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時間軸

2009年

  • 妃芽薗学園設立
  • 夏休み明けに蓮柄まどかが転入
  • (蓮柄まどかと同時期に、耶南蝕を追って、人里ハジメも転校してくる)
  • 蓮柄まどかが何者かに殺害される(血の踊り場事件の始まり)

2010年

  • 模倣犯の出現もあり、血の踊り場事件が日常化する
  • 学園が監獄化する
  • 女祁哀生が、自警組織(後の番長グループ)の発足を訴える
  • 番長グループが生徒会によって認可され成立
  • 女祁哀生が耶南蝕に殺され、耶南蝕は、女祁哀生に成り代わる
  • 湊乃照――転移
  • その年の終わりに、女祁哀生に成り代わった耶南蝕が、番長グループに殺される
  • 番長グループの認可が撤回される

2011年

  • この年の暮れ、番長グループの認可を巡る生徒会との交渉が決裂する

2012年

  • 魔人能力が完全に封じられていないという事態に、生徒たちのほとんどが気づく
  • 生徒会が夜間の出歩きを全面禁止する
  • 番長グループがそれを拒否し、夜間に小競り合いが頻発する
  • 両陣営で死者が発生し、小競り合いが殺し合いへと激化する

2013年

  • 転校生が召喚され、事態の収拾が図られる
  • その年の暮れには、夜間の殺し合いが日常化する

2014年

  • 湊乃照――希望崎学園付近へ転移され、希望崎学園にて死亡
  • 現在

プロローグ「妃芽薗学園編」

生徒会

 妃芽薗学園における自治組織。
 自治組織とは言っても、業務内容自体は、一般の学校における「生徒会」と何ら変わりは無かった。あの事件が起こるまでは……。 

血の踊り場事件

 学園内で突如として発生した、謎の連続殺人および殺人未遂事件。また、便乗した模倣犯の犯行などもこれに含まれる。
 最初の犠牲者である「蓮柄まどか」の死体発見場を指して、このように呼ばれるようになった。(蓮柄まどかの遺体は学園側が回収している)

 生徒会は、この事件以降、他の魔人学園と同様の役割を担うことになる。だが、生徒たちの期待に反して、生徒会は犯人どころか事件の手がかりすら見つけられず、生徒たちの不安と疑念は増大していく事となる。

最初の事件の裏
 蓮柄まどかが、つぶらを踊り場に呼び出し暗殺を図っていた。
 つぶらとまどかは、学園において、以前にも接触があり、つぶらは、まどかに対して、自分たちの出生やこの学園の秘密、さらには自身の能力についてまで、ぺらぺらとしゃべっていた。
 まどかはつぶらの自分へのその信頼に付けこんで、つぶらにフィールドを弱めさせる。そして、自身の能力を発動させ、つぶらに呪いをかけた。

 だが、結果的にまどかは死に、つぶらは生き残る。しかし、まどかの呪いの進行を食い止めるために、つぶらは、まどかを生前の姿のまま維持する必要があった。

 つぶらは、その女性の肉体やその死を意のままに操る能力を、父親から受け継いでいる。ただし、つぶらの場合は、血の繋がりとその女性の胎内に入る必要があった。
 つぶらは、まどかの胎内に入り、まどかの肉体を生前のまま維持しようと図る。
 つぶらの高二力フィールドは中二力の分解と、中二力の残滓の浄化という二つのプロセスから成り立っている。そのうち残滓を浄化する働きは、まどかの肉体を維持することに対して、多くの力を割いてしまったために弱まっている。

 それによって、以降、妃芽薗では一部の魔人は、特定の状況下において魔人能力の発動が可能となった。また、つぶらの暗躍はこれ以降も続いたため、妃芽薗学園はさらなる混乱に陥っていく。

番長グループ

 生徒たちが、自主的に結成した自警組織。
 希望崎学園に習って、番長グループと名乗っている。希望崎学園や他の魔人学園と異なる点は、正式な手続き(生徒会の認可の元)に則って結成されたという点である(ただし、生徒会と対立後は、その認可も撤回されている)。

 生徒会が手をこまねいている間にも、血の踊り場事件の犠牲者はどんどん増えていった。
 生徒会の一書記に過ぎなかった女祁 哀生(めぎ-あいみ)は、そのような状況の中で、自らが属するはずの生徒会の動きの遅さを徹底的に批判し、生徒たちによる自警組織の結成を訴えた。
 生徒たちの大半が彼女の声に賛同したため、生徒会も認可を出さざるを得なくなる。
 結成された自警組織は、希望崎学園などの他の魔人学園に習って、番長グループと名乗る。
 このような経緯があり、女祁哀生は、生徒会の中で完全に疎まれ孤立するが、番長グループには属さず生徒会に在籍し続けた。

