被災地ではインフラの復旧とともに燃料不足がなお課題として残っている。塩釜港など太平洋側の港に石油タンカーが入り始めたほか、首都圏から鉄道で盛岡へ輸送し、同様に新潟から郡山に運ぶルートもできた。ただ量には制限があり、被災地の隅々までは依然行き渡らない状況だ。
宮城県の村井嘉浩知事は28日の記者会見で県内のガソリンの調達状況について「思ったより時間がかかっている」と指摘した。被災前の1日当たりの県内でのガソリン消費量は約3600キロリットル。以前よりも状況は改善しているが、現在の1日あたりの調達規模はガソリンで2000キロリットルほどとみられ需要量には届かない。タンクローリーもまだ不足している。村井知事は「引き続き燃料確保に努める」とした。
価格も上昇気味だ。岩手県による調査によると、価格の平均はガソリンが1リットル155円、灯油(店頭販売分)は18リットル1675円。石油情報センターや県の調査では、震災前の2月の平均価格からガソリンが17円、灯油は160円それぞれ値上がりした。
(日本経済新聞 2011/3/29 0:04)
最終更新:2011年03月29日 16:33