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唐突に、あまりに唐突に起こったこの出来事を見て、思った。 世界中の人間に、こんな質問をしてみたい。 「ぬおおおおおおぉぉぉ!」 …真っピンクの、高速で動く物体が、自分の目の前に突っ込んできたら。 そのうえ、自分の真横ギリギリで通り抜けていったりしたら、あんたはどんな対応をとるだろうか。 おそらく、誰もがこんな反応になるだろう。 「…なんだってんだよっ!?」 少なくとも、この俺―――ティトレイ・クロウは、そんな反応をした。 ――――――― 現在、スポーツカーに乗り、市街地を目指すストレイト・クーガーにとって、ひとつ気がかりな事があった。 「(カズマやら劉鳳の野郎やらは、この大会とやらに出てるのか?)」 そう思いつつ、自分の持ち物を確認する。 ペンやメモ帳といった、あの場でも話された基本的な物資に加え、ひときわ目立つものが。 「…西瓜?」 まるまるとした巨大な西瓜だ。 「…帰ったら瓜核のやつにでも渡してやるか」 瓜核(うりざね)とは、彼の友人である、ホーリー所属のアルター使いである。 西瓜が大好物で、アルターも西瓜を使ったもの。 なぜ西瓜が入っているかはともかく、バッグの奥底から、やっと名簿らしきものが出てきた。 「…知ってる名前が無いな。って事は、誰が敵かもわからないって事か?」 名簿に目を通し、独り言を呟くストレイト・クーガー。だが彼は2つのことに気づいていない。 1つは『エンジンを止めるのを忘れている』こと。 そしてもう1つとは… 「ぬおっ!?」 『前方不注意』である。 市街地エリアに入っていることも知らず、西瓜やら名簿やらに気をとられているうちに入り組んだ道に入ってしまったのである。 まあ、ハンドルも握っていない状況で車体に傷一つ付けずにそんな道に入ったこと自体が凄まじいとは言えるが。 「くっ…我ながらとんだ不注意だ…だが!」 そういいながら、車の一部がボロボロと崩れていく。 そして、新たな装甲(?)が付けられる。途轍も無く悪趣味な。 「『ラディカル・グッドスピーーーード!』」 そう叫んだと思ったら、突然猛スピードで加速する。 そしてそのスピードのままで急カーブを曲がり続ける。一種の曲芸だ。 「俺がこのまま無残に壁に激突してアーレーなんて結末になるわけが無いだろうが常識的に考えて!なんせ俺は文化的かつ二枚目であるためにあらゆる障害を潜り抜けられるよう最速で最良の解決方法を考えているのだからな って行き止まりかよぉぉぉぉ!?」 Uターンしようにも面積が足りない。急ブレーキしようにも距離が足りない。 そんな絶妙なポイントだった。 「ぬおおおおおおぉぉぉ!」 激突。南無三。そして現在に至る。 ――――――― 【場所・時間帯】B1・袋小路・朝 【名前・出展者】ストレイト・クーガー@スクライド 【状態】壁に激突。頭を強打するが特に異常は無し 【装備】車(大破) 【所持品】西瓜・不明所持品1つ 【思考】基本・最速で帰還する 1,どこだよココ… 2,ひとまず車から降りる 3,味方になるヤツを探す 4,敵は最速で撃破 【名前・出展者】ティトレイ・クロウ@テイルズオブリバース 【状態】若干混乱しているが健康。 【装備】小型ボウガン 【所持品】不明所持品2つ 【思考】基本・打倒主催者 1,なんなんだコイツ… 2,とりあえず目の前のヤツ(クーガー)と話す 前の話 |026|[[天才と馬鹿は紙一重]]| 次の話 |028|[[ナナカと輪廻のバリバリ漫遊記]]|

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