女祁 哀生

 女祁 哀生(めぎ-あいみ)
 猟奇殺人の嗜好を持つ少女。血の踊り場事件において、蓮柄まどかの死体の第一発見者。
 自らの衝動を抑えるために、この学園に入学した。入学前は、転校を繰り返しており、行く先々で通り魔的に人を殺していた。
 転入先で、親切にも最初に自分に話しかけに来てくれたクラスメイトを、誤って殺してしまった出来事を機に、もう決して人を殺さないと誓う。

 学園に張られたフィールドの影響もあってか、彼女の殺人衝動も、最初の内は落ち着いていた。しかし、血の踊り場事件において、蓮柄まどかの死体を目撃して以降、たびたび、忘れかけていたその衝動に襲われるようになる。

 番長グループの結成を訴えたのも、自らの衝動が破裂してしまった時のために、少しでも対策を打って置きたかったから。
 しかし、それよりも大きな理由がある。彼女は学園側が何かを隠している事実に気づいており、立場上は学園側の組織である生徒会を、全面的に信頼することができなかったからである。しかし、それでも生徒会に在籍し続けたのは、学園に近い立場から、学園の暗部を見極めるためでもあった。

 後に、血の踊り場事件において模倣犯が現れた際には、独りでそれと対峙し「対話」を試みる。
 しかし、自身の殺人衝動に打ち勝ち、自らに課した誓いを守ってしまったために、逆に殺され、姿や能力をコピーされてしまう。

「私は、もう……。誰も、殺さない」

耶南 蝕


『じゃあ、死んどけよ――』

 耶南 蝕(やまなみ-むしば)。妃芽薗学園に忍び込んだ希望崎学園の元男性教師。
 食した人間の身体の部位と能力、そして記憶や癖までをもコピーし、その人間に自身が変身することができる。その人間に完全に成り代わるためには、身体の全ての部位を食べる必要がある。
 制約はともかく、割とありふれた能力。この能力の最も厄介な点は、死亡しても解除されない点である。
 血の踊り場事件の模倣犯の一人。
 女子生徒の姿で妃芽薗に潜入し、血の踊り場事件に便乗して快楽殺人を繰り返していた。

 犯行を女祁哀生に目撃される。しかし、彼女の強い意志に付け込んで、彼女を殺し、その肉体を喰らうことで、彼女に成り代わる。
 以降、彼女の姿で殺人を繰り返すようになる。

 しかし、それによって調子付いたのか、彼の犯行はあまりにも大胆になって行った。そのため、蝕は番長グループのメンバーによって嵌められ、殺されてしまうことになる。

湊乃 照

 湊乃 照(みなとの-あかり)
 女祁哀生のルームメイトであり親友だった。普段は比較的穏やかな性格の少女。『怒り狂った消しゴム~フーリアス・イレイザー~』と呼ばれる魔人能力を持つ。
 制約として、能力使用後に自分がかつて通ったことのある場所のみとは言え、ランダムな場所へと強制的に転移(テレポート)してしまう。
 しかも、この転移にはタイムラグがあり、長いときは数年以上ものタイムラグが発生する。
 彼女が発動を躊躇うのはそれが理由でもある。以前は、発動から二年後の世界に飛んでいた。
 小学校の頃、怒りにまかせて魔人に覚醒し、自らの魔人能力で、無関係な人間や、自分にとって大切な友人らまでをも、殺めてしまった過去を持つ。

 彼女も、女祁哀生と同様、自らの魔人能力を抑えるために、妃芽薗への入学を決めた。
 女祁哀生の殺人衝動の秘密も知っており、それでも二人は親友だった。

 だが……。

 女祁哀生が、耶南蝕と入れ替わってしまって以降、彼女は女祁哀生に対する不信感を強めていく。

 そして、彼女をこっそりと見張るようになり、女祁哀生の姿で、殺人を行う耶南蝕の姿を目撃してしまう。
 女祁哀生が、耶南蝕と入れ替わっていることを知らない彼女は、自首するように彼女を説得する。
 耶南蝕は、そんな彼女の不意をついて、彼女に致命傷を負わせる。
 大量の血を流しながらも、彼女は、そこから逃げ出す(耶南蝕は逃げる少女を追いかけて殺すという性癖も持っている)。
 そこで、彼女はイグノアド・レジストリによって出現した「影」が、クラスメイトの一人を闇の中に引き摺りこみながら、ミキサーのごとく文字通りその肉体を「破壊」していく現場と遭遇する。

