2ch黒猫スレまとめwiki

◆iImnD8ZhUs

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だれでも歓迎! 編集
―制服―


今日、家に新しい制服が届いた。

これまでは前の学校 ――あなたのいる学校ね―― の制服を着ていて、

今まで人と違う制服だったので、なんだか浮いてしまってる感じがあったのだけど、

これでやっと新しい学校の生徒の一員になれる気がするわ。

でも、新しい制服になることで、

あなたとの接点がまたひとつ消えてしまうような気がして……

そんな少し複雑な気持ちで袖を通してみる。

胸の大きなリボンがポイントの清楚な感じの制服。

ちょっとお嬢様っぽい?

「フフッ……」

そういえばあなたは、沙織の制服姿を見て愕然としていたわね。

私も相当にびっくりしたけれど、あなたはそれ以上に驚いていたというか……

むしろそうね、あの時のあなた、目の色が変わっていたわ。

確かそう、沙織に目の前で見つめられて固まっていたわ。

「――ちょっとムカつくわね。」

べ、別に妬いているわけじゃないのよ。

でも……もしかすると、あなたは清楚なお嬢様がツボなのかしら?

「破廉恥なオスね……」

そういえば私の白いワンピースも褒めてくれたわね。

「あれもお嬢様っぽいって言っていた気がするわ。」

なら、この制服姿もあなたに見せてあげないと…

そうしたら、あなたはどんな反応をするのかしら?

「ククク…… 前のときは『新鮮でいい』なんて言ってたけど、

 今度はなんて言ってくれるのかしら?」

鏡の前で片足立ちになり、手の甲をピンとそらして、いつものポーズをとってみる。

「『黒猫、似合っているよ』なんて言ってくれるのかしら?」

「それとも、沙織のときのように目の色を変えて固まってしまうのかしら?」

「フフフ……」

そんな感じでニヤニヤとしていたら、後ろから視線を感じた。

「姉さま、綺麗……」

「あー、ルリ姉。き、気にしないでいいよ、私たちのことは。」

ど、どどどどういうこと?

見られた? もしかして今の様子を見られていたということ?

「あ、あああ、あなたたち、ど、どうして?」

「だって姉さまの声が聞こえてきたのですもの。」

「えっとー、ルリ姉? 高坂くんに見せたときのこと、想像してたんでしょ。」

なに? 私、もしかして声に出ていたの?

か、顔が熱い……

「ち、違うのよ。これは違うの……」

わ、私ったら何を言っているの? と、とにかく何か言い訳を考えないと……

「大丈夫だよ、ルリ姉。さっきみたいにドヤ顔で高坂君に見せてあげなよ。」

「ど、ドヤ顔って…」

「平気、平気。高坂君ならルリ姉がどんな格好してもべた褒めしてくれるよ。」

「ほめてくれます~」

「ちょっと待って頂戴。どんな格好でもって、どういうことかしら?」

「おっと、なにやら不穏な空気? 珠希、ここらで退散するよ。」

「たいさんです~」

「ちょっと待ちなさい……って、行ってしまったわ。」

ふぅ、なんだか何をしていたのか分からなくなってしまったわ。

でも、あの子達のおかげで踏ん切りがついたみたい。

そうね、千葉に買い物があるとでも言って電話でもしてみましょう。

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