・俺はおまえを未来永劫好きだ!愛してる!
どんなに離れようと
海の向こうだろうと
地の果てだろうと
何度生まれ変わろうとも
絶対迎えに行くから必ず行くから
だから、だから俺のそばにいてくれ!」
「・・・・///」
「・・・ど、どうやって探すの?」
「お、俺達にはソウルリンク(愛の絆)が繋がってるんだろ?
だ、だから多分、大丈夫だ」
「・・・そ、そうね、ソウルリンクがあれば大丈夫・・かも」
「・・き、桐乃の事はどうするの?」
「す、すまん、本心を言えば正直どうしていいか迷ってる・・・」
「でも、おまえは、おまえなら儀式を、何か手を考えてあるんだろ?
俺にそれを手伝わせてくれ、
いや、二人で考えて一緒にやろうぜ!」
「ふたり・・で?」
「そう二人で、
その方がおまえの言う理想の世界に少しでも早く近づけるだろ?
二人でおまえも桐乃も納得出来るよう考えていこうぜ」
「そうね、そのほうが・・・」
「な?一人でやるより二人でやるほうが良いだろ?」
「ま、まあ返事はまたいつかでいいから考えておいてくれよ」
「・・なんだか、いきなりへたれたわね」
「う、うっせ、は、恥ずかしさが限界に来たんだよ」
「やれやれだわ・・でも嬉しかった」
「そ、そか、じ、じゃあ時間も遅いし・・か、帰るわ」
「ま、待って・・帰らないで・・」
「え・・?」
「ち、違うの・・違うのよ・・・違うと言ってるでしょ
へ、変な想像しないで頂戴・・・///」
「そ、その儀式とか、これからの事とか相談したいから・・・
そ、それだけ、それだけなのよ、勘違いしないで頂戴」
「そ、そうだよな、相談すること多いよな・・
じ、じゃあ家に電話するわ」
----------------------------------
「はい・・あんた、こんな時間まで何やってんの?」
(うあ、桐乃が出やがった)
「あ、ああ、実は赤城と遊んでたら話が盛り上がっちゃってさ、
今日泊まってくことにしたから」
「赤城?・・ああ、せなちーのお兄さん?」
「そそ、お袋たちによろしく言っといてくんない?」
「それはいいけどさー、
ちょっとせなちーに代わってくんない?
そこにいるんでしょ?」
(ま、まさか、う、うたぐってんのか?)
「あ、ああ、ちょっと待ってくれるか?」
その時だった
「フォォォーーーーー!!
お兄ちゃん、ほらほらポーズとってとってーーー
ほらほら高坂せんぱいも電話してないでポーズとってーーー
写真取るわよーー」
(に、似てる!魂入ってる!)
「あ、あはは・・瀬菜のやつバリバリ腐女子モード入ってるけど
・・いいのか?」
「い、いいっ!やっぱいい!代わんなくていい!!
お母さん達にはちゃんと言っとくから!」
「わるいな、よろしく頼むわ」
「う、うん・・・そ、その・・・・・・おやすみ」
「お、おう、おやすみ」
---------------------------------------------------------
「さっきはありがとな、助かった」
「どういたしまして」
「しかしホント似てたな、本人かと思った」
「あれくらい出来るわよ、あなた出来ないの?」
「できねーよ!」
「ダメな人ね」
「いや、普通できないから!」
「あら、そうなの?」
「そう、普通そうなの」
・・・・・・・・
・・・・・
・・
そんなこんなで松戸の夜は更けていくのであった
おわり