 幸か不幸か、彼女は恐怖のあまりに、衝動的に魔人能力の発動を試み、そして、それがフィールドの分解作用の穴を抜けて発動してしまう。

 それによって、彼女は強制転移し、妃芽薗学園の外へと飛ばされる。そして4年後に、希望崎学園に現れる事となった。

生徒会と番長グループ


 耶南蝕が女祁哀生の姿のまま、死んだことで問題が起こる。誰もが、女祁哀生が真犯人もしくは模倣犯だと確信したのである。

 番長グループは、女祁哀生がずっと生徒会に在籍し続けていたことを取り上げ、彼女と生徒会の係わりを怪しみ、今まで女祁哀生を野放しにしてきた生徒会を糾弾した。
 一方、生徒会は、女祁哀生を擁護する。
 番長グループの発足を巡って、女祁哀生は生徒会の中で疎まれるに至ったが、それでも女祁哀生は人格者であり、彼女と距離が近かった生徒会だからこそ、女祁哀生を心の底では認め、信頼し、理解していた(だが、湊乃照よりも遠い場所にいたため、微妙な変化には気づけなかった)。
 それゆえに、むしろ生徒会は、番長グループが何の弁護の機会も無く、女祁哀生を、殺したことを問題にする。そして、番長グループに対する認可を撤回した。
 番長グループからしてみれば、女祁哀生は現行犯である。彼らは自らの命を危険に晒してまで、事件の解決に尽力した(実際、番長グループからは何名も犠牲者が出た上に、そのとき殺しておかなければ、さらに番長グループ側の犠牲者は増えていた)。にも係わらず、生徒会からそのような対応をされたことに対して、彼らが納得など出来るはずもなかった。

 このやり取りが契機となり、生徒会と番長グループの間には、決定的な亀裂がもたらされる。

 はじめこそ、水面下で穏便な話し合いが行われてはいたが、1年後にはそれも決裂した。
 番長グループは生徒会の認可無しで、夜間の学園の警備を行い始める。

 また、その頃には、何らかの条件が整えば、自らの魔人能力が発動できるということが、学園全体で認知され始めていた。

 条件さえ整えば、この妃芽薗でも魔人能力が使える――。その事実が、生徒たちに与えた影響は大きかった。
 生徒たちの中には夜間に出歩く生徒の存在を恐れる声もあり、その声は大きくなっていった。
 元々、夜間の外出自体が禁止だったこともあり、生徒会は、番長グループにもそれを守るよう命じる。

 番長グループは、それを事実上の解散命令と認識し、それを拒否する。
 それを受けて、生徒会は、夜間の出歩きを発見しだい、番長グループのものであろうと、その生徒を拘束し尋問するという通達を彼らに行う。
 番長グループは、今までの経緯もあってか、その通達を黙殺し、夜間の学園の見回りを続行した。
 当然、夜間において、生徒会と番長グループは衝突することとなる。
 生徒会と番長グループは、はじめの内は些細な小競り合いだけで済んでいた。しかし、両陣営に死者が出てからは、魔人能力や固有技能を用いた完全な殺し合いへと、それは化していく。
 さらに1年後には、それが夜間において日常化する。

妃芽薗

妃芽薗学園

 中高一貫の全寮制の新設の女子校。
 男子禁制で、ほとんどの生徒が小学校を出て以来、男性を見たことがない。
 ただ、平均的な男性よりもずっとカッコいい(または素敵な)女性が、この学園には非常に多く存在するため、女生徒同士で付き合うことも珍しくない、というか普通である。
 男子への憧れを口にする声は聞かれない。しかし、人里ハジメが現れた際には、学園中が湧き、寄ってたかって彼を追いかけまわした。そのため、イケメンへの耐性は低いと思われる。

 まだ卒業生は出ておらず、今年はじめて卒業生が出る。
 魔人学園といっても、表向きは些細な小競り合いも無く、開校以来ながらく平穏であった。

 しかし、実情は夜間の生徒の殺傷事件が跡を絶たず、その規模は年々拡大していった。
 学園側は転校生を召喚し、争いを沈静化および、その原因を調査しようとした。
 だが、原因を突き止めぬうちに、多くの転校生はそのまま失踪してしまう。

