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 「困りましたね」  「ああ、全くだよ」  「これからどうしましょうか」 困りましたね、と言って置きながらも表情は全くと言って良い程に崩れていないのは緑髪の女性。 それに返したのは、薄桃色の髪をした女性。 そして新たに話題を組み立てたのは、黒髪の男性。 何れの三人も、このバトルロワイアルの参加者であることに変わりは無い。 彼らの首に捲かれている、銀色に鈍く輝く首輪。そして背負っているデイパック。それが何よりも動かぬ証拠であった。  「……情報交換でも行きましょうか。――四季映姫・ヤマザナドゥと申します。四季でも映姫でも結構です」  「ワタシはタクミです、どうぞ宜しく」  「私はシェルロッタ。って訳で、何か主催者……天子って奴か?あいつに対する手がかり、誰か知ってないか?」 と、ここまで自己紹介と洒落込んだところで、映姫の右手がそっと挙がった。  「それは私が。彼女、緋那名居天子には何度も手を焼いています。嫌でも覚えてしまいますよ。   正直言うと、私の部下よりも厄介ですし」  「あー、雰囲気からして腹立つよな。あの桃女」 あの桃って非常食かもな?とシェルロッタは少しだけ笑うと、直ぐに真顔へと戻った。 そして、今度は彼女から話題を繰り出した。  「で、支給品と参加者の確認でもしとくか?」  「そうです、ね――」 と、タクミが返しかけた途中、言葉が止まる。 映姫もシェルロッタもどうしたと言いたげな表情で、タクミの顔を見る。 彼の視線はここよりも東側。視線の先には……  「フェンリル、さん」 * * *  「うう…。と言っても、何だか1人じゃどうしようも出来ないかもなあ……」 血まみれとなった橋を渡ったフェンリル。 そう歩き出したはいいものの、まだ少しの不安は残っていた。 一応の武器はあるのだが、銃火器など彼女は産まれてこのかた使ったことなんて一度も無い。正直撃ち方すら曖昧である。 安全装置の付け方はなんとか理解できたものの、もし間違えて引き金を引いてしまったら、どうなるやら。 ソードカトラスを持つ両手が震える。ガンホルダーなんて持っても無いため、ずっと手に持たないとどうにもならない。 決意は揺るがない。変えるつもりなんて一切無い。 だけど、仄かな不安が脳裏を満たしていく。 そう、自分の無力さを呪うかの如く、唇を噛み締めていると、突如声が聞こえた。 しかも、彼女の良く知る――  「タクミ、さん」 * * *  「まさか、HAの生徒がここまで参加してたなんて……」 やっとこさ開いた参加者名簿を読みながらも、動揺を隠し切れない様子のフェンリル。 その隣には、彼女の想い人であるタクミも一緒に名簿を覗いていた。 ――シェルヴィさん、メリーさん、リカさん、アニタさん、そして、タクミさん。 HAの関係者でなくとも、知っている名前はあり、不安は更に拡がる一方。  「大丈夫ですよ、フェンリルさん。ワタシタチ全員、生きて帰れます」  「…………」 正直、タクミさん自身が思っている“全員”と、私が思っている“全員”とは、ほんの少し違う。 タクミさんの思っている“全員”では、もう帰れない。 だって祈祷さんは、もう……――  「もし辛かったら、いつでも吐き出してください。ワタシタチが隣にいますから」 ぽん、と優しく頭に手を置かれる。 タクミさんの手。 その手の温もりが何よりも嬉しくて、フェンリルは再び涙を流した。  「……ありがとう、ございます」 【場所・時間帯】B5、橋の手前、昼前 【名前・出展者】フェンリル@Heroes Academy 【状態】健康 【装備】ソードカトラス@BLACK LAGOON 【所持品】基本支給品一式、不明支給品一品、祈祷のデイパック{基本支給品一式、おたま@現実、替えの弾薬} 【思考】基本:生きて帰る。殺し合いには乗らない 1:……ありがとう、ございます 2:絶対に生きて帰る 3:出来たら他の生徒達と合流したい ※武器は持っていますが、殺し合いに乗るつもりはありません ※描写しませんでしたが、タクミ達と一緒に北上して水色エリアに行くつもりです 【名前・出展者】タクミ・エンジュ@Heroes Academy 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない 1:ワタシタチが隣にいますから 2:フェンリルが落ち着いたら一緒に行動したい 【A5、草原、昼前】 【名前・出展者】シェルロッタ@FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES Echoes of Time 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない 1:北上して水色エリアに行く 【名前・出展者】四季映姫@東方project 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない。もし乗っている者が居れば説教する 1:北上して水色エリアに行く
