※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の壱

そして今日も何故かこうして下校の途中に三人の見ず知らずのいかにも、な男達に囲まれている。

コンビニの前にワルそうな人達がいたのは横目で見えていたけど、鞄を胸に抱え何とか目立たないように
やり過ごそう、と思っていたのにやっぱり「おい!!」とお声がかかった。
(あぁ、やっぱりキちゃったぁ・・・)「はいぃ」と返事をしながら振り返って嗣永君は絶望した。
ワルそう、ではなくて凶悪そのものの顔をした人達がそこにいた。

「あ、あのぉ」と問いかけるとそいつらは下品な笑みを浮かべて嗣永君の頭からつま先までを視線でなめ回した。
金髪の男「何だァ?ボク小学生かァ?」
「や、いえぼく・・・高校生です」
金髪のツレA「ぼくゥ!?ひゃははははは!ぼく高校生ですってさ」
ツレB「ぼくお金持ってるかな?お兄さん達貧乏で困ってるのよ?」
「あ、あのお金持ってないです・・・」胸の前で手をクロスさせ鞄を抱きしめるようにしてそう呟くのが精一杯だった。

金髪「ああん!?金持ってないだぁ・・・お?コイツ可愛らしい顔してんじゃん。何?女の子なの?ぼく」
よく言われるセリフに嗣永君はビクッとして「い、いえぼく・・・男の子です!」と顔を上げて答える。
小さい頃からそう言われるのが大嫌いだった。須藤君や熊井君のような強い男になるのが夢だった。



なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の弐

金髪「本当かなー?背もちっちぇーし声だって女の子みたいな可愛い声してんじゃん」
ツレB「こりゃー身体検査が必要だな。金持ってないかどうかもわかるし一石二鳥ってね」
二人の男に両肩を掴まれ「な、何を・・・」と言ってる間に金髪の男が学ランを捲りあげズボンのベルトに
手を伸ばしてくる。「やッ・・やめて下さい!」と抵抗すると苛ついた金髪が嗣永君の髪の毛を掴んだ。
「うるせえーんだよ!!静かにしてろコラ!」そう凄まれると「ヒッ・・」と声が漏れてしまう。
身体が硬直してしまう。髪の毛がブチブチッと抜ける音がする。
嗣永君は何とか周りの人に助けを求めようとして見回すが、誰もがこちらを見ないようにして足早に通り過ぎていく。
あきらめたようにギュッと目を閉じ身体を硬くしてこの時間が早く過ぎる事を願った。

両肩を掴んでいた男達が「何かコイツ良い匂いしね?」「おおホントだ、するする」と言って
気持ちの悪い鼻息を耳元に吹きかけてくる。
金髪の男が「はーいズボン脱ぎましょうねー」と下品なセリフを吐いてベルトに手をかける。
ベルトが外されズボンを下ろされる。
すね毛のない真っ白な太ももと純白のブリーフが露わになる。
金髪「おっほー!こいつ本当に女の子みてーな肌してやがる。なんつー肌触りだよ」そう言って
嗣永君の内ももをなで回す。そしてその手は内ももをつねったり強く握るようにしながら段々と上の方に伸びてくる。
「さーて、おちんちんは付いてるんですかねー?」ブリーフの上から陰部を執拗になで回される感触に
目をつぶって何も考えないようにしてた嗣永君は「ヤッ・・・」と声を漏らしてしまった。



なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の参

肩を掴んでいた男が金髪に「あれ?おまえ勃起してね?」と聞いた。
「ば・馬鹿野郎、してねーよ!」と金髪が怒ったように答えたが
嗣永君を取り囲んだ三人の男達のズボンの股間部分ははち切れんばかりに膨らんでいた。

そしてその間も男は嗣永君の股間部分をなで回す手を休めることはなかった。
上下に擦るように撫でたり、形をなぞるように袋の方にまで手を回したり、
まるでたっぷりと嗣永君のその部分の感触を楽しんでいるようだった。
「うッ・うぅ・・・ヒック」悔しさや恥ずかしさや気持ち悪さ、とにかく色んな感情が交じって涙がこぼれた。
嗣永君のそんな姿を見て男達の眼はさらに異様な光を放ち出し、息が荒くなっていく。

「ちゃんと付いてるみたいだねー、可愛いのが。じゃあご開帳と行きますか」金髪が下卑た笑い声を漏らしながら
ブリーフのゴムの部分に手をかける。嗣永君は目をいっそう固く閉じ唇をギュッと噛み締めた。