 生徒たちの魔人能力は、学園を覆うフィールドによって封じられている。そのなのに、なぜ争いが起こる……。学園側は頭を抱えた。

 だが、学園側のその態度にこそ裏があるとは、生徒たちの誰もが気づいていない。


女装

妃芽薗における男子の正装。
外部から来訪する男子は、皆、校門において女装に着替える。

高二力フィールド

 学園の地下深くより発生している魔人の能力を抑え込み、打ち消すフィールド。
 どのような仕組みでこのフィールドが発生しているのかは不明。
 ちなみに、打ち消すと言っても、完全に消し去るわけではない。打ち消された中二力はフィールドによって分解され、中二痕へと姿を変えて周囲を漂う。
 その中二痕の残滓の濃度が高まると、フィールドの持つ分解作用が上手く働かなくなる。結果、フィールドは、より大きな魔人能力から発せられる中二力しか分解できなくなり、より小さな魔人能力では、その発動を許してしまう。。
 一部の教師たちの間だけで伝わっている噂によると、このフィールドはある少女の能力により発生しているとか。
 しかし、一人の少女の能力で、学園全体を覆えるとは、にわかに信じがたい。

 このフィールドに慣れていないものや、高二力に対する耐性の低いものは、軽度な「高二病」を併発してしまい、魔人としての身体能力やメンタルが低下する。

転校生

 学園側が「問題解決のため」と称して呼び出している。
 しかし、これによって事態は逆に混乱させられている。

神隠し

 学園内で起こる謎の失踪事件。
 これと平行して、犯人不明の殺人事件および殺人未遂事件も発生している。
 これの影響か、精神的に病む生徒も多く、事件が事件を生む状態。

 夜間に行われる殺し合いも、元はこれが原因で起こったもの。
 学園側はこの事情を外部に対して一切伏せ、生徒たちを学園の中に閉じ込めている。
 生徒たちには、犯人を外に逃がさないためであるという理由をつけて。

契約先生ノンべえ

 人外。性別はあるようで無い?
 妃芽薗の(ある意味で)マスコット的存在。
 魅瀧胎での騒動は、ここ妃芽薗では周知の事実である。
 新任の挨拶の折に「僕と契約して、魔法少女になってよ!」と、壇上で呼びかけた際には、全校生徒が冷笑を浮かべた。(ただし、数日ほど前にとある理由からこちらに転入していた『山乃端一人(=)』は、その事実を知らず、のこのこと契約しに行った。山乃端一人は、その後魔女化するが、夜な夜な繰り返される争いに巻き込まれて消滅する。)

 安子(やすこ)先生に何度もアタックをしかけているが、ことあるごとに契約契約言うので、「それには及ばないワ」と、安子先生にはそっぽを向かれてしまう毎日。
 生徒らからは、陰で「淫獣」と呼ばれている。

安子=サークル=フレイム(安子先生)

 安子(やすこ)。
 日本人の父親を持つ。
 英語教師。美人。日本語が上手。

人里ハジメ

 耶南蝕を追って、妃芽薗に現れた転校生。
 黄色い悲鳴とともに、学園中を追い回され、精神衰弱に陥り行方を眩ませている。

希望崎

希望崎学園

 戦闘破壊学園ダンゲロスとも呼ばれる。
 本来は、誰もがその名を聞いただけで震え上がる魔の巣窟であり、一度足を踏み入れれば、二度と生きてそこから出ることはできないとまで噂されていた。
 しかし現在は、変態の巣窟と化し、さらには野生動物などまでもが闊歩している。

 五月、六月と勃発した二度のハルマゲドンによって、派手で目立つ能力を持った魔人たちは、そのほとんどが戦闘に駆りだされ犠牲となった。
 さらに決定的であったのが、先月に発生したハルマゲドンである。
 それにより、比較的地味な能力であった魔人たちまでもが、戦闘に借り出されてしまう。

 ハルマゲドン終結後、学園における魔人の数は激減し、学園は今までに無いほどに平和ボケしている。

生徒会長 -絶 輪夜-

 ビッチとレイパーしかいない、とまで言われた、かつての希望崎学園の復興を夢見る生徒会長。ピンクローターをお守りのように身につけている。
 就任してから一週間しか経っていない。臨時の生徒総会で当選した。
 海楽 尚が現れるまで、絶倫の輪夜(ぜつりん-りんや)と呼ばれ、恐れられていた。(海楽も、彼と同時期に番長へと祀り上げられている)
 レイパーであることを除けば、比較的ノーマルな性的嗜好を持つ。
 彼自身も絶倫であるが、彼とセックスしたものも、その晩に限り絶倫となる。
 セックスにまつわる数多くの自伝を誇っているが、それに反してセックスは超ド下手。

