京介 「!? ――お、お前……黒猫か!?」
黒猫 「せ、せせせ、先輩っ? ……ど、どうしてこんなところに……っ」
京介 「いや、ちょっと知り合いの家がこの近くでな。しかしビックリしたぜ、まさかお前に出くわすとは……」
黒猫 「ひ、人違いではないかしら。私は『黒猫』なんてクールで格好いい名前は知らないわ」
京介 「……さっき『先輩』って言っただろ」
黒猫 「う、うるさいわね……、用事があるなら、さっさと何処かへ消えて頂戴」
京介 「ああ、用事は終わったところなんだ。……その背中の子は、妹ちゃんか?」
黒猫 「……ええ。……買い物に付いて来たのだけれど、途中で寝てしまって」
京介 「そっか。……良く寝ているみたいだが、ちょっと動かしても平気か?」
黒猫 「え?……ち、ちょっと、何をするのよ……」
京介 「――よっと。何となく背負ってみたけど、見た目より随分軽いな」
黒猫 「……全く…・・・、……先輩のお節介はもう病気の域ね。手の施しようが無いわ」
京介 「そりゃ残念だ。残念ついでに、その買い物袋も……っと」
黒猫 「あっ……、か、返しなさい……っ。……そんなに持ったら、重いでしょう……」
京介 「いんや、全然。お前が持てる物が俺に持てないわけないだろ。家まで持ってってやるよ」
黒猫 「……今更断っても無駄でしょうね。……仕方ないから、お願いするわ」
京介 「おぅ、任せとけ」
てくてく
黒猫 「……と、ところで、先輩」
京介 「ん?」
黒猫 「……わ、私のこの姿のことは突っ込まないのかしら? それとも敢えてスルーしているのかしら」
京介 「この姿、って……そのジャージの事か?」
黒猫 「そ、そうよ。……普段の衣装と余りにも懸け離れていて、幻滅したでしょう……?」
京介 「……んー、まぁ確かに驚いたことは認めるが、――別に変じゃないぜ?」
黒猫 「……えっ……」
京介 「普段から、お前って結構家庭的なとこがあるって思ってたからな。むしろ似合ってると思うが」
黒猫 「……それは、褒められているのかしら」
京介 「あれ、言い方が悪かったか。……そうだな、今の姿の黒猫も、何だ、……凄く可愛いと思うぜ」
黒猫 「……っ。……な、何を言うのよ。こ、こんな所で……」
下猫 「ねぇさま、お顔が真っ赤です~!」
京介 「うおっ!?」
黒猫 「っあ、あなた、い、何時から起きていたの……っ」
下猫 「このにぃさまにおんぶされたところからですっ!」
黒猫 「ほ、ほとんど全部聞いていたんじゃないのっ」
下猫 「えへへ、ねぇさまがとても楽しそうだったから、お邪魔したらだめと思って!」
黒猫 「……はぁ、全くこの子は……」
京介 「はは、良く出来た妹ちゃんだな。――っと、まだ名前を聞いてなかったか」
下猫 「あ、わたしの名前は――」
黒猫 「せ、せせせ、先輩っ? ……ど、どうしてこんなところに……っ」
京介 「いや、ちょっと知り合いの家がこの近くでな。しかしビックリしたぜ、まさかお前に出くわすとは……」
黒猫 「ひ、人違いではないかしら。私は『黒猫』なんてクールで格好いい名前は知らないわ」
京介 「……さっき『先輩』って言っただろ」
黒猫 「う、うるさいわね……、用事があるなら、さっさと何処かへ消えて頂戴」
京介 「ああ、用事は終わったところなんだ。……その背中の子は、妹ちゃんか?」
黒猫 「……ええ。……買い物に付いて来たのだけれど、途中で寝てしまって」
京介 「そっか。……良く寝ているみたいだが、ちょっと動かしても平気か?」
黒猫 「え?……ち、ちょっと、何をするのよ……」
京介 「――よっと。何となく背負ってみたけど、見た目より随分軽いな」
黒猫 「……全く…・・・、……先輩のお節介はもう病気の域ね。手の施しようが無いわ」
京介 「そりゃ残念だ。残念ついでに、その買い物袋も……っと」
黒猫 「あっ……、か、返しなさい……っ。……そんなに持ったら、重いでしょう……」
京介 「いんや、全然。お前が持てる物が俺に持てないわけないだろ。家まで持ってってやるよ」
黒猫 「……今更断っても無駄でしょうね。……仕方ないから、お願いするわ」
京介 「おぅ、任せとけ」
てくてく
黒猫 「……と、ところで、先輩」
京介 「ん?」
黒猫 「……わ、私のこの姿のことは突っ込まないのかしら? それとも敢えてスルーしているのかしら」
京介 「この姿、って……そのジャージの事か?」
黒猫 「そ、そうよ。……普段の衣装と余りにも懸け離れていて、幻滅したでしょう……?」
京介 「……んー、まぁ確かに驚いたことは認めるが、――別に変じゃないぜ?」
黒猫 「……えっ……」
京介 「普段から、お前って結構家庭的なとこがあるって思ってたからな。むしろ似合ってると思うが」
黒猫 「……それは、褒められているのかしら」
京介 「あれ、言い方が悪かったか。……そうだな、今の姿の黒猫も、何だ、……凄く可愛いと思うぜ」
黒猫 「……っ。……な、何を言うのよ。こ、こんな所で……」
下猫 「ねぇさま、お顔が真っ赤です~!」
京介 「うおっ!?」
黒猫 「っあ、あなた、い、何時から起きていたの……っ」
下猫 「このにぃさまにおんぶされたところからですっ!」
黒猫 「ほ、ほとんど全部聞いていたんじゃないのっ」
下猫 「えへへ、ねぇさまがとても楽しそうだったから、お邪魔したらだめと思って!」
黒猫 「……はぁ、全くこの子は……」
京介 「はは、良く出来た妹ちゃんだな。――っと、まだ名前を聞いてなかったか」
下猫 「あ、わたしの名前は――」