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From: Toshiyuki TAKAGI <takagi@ifs.tohoku.ac.jp>
日付: 2011年3月21日15:47
件名: 福島原発の放射能を理解するために(平成23 年3月21日)
To: all@ifs.tohoku.ac.jp
流体研の皆様へ
丸田先生より、情報をいただきました。
高エネ研・理研・東工大などの研究者仲間で翻訳されています。ひとことでい えば、カリフォルニア大学サンタバーバラ校Benn Monreal教授 が、根拠を示 して、恐れすぎないようにという趣旨になっています。物理と工学の立場から 書かれており、技術的に正しいものと考えます。
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
また、学会、NPO等においても放射線量についての情報や今回の福島原発での一 連の事象についての説明がなされています。
参考にしていただくと良いと思います。
日本原子力学会
http://www.aesj.or.jp/
NPO IOJ
http://ioj-japan.sakura.ne.jp/xoops/
原技協
http://www.gengikyo.jp/report/pdf/tohokutaiheiyoyo_3-1_20110318.pdf
早稲田大学 岡芳明教授
http://www.f.waseda.jp/okay/news/news_content/20110317_earthquake.pdf
「環境放射能が人体に及ぼす影響等について」(福島県災害対策本部)
<http://www.pref.fukushima.jp/j/Q&A.pdf>http://www.pref.fukushima.jp/j/Q&A.pdf
日本医学放射線学会
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=911
もし、ご質問等がありましたら高木までご連絡ください。
高木敏行
At 15:45 11/03/18, Toshiyuki TAKAGI wrote:
流体研の皆様へ
放射線量について毎日報道されております。
放射線による人体への影響度合いを表す単位 シーベルト(Sv) について流 体研のエックス線取り扱い主任者の三木先生にまとめていただきました。添付 ファイルを御参考に。
ちなみに東北大物理の田村裕和先生の測定データですと3月15日は、04 μ Sv/h となっており、自然放射線による被曝量とほとんど同じとなっています。
参考になれば幸いです。質問がありましたがご連絡ください。
高木敏行
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現在の福島原発事故に際し、通常よりも高い放射線量が各地で観測されております。
報道機関やインターネット上で様々な情報が氾濫し、誤解や風評で必要のな い不安を抱いている方も多いと思います。
初めに注意していただきたいことは、線量の単位です。
nSv(ナノシーベルト)
1μSv(マイクロシーベルト) → 1000 nSv
1mSv(ミリシーベルト) → 1000 μSv
1Sv(シーベルト) → 1000 mSv
となっており、名称が異なると基準とする単位が1000倍(あるいは1/1000)になります。
重要なのはこれがある時間内の総量に対して用いる数値であり、瞬間的に上 昇した場合や年間総量との比較が混乱して用いられていることにあります。
年間被曝量の世界的な平均値として2.4mSv/year が定義されていますがこれ は1年間に浴びる放射線の総量ですので、これを一日に直すと
6.6 μSv/day、さらに これを一時間あたりにすると 275 nSv/h となりま す。この数値は日によって、時間によって違いはあるものの、平均的にはこれ くらいの量は日常の生活で被曝している目安になります。
注意していただきたいのは、ここでも既に3つの単位が使われていることで す。例えば一日当たりの平均被曝量 6.6 μSv/day も 6600nSv/day と書かれ ると非常に多く感じます。
したがって、定義がはっきりしないまま使われると線量が多いのか少ないの か誤解のもととなります。
先にも”総量”が重要と述べましたが、ある瞬間に上昇したがすぐに低くな った場合にはその数値にもよりますが人体への影響は少ないと判断できること が非常に多くあります。
あるインターネット上の新聞記事ですが
測定器が設置されているのは、同市桜区の県衛生研究所。通常は30~60nSvだ が、十四日は午前五時から次第に上昇し、同十一時に一気に1000nSv台に。し かし、正午には201nsVになり、午後三時に97nSvになった。
とありますが、この記事ではこれまでにも述べたとおりナノシーベルトの積 算時間の記述がありません。通常は30~60 nSv とあり、先の平均値の方が数値 としては大分高いことが分かります。
例えば、東京とニューヨーク間を航空機で往復した場合には0.2mSv= 200μ Sv=200000nSV/往復の量を一往復で被曝しますので、
数字のトリックに煽られないように注意し、報道される数値は必ず線量の単 位と時間単位をもとに判断するようにして下さい。
仮に線量が多くなった場合の対処法は広く報道されている通りで基本的に間 違いありません。花粉症と同じという記述もありますが、それはある意味正し いものと思っていただいて構いません。異なる点は脱いだコートは家の中に持 ち込まないこと、体内被曝を少なくするためにマスクで目と鼻からの侵入を抑 えるだけではなく、
皮膚を露出しないようにすることです。線量が高い場合の外出が必要な場 合、外出後にシャワーで髪の毛や体を洗い流すことが推奨されています。(現 状で毎日このスタイルで通勤することを推奨している訳ではありませんので注 意願います。)
その他、放射線についての一般的な記述は雑誌「Newton」の特集記事をご参照ください。
http://www.newtonpress.co.jp/newton/radiation/html/radiation.html
また、新潟県防災局が提供している放射線線量に関する分かりやすい図があ りましたのでこちらも参考にして下さい。
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Toshiyuki TAKAGI, Professor, Dr. Eng.
Deputy Director, Institute of Fluid Science, Tohoku University
Katahira 2-1-1, Aoba-ku, Sendai 980-8577, Japan
Phone and FAX +81-22-217-5248
Email takagi@ifs.tohoku.ac.jp
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