 希望崎の番長である、海楽を至上のライバルであると名指し、事あるごとに、海楽の邪魔をしている。
 海楽はそれに対して彼を全く相手にしていない。

 変態の巣窟となった希望崎を元に戻すための足がかりに、妃芽薗を自分色に変えてやろうと単身乗り込む。
 と生徒会のメンバーには告げていたが……。

 ある日、透明人間の少女と街角でぶつかり、押し倒してしまう。肉欲ばかりを求めていた彼にとってそれが初恋である。
 それ以来、彼女のことが忘れられず、あちこちを捜索して回っている。
 ちなみに、その少女の正体が、海楽であるということに彼は気づいていない。

 というのは、生徒会のメンバーの認識である。


 実際、彼はあの少女が海楽であることに気づいており、しかし、海楽が自身に素っ気無い態度を取るため、その反動で嫌がらせをしていた。
 海楽が妃芽薗に逃げた際、海楽のいない日々に絶は恐怖を覚えた。そして、たとえ海楽が男でも構わない、と絶は強く感じ、妃芽薗に向かう。

 しかし、妃芽薗の恐ろしい現状(夜な夜な繰り返される惨劇)を目の当たりにした彼は、海楽を守るため、妃芽薗の番長グループに無謀な戦いを挑む。
 だが、彼の力では、もはやこの惨劇を止めることはできなかった。


番長 -海楽 尚 -

 ハルマゲドン終結後、番長が突如として失踪してしまったため、新番長として番長グループによって祭り上げられた。
 透明化すると少女の形へと変わる透明人間の男。海楽 尚(かいらく-なお)。性的な興奮が高まっているその間だけ、彼はただの人間の男に戻れる。
 少女の姿のときは透明なので、実際に少女の形なのかどうかは触れてみなければ、それを確かめることはできない。
 透明状態の自分が、少女の形であることは、家族以外には内緒である。
 そのため、学校では恒常的に自慰に励んでいる。
 自慰は彼にとって平常であり、他者にとっての平常こそが彼にとって自慰である。
 常にあらゆる性的な妄想が頭の中に渦巻いており、妄想だけで永遠に果て続けてしまい、死にかけたこともある。
 その逸話から、「絶倫の海(快)楽」とも呼ばれている。

「男とは何だ?」

 と言う問いを常に問い続ける哲学的な面もある。
 壇上にて、希望崎の男子生徒らに、
「なぜ服など着るのだ!? 形だけの男らしさに頼らずとも、お前たちには自慢の一物がついているだろう!?」
 と、呼びかけ、ニュー・クールビズ運動を展開するが、絶の率いる生徒会によって粛清された。

 生徒会があまりにも頑なな態度を取るため、ハーレムを築くことで、自身の考えを生徒会に認めさせようと考えた。逆境を乗り越えてこそ男だ、という信念から、うぶな少女ばかりと噂される妃芽薗にたった独りで乗り込む。

 透明人間であるため、平常時においても透明である。能力により、性的な興奮が高まったときだけ(男と化しているときだけ)、透明でなくなる。


 ショッピングに出かけていたところ、絶と遭遇し、絶に押し倒されてしまう。
 どれほどの「男」か見てやろうと思い、彼は絶を受け入れるが、絶のそのあんまりな下手さ加減に、さすがの彼も終始萎え切ってしまう。快楽をなんとか得ようと、精一杯、彼は絶にアドバイスを出したが、彼は全く聴く耳を持たなかった。その上、行為自体が1ヶ月近くにも渡ったため、彼の中で絶の存在は抹消された。


 ◇


 というのは、表の姿であり、本当は正真正銘、心も少女である。本来は透明人間ですらない。
 かなりの強がりである。
 小学校時代、好きな男の子に告白するが、OKをもらった瞬間に、魔人として覚醒し、男の姿に変身してしまう。
 それ以来、透明状態は女性、非透明状態では男性と化す仕様になってしまったため、「自分は男として生きていくしかない」と強く思い込んでしまう。
 その強い思い込みから、男とは何かについて探求し続けた結果、迷走し、現在に至る。