だがなかなかブリーフを下ろされる気配がなかった。何故だか男の手が微かに震えているように思えた。
そのうち男の手が離れパチンとブリーフのゴムがお腹にあたる。
そして両肩を押さえていた男達の感触も消え「何だてめえー!!」と怒号があがる。

ビックリした嗣永君はやっと目を開け目の前の光景を見た。
先ほどまで自分の股間をまさぐっていた金髪の男が宙に浮いていた。
大きな手と長すぎる指が男の頭部全体をまるでソフトボールを握るかのようにして包み込んでいる。



なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の四

熊井君だった。
「てめえー!!」先ほどまで嗣永君を押さえ込んでいた男の一人が殴りかかる。
熊井君は金髪の男を片手の握力だけで持ち上げたまま、体勢を全く変えずに殴りかかってきた男を蹴り飛ばした。
その男はまるで壊れたおもちゃのように吹っ飛び、ガードレールを越えて車道に止めてあった車のボンネットの上に
ドン!と音を立てて落下。そのままピクリとも動かなかった。

もう一人の男はその様子を見て青ざめているが、熊井君は表情一つ変えていない。
口元にはうっすら笑みさえ浮かべている。
金髪の男は何とかその手から逃れようと足をジタバタさせ両手で熊井君の手首に掴みかかっている。

その手を見た時、熊井君の表情が変わった。
男の指に漆黒の、美しくて少し長い髪の毛が絡まっている。・・・ミシミシ、と音が聞こえた気がした。
金髪が抵抗をやめ、だらんと手をたらした。ジーンズの股間部分に染みが拡がりそれはポトポトと地面に落ち始める。

もう一人の男が「や・・やめ・・」と言葉も出ないらしくペコペコと頭を下げ始めた。
熊井君はそちらを見ようともしない。金髪がよだれをだらだらと垂らし始め、鼻からは血が垂れ始めていた。

「やめて!熊井君、やめてあげて!」と嗣永君が声を上げる。
はじめて熊井君の表情がゆるみ「え?・・・いいの?」(つぶせるけど)と聞こえた気がして
嗣永君は「うん、うん、早く、早く、離してあげて」と首をぶんぶん振って何度も頷いて見せた。
「ふーん。」と言って熊井君は掴みあげていた金髪を、泣きながら土下座している男の方に無造作に投げ捨てた。



なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の五

まるでそんな事を気にしていないかのように男達には一瞥もくれずに嗣永君の方に歩み寄り
「だいじょう・・・あッ!」と言って視線をそらす。「え?なに・・?」と問いかけると
熊井君は何故か顔を赤らめて「ズ・・・ズボン履きなよ」と言われて初めて自分がパンツ丸出しだったのを思い出す。
「あッ、あッ」と慌ててズボンを履くと「大丈夫だった?髪の毛・・・」と言って嗣永君の頭に手を伸ばしてくる。

今までの光景を見ていた嗣永君は条件反射的に「ひッ・・・」と言って一歩下がってしまった。
熊井君の表情が見る見る暗くなり、青ざめているようにも見える。

「アッ・・・ご・・ごめんなさい」熊井君の表情を見て嗣永君は心底から謝った。
(ぼくを助けるために来てくれた熊井君を怖いって思うなんて・・・ぼくのばかぁ!)
それでも熊井君の表情は変わらなかった。「うん・・・何か、こっちこそゴメン」そう呟く熊井君を見て
なんども嗣永君は「ありがとう。ありがとう」と繰り返したけど熊井君は肩を落として俯いたまま
「うん、うん。」と上の空のようで「じゃあ・・・」と言って肩を落としたまま帰っていってしまった。
「熊井く・・ん・・・」



なぜか嗣永君は絡まれやすい体質だった。 の六

翌朝。
廊下で何処を見るでもなく熊井君は窓の外をぼんやりと眺めていた。
夏焼君がそれを目にとめ「どうしたんだい、熊井君」と訊ねてくる。
ボーッと窓の外を見つめたまま、上の空の熊井君はつい、
「嗣永に・・・嫌われたかも」ボソッと口走ってしまった。
夏焼の表情がパッと明るくなり、熊井君の顔の前に自分の顔を出すようにして
「へえー!へええー!」と嬉しそうに微笑んだ。