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長電話:40スレ目589-591(中編)

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kuroneko_2ch

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長電話が気になって想像力で描いてみました


桐乃「えっ……あ、あんた今なんて言ったの」
黒猫「──あなたのお兄さんに告白してもいい?」
桐乃「あなたのお兄さんって…あいつに!? なんで、どうしてよ」
黒猫「す……」

一瞬、小さく深呼吸したのが受話器越しにわかった。

黒猫「好きに……好きになってしまったからよ」
桐乃「ちょっとタンマ! 冷静になりなよ、あいつは確かに背はそこそこ高いし太ってもいないけど、ルックスは並でデリカシーはないしお節介やきで平凡な──」

桐乃「あ……そうか、わかった。あんた今までクラスメイトとかに避けられて友達居なかったでしょ、ちょっと酷い言い方になるのは謝るけど刷り込みみたいなもんじゃないの」
桐乃「あんたの趣味を嫌わないで、一緒にいてくれる初めての男友達。それに少し優しくされたからあんたは好きになったって勘違いをしてるんだと思う」

黒猫「──否定はしないわ……いいえ、しないのではなく”できない”と言ったほうが正確かもしれないのだけど」
黒猫「私はあなたの言うとおり友達はいなかったし、今までの人生で好きになった人もこの世界にはいなかった」
黒猫「男友達も初めてで男の人を好きになったのも初めてだから……これがあなたの言うとおり勘違いなのか、それともそうではないのかを判断する経験材料が無いのよ」

桐乃「だったら!」
黒猫「──でもね」

黒猫「でもね。 あなたの言う少し優しくされたというものは、きっと──ごめんなさい、私は推測でしか言えないけれど、誰にでもできるものではなかったと思うの」
桐乃「……あたしが居なかった間のこと、ある程度は沙織やあんた達から聞いてる。でも、あたしの知らないこともまだあるってわけ?」
黒猫「あなたのお兄さんが何を話して何を話していないのかは知らないわ。でも、確かにあなたの知らない出来事もいくつかはあるのだろうけれど、それは話さなくてもあなたには解っていると思う」

桐乃「は? あたしはエスパーじゃないんだから解るわけないじゃん」
黒猫「私が他人から否定された時に本気で怒ってくれたわ。押し付けがましい。お節介だって思うこともあったけれど、困っていることがあったら自分の負担を構わずに私のために行動してくれた」
黒猫「全部──あなたが今までされてきた事で、きっとあなた以上の事をされたわけではないのでしょうけれど。誰にでもできる事ではないと思うのよ」

桐乃「……」
黒猫「私は、あなたのお兄さんともっと一緒にいたい。私のことを好きになってほしいと思っているの。告白することはとても怖くて、どちらを選んでも後悔しそうで堪らないのだけれど」
桐乃「あんたに震えながらそこまで言わせるのって、今回あたしがバカをやったから?」
黒猫「後押しはあったかもしれないわ。私も素直になろうと思ったのはあなたを見ていたからだから……でもね、半分は私本人の事情でもあるのよ」

桐乃「うまくいくって思ってんの? あいつのエロ本とかの趣味は……沙織たちの前で面白半分でバラした事はあったけどあんたとは対極のタイプだけど」
黒猫「……っ。正直なところ、自信はないわ」
黒猫「振られてしまったら、今までどおりあの人と顔を合わせて4人で遊べる精神的な自信がないのよ」
黒猫「それなら、今までどおり友達として4人で遊べる関係のままで傍にいられたらとも思うけれど。きっとそれも後悔することになると思う」

桐乃「自信はなくて、あたしたちと疎遠になっても……ね」
桐乃「……いい──よ」
黒猫「……え?」
桐乃「いいって言ったの! 今のあたしたちの関係がなくなっても良いのかとか、何であたしに許可を取るのかって問い詰めたいけど!」
桐乃「あたしだってあんたの事少しは解ってるつもりだし、返ってくる答えも想像できる!」

黒猫「ありがとう。あなたにそう言って貰えて良かった」
黒猫「もし──駄目だったら。姿を消す前にあなたには連絡するわね、笑って頂戴」
桐乃「そんな悪趣味じゃないっての。しばらく顔を合わせ辛くたって少し経ったら戻ってきたらいいじゃん! ……とりあえず、これから沙織にも謝りの電話をしないといけないの。そろそろ切るよ」
黒猫「そうね、沙織には心配ばかりかけてしまっているし私からも後で電話をしておくわ」

桐乃「──じゃあね」
黒猫「ええ…………」

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