妊婦の健康管理
- 痩せと肥満
- 妊娠を維持し、健康な子供を産むためには妊娠前より栄養、健康面で気を付ける必要がある
- 無理なダイエットによる痩せは無月経になることが多い
- 肥満しすぎは月経不順を引き起こす
- 適正なBMI:21~22
- 健康を維持するためにはバランスのよい食事が重要
- ビタミン、ミネラルの十分な補給が大切
- 健康診断
- 母体の健康と胎児の順調な発育の為に健康診断が必要
- 妊娠初期~23週目:4週間に1回
- 妊娠23~35週目:2週間に1回
- 妊娠36~出産:1週間に1回
- 妊娠前期の食事
- つわりは妊娠前期に大部分の妊婦にみられる症状
- ⇒妊娠経過が順調であることを示すもの
- 妊娠16週頃には消失
- つわりの時の食事はあまり神経質に考えず、食事の回数を多くするなど体調に合わせて食べることが大切
- つわりの症状が消える頃に食欲が出てくるが、肥満には注意が必要
- 妊娠中の体重増加の目安は10kg程度
- ※体重の急激な増加で浮腫が見られる場合、妊娠高血圧症候群の可能性あり
- 妊娠時には油脂類、動物性食品の摂取は控え、植物性食品の摂取を心がける
- 痩せすぎや体重増加が少ない場合は胎児の発育遅延や死亡率が高くなる
- 又、胎児期の栄養状態が悪いと、出産後の高血圧、糖尿病発症に影響あり
- ⇒低体重、過体重に注意し、適正体重維持を心がける
- 妊娠後期の食事
- 妊娠後期は血漿の増加により、組織に水分が貯留して正常な妊婦でも5~6割に浮腫が見られる
- 正常な場合は下肢に限定されるが、全身に浮腫がある場合は心臓、腎臓の疾患が考えられる
- 又、胎児の代謝物の排出が増加する為、腎臓の負担は大きい
- ⇒尿たんぱくの排泄が増加
- ⇒尿たんぱく正常値:30mg/100mL以下
- 尿たんぱくが基準値以上の場合は塩分摂取、エネルギー摂取に注意して妊娠高血圧症候群の予防を行う
- 妊娠後期は血漿の増加と比較して赤血球の増加が少なく、妊娠貧血を起こしやすい。
- 鉄を多く含む食品だけでなく、鉄の吸収を高めるビタミンCの同時摂取を心がける。
- また、胎児の発育が著しく、子宮により胃が圧迫されて1回の食事量が減少する
- ⇒数回に分けて摂取するなど栄養の十分な補給を心がける
- 喫煙・飲酒・嗜好品
- 喫煙
- 20歳代の女性の喫煙率は20%(他の世代と比較すると高い)
- 若い頃からの喫煙が週間になるとニコチン依存症になりやすく、禁煙は困難になる
- 更に卵巣機能低下、癌、動脈硬化など身体に悪い影響を与えるので禁煙の指導が必要
- 喫煙は前置胎盤の発症、早産、周産期死亡率を高め、低体重の出産率が高くなる
- 本人が喫煙しなくても煙を吸うことで喫煙と同様の危険がある
- 飲酒
- 飲酒も適度であれば健康に影響を与えないが、過剰な摂取は高血圧、心疾患の発症リスクが高くなる
- アルコールや代謝産物のアルデヒドは胎盤を通じて胎児に影響を与える
- 過剰な飲酒により遅延発達の遅延、臓器の奇形を伴うとアルコール症候群を起こす可能性が高い
- 嗜好品
- カフェインはコーヒー、紅茶、緑茶など嗜好飲料中だけでなく、風邪薬、鎮痛剤などに含まれている
- 大量に摂取すると胎児の発育に影響を与えたり、自然流産を起こしやすい
- 運動
- 運動不足により妊婦の肥満が増加するので妊娠中に運動することが勧められる
- 妊娠時に適している運動条件
- 1.母体と胎児にとって安全
- 2.継続して行うことが出来る
- 3.楽しく行うことが出来る
- 運動は精神、身体の両方に良い影響を与える
- しかし、妊娠中の激しい運動は胎児への酸素供給不足で低酸素血症を引き起こす可能性があり、非常に危険
- 早産や流産の兆候がみられた場合は中止しなければならない
- ※運動を実施する場合は医師の指示に従う
- 薬剤
- 妊娠中に薬剤を使用すると胎盤から胎児に移動することにより、胎児に影響を与える
- 器官が発生し、形成される臨界期(妊娠4~16週目頃まで)の服用で、胎児の奇形の発生や死亡が多くみられる
- 薬剤の使用には、医師の指示に従うことが必要
最終更新:2011年03月18日 18:14