 絶との一件はトラウマとなっており、強がって態度にこそ出さないが、絶を見るだけで、恐ろしさで震えが止まらなくなる。
 絶が自分を捜していることを知り、妃芽薗に逃げるが、その噂を聞きつけた絶が妃芽薗に現れたという噂を聞き、慌てて男性化する。

 それが祟って、妃芽薗の生徒会によって処刑された。

蓮柄関係

蓮柄まどか

 八部衆の幹部がもつ下位組織を構成する、通称『律家』と呼ばれる一族の娘。
 二卵生の双子の妹として、この世に生を受ける。
 同じく生を受けた兄である「つぶら」とは、綴りの上では同性同名である。
 律家の血縁者ではあるが、『嬰家』の元で養育される

律家と嬰家

 魔人の一派である八部衆の幹部が持つ、下位組織を構成する。
 どちらも歴史の流れの中で、かつての隆盛は影を潜めている。
 元々、律家は嬰家の分家筋に当たるが、現在では、その格は律家の方が上である。 

蓮柄つぶら

 まどかの双子の兄。魔人を否定し、自らは「神人」を名乗る。
 彼の能力によって、周囲に高二力フィールドが発生している。「支配の力」と彼は呼称する。

 父、「九弦」の術式により、魔人として覚醒した。九弦は術式の発動により絶命し、つぶらとして生まれ変わっている。
 魔人として覚醒したことで成長が止まり、未だに胎児のままである。
 しかし、その身体能力や、精神的な能力、そして、それらの成熟度は、思春期の同年代の(魔人の)少年らと比べても全く劣るところがない。それゆえ、外見上の年齢が変化していないだけで、何らかの成長は未だに続いている可能性もある。

 母親の胎から這い出して産まれてきており、そのとき、その場にいた十数名の一般の女性らを喰い殺している。
 その後、律家の庇護の下で育つ。母はつぶらを産んだことで錯乱した。それゆえ母はまどかを産むまでの間、律家により拘束されている。

 まどか出産後、母は嬰家の協力者の助けを得て、まどかを連れて律家から秘密裏に逃げ出している。
 このときの嬰家の協力者が、後に母と結ばれ、まどかの養父となる。この養父と母は、幼少の頃から親しく、お互いに想いを寄せていた。
 だが、律家の反対によって、引き離されようとしていたところに、今回の騒動が起こる。(この養父とまどかの間には血の繋がりがある。養父と母は、事件が起こる数日前に、関係を持っていた。)

 つぶらとまどかは、事実上、種違いの兄妹であり、発生の段階ではまどかの方が姉であった。
 理由は不明だが、つぶらはまどかに対して、異常なまでの執着を見せる。まどかは兄の存在すら知らなかったが、それを知った両親はつぶらを恐れて転校を繰り返させた。

 数年後、まどかはこの学園に転入する。しかし、すでにそこにはつぶらの手が及んでおり、まどかはつぶらの存在によって結果的に死亡する。つぶらは、死んだまどかの胎内に入り、まどかの肉体を操作し、その胎内を塒にしている。まどかの肉体は、すでに死んではいるが、彼の能力により美しいままである。

九弦

 八部衆の幹部に仕える、能面で顔を隠した怪しげな男。ネクロマンサーとして知られる。男色趣味。
 八部衆においてイレギュラーな存在であり、先祖は北欧の出身。
 非常に端正な顔立ちであるが、自らの容姿に対して異常なまでにコンプレックスを持っている。
 他者を極端に卑下する傾向がある。しかし、それは前述したコンプレックスや自身の血筋や立場に過剰なまでのプライドを持っているがゆえの裏返しでもある。
 逆にいえば、常にその狭間で苦しんでもいた。
 整形を繰り返すが、満足する容姿にはなれなかった。秘術による転生を望み、犯した娘の子として生まれ変わりリセットを図る。
 そして、律家に近づいて取引をもちかける。結果、娘の両親の合意のもとに娘を攫う。男色趣味であったため、直前になって、女性と行為を持つことに、悩み苦しむが、すでに律家の悪意ある操作によって術式は発動しており、迫られるように彼は強引に行為を行う。
 彼は、その術式によって死亡し、その魂はつぶらとして転生している。術式は律家の悪意ある操作により失敗したため、つぶらは彼であったときの記憶や性質などを受け継げていない。
 そもそもこの転生術を教えて彼をけしかけたのも、律家の手の者であるため、彼も律家によって踊らされた被害者であるとも言える。