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「現在地はこの辺か……」

地図を眺めながら呟く財宝(トレジャー)ハンターの少年ザック。彼は現在城の中でなく、外にいた。
それと言うのも、彼が持ち歩いている「喋る魔法の剣」ことソーディアン・ディムロスがあまりにも口煩かったからである。
やれ「何時まで引きこもっているつもりだ」だの「外に出て状況を確認すべきだ」だの口出しされたものだから、わーったよ外出りゃいいんだろ全くよー。とザックは城内探索を切り上げて外に出たのだ。

(まるで別々の国みたいに城がある町が二つ。聳え立つ火山に意味ありげな塔。オマケに雪野原?)

さっきは流し見程度だった地図を、今度はしっかりと脳に焼き付けて、お得意の思考能力をフルに発揮するザック。

(……おいおい、冗談だろ。まるでミニチュア化した一つの世界みたいじゃねーか)

時折地図の表面を指でなぞりながら、ザックは尚も思考する。
彼の特徴の一つとも言える真っ赤なスカーフの下で、しっかりと彼の首を捕えて離さない首輪。爆発する機能があるらしいそれは、出来ることなら一刻も早く体から離したい。
付けられた覚えの無い、何時の間にか付けられた首輪。見知らぬ大陸。集められた集団。殺し合い。

(ちょっと、お宝とか言ってる場合じゃねえかもな……)

『おい、ザック。何時までここに留まるつもりだ? まさかまだ城に未練が……』
「分かってるっつーの」

――元の場所に戻れたら売り飛ばしてやろうか。
そんなことを考えながらザックは歩き出した。

   *   *   *

『――そういえば、お前は何故宝を集めるんだ?』
「なんだよ、いきなり」

城下町を探索するザックにディムロスが問いかける。コアクリスタルがちかちかと光るのを見て、ザックは心底うっとおしそうに、溜め息を吐いた。

『知っている奴に、お前と似たような職種の奴がいたのでな。金目の物を集めるという点では同じだろう』
「……なんでそいつは、金目の物を集めてたんだよ」
『自分が住んでいた孤児院を守る為だそうだ』
「はっ」

そうかよ、とザックは言う。

「オレはそんな涙を誘うような理由じゃないぜ。世界一の財宝ハンターになりたいから、宝を集めてるんだよ」
『……そうか』

それだけ言うと、ディムロスのコアクリスタルは輝かなくなった。
もっと聞きたいことはあったが、出会って間もない相手に、しかも年端もゆかぬ少年にあれこれ聞きだすのもいかがなものかと思ったのだ。
それに、なんとなく彼には人に言いづらい事情があるような気がした。
ディムロスの持ち主だったスタン・エルロンよりもずっと年下に見えるこの少年が、財宝ハンターなんてしているのがそもそもディムロスにとっては妙だった。
だが、ディムロスにそれを無理に聞き出す権利は無い。
そもそも、聞いても彼は絶対に答えないだろう。彼は、ザックはそういう性格なのだ。

「……ん?」
『どうした? 何か見つけたのか?』



地面に見つけたのは真っ黒なライン。所謂タイヤ痕という奴なのだが、ザックからすれば「車輪が転がったような妙な痕が続いている」みたいな認識だ。
――もしかしたら、このラインの先に誰かいるのかもしれない。
ザックはその黒いラインを辿って走り始めた。
多少入り組んではいるものの、狭い道ではないのでラインを追うのはとても簡単だった。

(まあ、確かにこのぐらいの道幅なら、車ぐらい通れそうだな。……しっかし、なんでこんな黒い痕がベッタリついてんだ?)

どうでもいいが、このザックの言う“車”はエンジンで動いて黒いゴム製タイヤが転がる方の車でなく、甲虫の力で引っ張る馬車のような形態を指している。
飛行船があるのに、遊園地があるのに、車は虫力(ムシリキ)。科学と中世とファンタジーが微妙な入り混じり方をした世界に住んでいたザックだった。

(車輪に黒ペンキでも塗ってたのか?)

更にラインを追って角を曲がろうとして、ザックは慌てて踏み止まり、隠れた。
人影があった。ザックがこの殺し合いに巻き込まれて、初めて出会う人間。

『……今、人間がいなかったか?』
「パッと見た限り長い髪の奴が一人に、変なガラクタが一つ。あの黒い痕の正体は多分あのガラクタだな」
『どうするつもりだ? 相手が殺し合いに乗っている可能性もあるが』
「そんときゃ、財宝ハンターの交渉術を見せてやるよ」
『交渉が上手くいかなかったら?』
「ここに来るまでの道のりは全部頭に入ってる。お前の晶術とかいうので適当に足止めしてから逃げりゃいいだろ」

何か反論してやろうとしたディムロスだが、ザックはそれを許さないかのように「頼りにしてるぜ?」と言ってニヤリと笑う。
それを聞いたディムロスのコアクリスタルからは、まるで溜め息を吐くような声が聞こえた。

「――そこのあんた」

ザックが声をかけると、長い緑髪の青年がはっとしたように振り向く。
背が高く、しっかりとした体つき。ザックよりも年上なのは一目瞭然だが、相手が年上だからといって怯むザックではない。(寧ろ彼が今まで喧嘩を売ってきた相手の殆どが年上だ)

「オレは殺し合いに乗ってない。あんたさえ良ければ話を――」

ザックはそこまで言いかけて、あることに気づく。
派手な色の“ガラクタ”に、何かが居た。


【場所・時間帯】B1・袋小路・朝

【名前・出展者】ストレイト・クーガー@スクライド
【状態】壁に激突。頭を強打するが特に異常は無し
【装備】車(大破)
【所持品】西瓜・不明所持品1つ
【思考】基本・最速で帰還する
1,どこだよココ…
2,ひとまず車から降りる
3,味方になるヤツを探す
4,敵は最速で撃破

【名前・出展者】ティトレイ・クロウ@テイルズオブリバース
【状態】若干混乱しているが健康。
【装備】小型ボウガン
【所持品】不明所持品2つ
【思考】基本・打倒主催者
1,サンドイッチかよ!
2,2人に何かしらの対応

【名前・出展者】ザック@甲虫王者ムシキング~ザックの冒険編~
【状態】正常
【装備】ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー
【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~2
【思考】
基本:殺し合いに乗るつもりはない
1:って、2人いたのかよ!
2:とりあえず緑髪の奴(ティトレイ)と話をする。もし殺し合いに乗っていたら逃げる
3:あのガラクタ、高く売れるかな
※ディムロスから晶術の知識を得ています

【名前・出展者】ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー
【思考】
1:上手くいくのか……?
2:出来るだけザックに助言する
※ロワ内では誰でもソーディアンの声を聞くことが出来ます
※また、威力は落ちるものの晶術の使用も可能です


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