 「困りましたね」  「ああ、全くだよ」  「これからどうしましょうか」 困りましたね、と言って置きながらも表情は全くと言って良い程に崩れていないのは緑髪の女性。 それに返したのは、薄桃色の髪をした女性。 そして新たに話題を組み立てたのは、黒髪の男性。 何れの三人も、このバトルロワイアルの参加者であることに変わりは無い。 彼らの首に捲かれている、銀色に鈍く輝く首輪。そして背負っているデイパック。それが何よりも動かぬ証拠であった。  「……情報交換でも行きましょうか。――四季映姫・ヤマザナドゥと申します。四季でも映姫でも結構です」  「ワタシはタクミです、どうぞ宜しく」  「私はシェルロッタ。って訳で、何か主催者……天子って奴か?あいつに対する手がかり、誰か知ってないか?」 と、ここまで自己紹介と洒落込んだところで、映姫の右手がそっと挙がった。  「それは私が。彼女、緋那名居天子には何度も手を焼いています。嫌でも覚えてしまいますよ。   正直言うと、私の部下よりも厄介ですし」  「あー、雰囲気からして腹立つよな。あの桃女」 あの桃って非常食かもな?とシェルロッタは少しだけ笑うと、直ぐに真顔へと戻った。 そして、今度は彼女から話題を繰り出した。  「で、支給品と参加者の確認でもしとくか?」  「そうです、ね――」 と、タクミが返しかけた途中、言葉が止まる。 映姫もシェルロッタもどうしたと言いたげな表情で、タクミの顔を見る。 彼の視線はここよりも東側。視線の先には……  「フェンリル、さん」 * * *  「うう…。と言っても、何だか1人じゃどうしようも出来ないかもなあ……」 血まみれとなった橋を渡ったフェンリル。 そう歩き出したはいいものの、まだ少しの不安は残っていた。 一応の武器はあるのだが、銃火器など彼女は産まれてこのかた使ったことなんて一度も無い。正直撃ち方すら曖昧である。 安全装置の付け方はなんとか理解できたものの、もし間違えて引き金を引いてしまったら、どうなるやら。 ソードカトラスを持つ両手が震える。ガンホルダーなんて持っても無いため、ずっと手に持たないとどうにもならない。 決意は揺るがない。変えるつもりなんて一切無い。 だけど、仄かな不安が脳裏を満たしていく。 そう、自分の無力さを呪うかの如く、唇を噛み締めていると、突如声が聞こえた。 しかも、彼女の良く知る――  「タクミ、さん」 * * *  「まさか、HAの生徒がここまで参加してたなんて……」 やっとこさ開いた参加者名簿を読みながらも、動揺を隠し切れない様子のフェンリル。 その隣には、彼女の想い人であるタクミも一緒に名簿を覗いていた。 ――シェルヴィさん、メリーさん、リカさん、アニタさん、そして、タクミさん。 HAの関係者でなくとも、知っている名前はあり、不安は更に拡がる一方。  「大丈夫ですよ、フェンリルさん。ワタシタチ全員、生きて帰れます」  「…………」 正直、タクミさん自身が思っている“全員”と、私が思っている“全員”とは、ほんの少し違う。 タクミさんの思っている“全員”では、もう帰れない。 だって祈祷さんは、もう……――  「もし辛かったら、いつでも吐き出してください。ワタシタチが隣にいますから」 ぽん、と優しく頭に手を置かれる。 タクミさんの手。 その手の温もりが何よりも嬉しくて、フェンリルは再び涙を流した。  「……ありがとう、ございます」 【場所・時間帯】B5、橋の手前、昼前 【名前・出展者】フェンリル@Heroes Academy 【状態】健康 【装備】ソードカトラス@BLACK LAGOON 【所持品】基本支給品一式、不明支給品一品、祈祷のデイパック{基本支給品一式、おたま@現実、替えの弾薬} 【思考】基本:生きて帰る。殺し合いには乗らない 1:……ありがとう、ございます 2:絶対に生きて帰る 3:出来たら他の生徒達と合流したい ※武器は持っていますが、殺し合いに乗るつもりはありません ※描写しませんでしたが、タクミ達と一緒に北上して水色エリアに行くつもりです 【名前・出展者】タクミ・エンジュ@Heroes Academy 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない 1:ワタシタチが隣にいますから 2:フェンリルが落ち着いたら一緒に行動したい 【A5、草原、昼前】 【名前・出展者】シェルロッタ@FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES Echoes of Time 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない 1:北上して水色エリアに行く 【名前・出展者】四季映姫@東方project 【状態】健康 【装備】なし 【所持品】基本支給品一式、不明支給品×1~×3(確認済みかと思われますのでお任せします) 【思考】基本:殺し合いには乗らない。もし乗っている者が居れば説教する 1:北上して水色エリアに行く 前の話 |044|[[異様な空気と深い闇]]| 次の話 |046|[[純奈とメリーとツッコミ大貧民]]|

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