2ch黒猫スレまとめwiki

◆iImnD8ZhUs

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匿名ユーザー

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8巻後、10月あたりの午後のひとコマです。


「ごめんくださいでござる」

「――こんにちは」

「おう、いらっしゃい。さ、あがってくれ」

今日は久しぶりに4人でうちで遊ぶことになっている。
いや、俺を除く3人では、よくアキバで遊んでいるようだが、
さすがに受験生の俺は最近遠慮がちだったんだ。

だって、受験生なのに勉強もせず、遠出して遊ぶわけにはいかないだろ?
そんな様子を察してか、沙織はうちで一緒に遊ぼうと提案してくれたんだ。
まぁ、半日ぐらいなら気分転換にもなるし、
なにより久しぶりにみんなの顔を見れるのは大変うれしい限りなわけで。

階段の前で俺は沙織に礼を言った。
「沙織、サンキュな。俺に気を使ってくれたんだろ」

「いやいや、京介氏。いつも言っていることではありますが、
 拙者が遊びたいと思って来たのでござるから、
 お礼を言われる筋合いはないのでござるよ」

「むしろお礼なら、最近誰かさんに会えなくて落ち込んでいた
 瑠璃ちゃんに言ってもらいたいものですなぁω」

「な、何を言っているの? 適当なことを言わないで頂戴」
黒猫は真っ赤になりながら怒ったように横を向いてしまった。

「はは、黒猫も来てくれてありがとな。とても嬉しいよ」
黒猫は「別にあなたに会いに来たわけではなくってよ…」などと
ぶつぶつ言いながら一緒に階段を上がってきた。

「遅い。早くあがってきなさいよ」
待ちきれなくなって部屋から出てきた妹様が階段の上で待っている。


その後、俺の部屋で遊ぶことになって、黒猫が何気に俺のベッドに寝そべって
前の時のように桐乃にニードロップをくらっていたり、
参考書の間に挟んであった○○本が見つかって
あわてて隠そうとしたけれど間に合わず、みんなに本当に勉強しているのかと
問い詰められたりしていたのだが…

「ブルブルブル…」
おっと、俺の携帯がメールを着信したようだ。
どうせ勧誘か売り込みの迷惑メールなんだろうけどな。
俺は携帯をポケットから取り出して画面を覗き込んだ。

それを後ろから見ていた黒猫だったのだが、
「ふっ、京介、ちょっとあなたの携帯を貸して頂戴」
と言いながら手を差し伸べてきた。

俺は頭に?を浮かべながら携帯をわたすと
「はぁ、やはりあなたには調教が必要のようね」
などと言って、黒猫は一瞬自分の携帯を弄ったかと思うと、
俺の携帯をなにやら操作しはじめた。

「おい、俺の携帯でなにやってんだ?」

黒猫は携帯を眺めて「ふっ…」と満足気に微笑んだ後、
顔を赤くして俺から目をそらしながら携帯を返してきた。
「言ったでしょう、あなたには調教が必要だと。ハイ、返すわ」

俺は携帯を受け取ったのだが、
「ぶっ、こ、これは…」
なんと、俺の携帯の待受けが、黒猫…いや、あの神猫の写真に変わっていた。

「ちょ、なにやってんの? これはいったいどういうこと?」
横から覗き込んでいた桐乃が黒猫に問いただす。

「だから調教と言っているでしょう。
 あるいは儀式の続きと言ってもいいわ」

「まさかとは思っていたけれど京介の携帯の待受けが
 未だにあなたの写真だったとは、迂闊だったとしか言いようがないでしょう」

「ワケわかんない。なんでアンタの写真にする必要があるワケ?
 そもそもこの白いゴテゴテしたカッコは何」

「聖天使の衣。闇の眷属から転生した私の姿」

「て、転生って、意味わかんない」

「私が京介と出会って、手と手を取り合い、この世界に顕在化したときの写真よ」

おい、ちょっと待て黒猫。
お前は今、ものすげー恥ずかしい科白を言っているぞ。
聞いている俺のほうが耳を塞ぎたくなるくらい。

「鼻血出してぶっ倒れたくせに」
ねぇ、何で妹様はそんなことまでご存知なの?エスパーなの?

「な…そ、そんなことは関係ないわ。
 と、とにかく、京介の携帯はこの私の姿を映していなくてはならないのよ」

「ふん、何言ってんのよ。ちょっとアンタの携帯貸しなさいよ」
そう言って桐乃は俺の手から携帯をひったくった。

「アンタの携帯は、可愛い妹の写真に決まってんだから」

「ちょっと、勝手に人の携帯を弄らないで頂戴」

「ハァ? そもそもアンタが人の携帯の待受けを勝手に変えたんでしょ」

二人は俺の携帯を奪い合いながらキャットファイトを始めてしまった。
それを眺めていた沙織も「くっくっく…」と笑いをこぼしている。
もう、どうにかしてくれ。

たまらず俺は二人に言ってやったよ。
「オイ、そろそろいい加減にしてくれよ」

「何言ってんの。アンタがハッキリしないからじゃない」

「そうよ、どちらにするかはっきりして頂戴」

「うぐっ…」
俺が言葉に詰まってしまってシドロモドロになっている脇で
とうとう沙織は腹を抱えて大きな声で笑いはじめた。

いや、俺は確かにヘタレで情けない奴だという事は自覚しているけどよ、
急に怒りの矛先をこっちに向けて共同戦線なんて、
どうして俺を弄る時だけ気が合うんだよ、この二人は。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。二人とも落ち着くんだ。
 そうだ、沙織もなんか言ってやってくれよ」

「なんと、京介氏。拙者にも参戦の許可を与えてくださるのか。
 ならば取って置きの拙者のナイスバディの写真を選んで待受け画面に…」

「なわけねーだろ! お前まで一緒になっちゃってどうすんだよ」


で、結局俺の携帯の待ち受けは、桐乃、黒猫、沙織の三人が写った写真になった。
そう、初めてアキバで出会った日にマックで撮った写真。
親父にビビリながら、桐乃のオタバレをどうにかしたときに使ったあの写真さ。

まぁ、なんだかなぁって感じではあるが、
俺としちゃぁ、とても気に入った待ち受け画面だよ。

後日談として、後で赤城に見られて、
苦しい言い訳をする羽目になったんだけど。

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