「殺し合い……殺し合いねぇ」
ぽつぽつと、独り言を漏らすのはあたし……秋冬春夏である。
人間以上妖怪未満、正しくはほぼ妖怪のご老人。
百を超えれば妖怪も体外老人である。
大妖になりたかったら千年は欲しいな。
「まぁいいか、死ぬときゃ死ぬのが妖怪だからね、まずはルミャでも探そうかなー」
特に殺す必要性もないし。
ルミャどうしてるだろ、人喰ってないかなー、喰ってると後が大変なんだよねー。
まぁいいか。まぁいいか。
で、こっからが本題。
何かといえば現状確認だね、それ以外にやること無い。
「さて……」
辺りを見る。
うん、荒廃してる。
見ると遠くに森と火山と塔が見える。
ふぅん。
「なるほどねー、地図的には私は『F2』の辺りになるのか」
飛んでみようかな?
森を抜けるのは面倒そうだ。
それに誰かに見つかると面倒になりそうだし。
……あたし自身、今のとこルミャを探す以外は考えてないしね。
全員が全員殺し合いに乗るわけじゃない……だからこそ余り人とは関わりたくない、かな?
何せここは人が簡単に死んでいきそうな場所だからねぇ、やっぱり余り人と関わりたくはないかな。
関わってしまうとどうしても枷が増えるから。
暫くは様子見、殺す殺さないはとかく、結局の所、あたしは何も考えてないわけだからね。
「とりあえずはこれ……か」
そして目線を自分自身に移す、こんこんと首輪を叩いてみる。
そういえばこの首輪っていつまで有効なんだろう。
死んだ場合とか、機能してても意味が無いわけだから機能は解除されるんだろうか。
たとえばあたしたち妖怪は首をふっ飛ばしてもしにはしない。
つまり、首輪を無理やり引っぺがして爆死、首輪は飛んで私は首と胴体を元通りにして無事復帰……とか。
いやいや無理だろうと、一つの事実を思い出して否定する。
よくよく考えればこのゲームの主催はあの『比那名居』なんだ、あたしたち妖怪のことくらいちゃんと知っている。
まぁ、馬鹿だから何も考えていない可能性もあるけれど、試す気に放れない。
そもそもあたしは人間成分が少なからずあるんだ、死んだらどうする。
というわけで却下、意識を別の――バックに移した。
「香霖さんの所で見たことあるな。
なんだっけ……これ」
忘れたけどまあいいか、とりあえず、地図を取り出したときに気になったものを出してみる。
一つ目、
「名簿……かな? ……なんだろう、この並び、よぉわからん」
ちょっと適当なところを目に通してみる。
とある一段。
さいしょに『タクミ・エンジュ』、次にルミャ、その次に『ナナカ=コトハナ』、つながりが見えてこない。
で、二つ目。
ううん? コレはなんだろうねぇ。
反応にこまるぞー。
「銀製の箱? 鏡みたいだなぁ」
顔がのっぺり映る。
鏡っぽいけど鏡じゃない……『正しく反転させているわけじゃない』?
いや、違うか。
で、後ろを見てみるとこれは螺子かな? 形的に前に香霖さんに見せてもらった『-ドライバー』で空けられるものだろう。
でもそれがない、自力で空けようとしてもどういうわけかびくともしない。
これは放置かなー
で、三つ目。
「あれ、コレ天の叢雲……げふん、霧雨の剣じゃないか、レプリカっぽいけど、よくにてるからか結構力のある代物だね」
武器に使えそうだ。
扱ったことないけど、これをメインウェポンにしてみようかな?
「脳ある鷹は爪を隠す、なんてね」
まぁいいか、とりあえずルミャを探さないと。
怖い人につれていかれてませんよーに!
【紫色エリア付近 F2・朝】
【名前・出展者】春夏@暁
【状態】健康
【装備】霧雨の剣@東方
【所持品】銀製の箱@オリジナル デイパック一式
【思考】
基本・まずは様子見、とりあえずは殺さない。
1、まずはルーミアを探そう
2、-ドライバーってどこにあるのかな。
3、飛んだりすると危ないからよしておこう。
※特に行き先は決めてませんが他人とは接触を絶つ方向です。
※場所は火山と塔の中間辺りです。
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最終更新:2011年04月10日 19:10