佐和村 静穂

  • 性別:女:俎板
  • 学年:1年
  • 所持武器:約束のリボン
  • 出身校:妃芽薗 評価点数120+100=220
  • 固有技能:敏捷
  • 攻撃力:10 防御力:0 体力:9 精神力:1 FS「腕の自由 」:0

特殊能力『撤退準備』 発動率:100% 成功率:100%

効果:永続戦線離脱
スタイル:カウンター
対象範囲:自分自身
効果時間:一瞬

カウンター条件:敵に殺されそうになる
効果対象:自分自身
待受時間:4ターン
待受回数:一回
タイミング:先手

消費制約:一度しか使えない

<能力原理>

危険を察知し即座に撤退する。

キャラクターの説明

佐和村静穂(さわむらしずほ)。両腕を手錠で拘束された、長身の少女。
この手錠は、幼い頃にかけられたものを魔人化の際に制約として差し出したものである。鍵穴は消え、静穂が生きている限り何によっても破壊される事は無い。
大抵の事は足を使えば出来るが、積比良御咲(つみひらみさき)と出会ってからは、彼女に身の回りを世話してもらっている。
昔御咲にもらったリボンの髪留めが何よりの宝物で、現在も着け続けている。

エピソード



――――

つめたいへやだった。
わたしはそこでいかされていて、あるひ、てじょうをかけられた。

そのままとらっくへほうりこまれ、かなしそうなかおをしたおんなのこやおとこのこにまじってすわりこんだ。
みんなてじょうをしていた。
みぎのおんなのこにきいてみた。

「なんであなたはかなしそうなの?」

おんなのこはなみだまじりにこたえた。
「これからわたしは、こわいひとのところへつれていかれるの」
ひだりのおとこのこにきいてみた。

「なんであなたはかなしそうなの?」

「こわいひとのところで、たくさんこわいことをされるんだ」
そこにいたすべてのこどもにきいてみた。
「あたしもよ」「おれもさ」「いやだよう」

「それじゃあ、ここをにげようよ」

わたしがいうと、みんなはくびをふった。ひとりのおとこのこがいった。
「むりだよ」
そういうと、かおをうつむけてわんわんなきはじめた。
つられるようにして、ほかのこもないた。

わたしはなぜだか、なみだはでなかった。なんとなく、このさきにこそきぼうがあるようにおもえたから。
わたしはなかなかった。



――――
「おはよう、静穂ちゃん」
目が覚める。御咲は一足早く目覚めていたらしく、既に制服に着替え始めている。
「おはよう、御咲」
起き上がって窓の前に立ち、思い切り一伸びしてみせる。といっても、後ろ手に手錠をかけているのだが。
今日は天気のいい日だ。日差しを浴びて、残った眠気を飛ばす。
「さ、静穂ちゃんも着替えよっか」
「うん。ありがとう」
手錠の所為で、一人では着替えるのでさえ一苦労だ。だから毎朝、こうやって御咲が着替えさせてくれる。その事が、とっても嬉しかった。
制服に着替えると、最後にリボンの付いた髪留めをつけてくれる。私には可愛過ぎて少し恥ずかしいけれど、「今日も可愛いね」と言う御咲の笑顔が大好きだし、私自身、とても気に入っている。
まだ朝早く、寮生の殆どは起きてこない。二人で朝食を採って、玄関で揃いの靴を履く。高等部に上がって買い直したばかりの、ぴかぴかしたローファー。御咲に会うまでは、靴を履くだなんて、考えもしなかった。
そんなお金は持ち合わせていなかったし、何より、手が使えない以上足を使うほか無かったから。
「御咲」
「うん?」
「…ありがとう」
「ふふ。どういたしまして。脚伸ばしてね、甲冑も着けちゃうから」
「うん」
妃芽薗学園も、日に増して物騒になっている。魔人でない御咲を守る為、外出時は膝から脛にかけてを覆う甲冑を着ける事にしていた。私のただ一つの武器。
「マフラーもお願いしていいかな」
「おやすいご用ですよー。でも暑くないの?私そろそろ心配だけど」
「うん、少し暑いけど…でもやっぱり安心するから」
御咲の手が、目の前でくるくる動く。あっという間にマフラーが巻き上がった。
「よし、できた。静穂ちゃん、照れるとすぐ顔埋めちゃうもんねえ」
「だって、手で顔隠したり出来ないし…」
「あはは、さっそく埋めてる。なるほど、そうだよね。静穂ちゃん人見知りだしねえ」
「…玄関で話し込むと寮長に怒られる」
「寮の子起こしちゃっても悪いしね。じゃ、いこっか」
朝は気持ちがいい。


――――


最終更新:2011年08月17日 23:28