Scarborough Fair

“吸血鬼”の正体

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        “吸血鬼”の正体



90年代から00年代において活躍した
CLAMPという少女漫画家集団がいる。
その代表作のひとつに、CLAMP作品の集大成といえる
「X」という作品がある。

この作品では当時、もっともらしい擬似科学を
あらゆるメディアで確固たる事実のように垂れ流し、
カルト的な教義によって信者を獲得していった、
「温室効果ガスによる地球温暖化説」が大きくローズアップされている。

人類が出す温室効果ガスによって地球が砂漠化し、
数十年も経たぬうちに人類が滅んでしまうというのだ。
それを防ぐために人類社会を破壊しようとする
過激な自然保護派(地の龍)が立ち上がるが
主人公たち文明推進派がこれを迎え撃ち、殺し合いを開始する…
というのが大雑把なストーリーだ。

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なお、大幅に本題から話が逸れるが
X本編中でしつこいくらいに語られていた
「温暖化で砂漠が増え、緑が減る!」というのは
温暖化利権業者が作ったプロパガンダである。

そういう嘘を世界中にバラ撒いて人々の危機感を煽り、
温暖化に対する膨大な対策費用
(実際は温暖化の主原因はCO2ではないので何の対策にもならないのだが)を
政府や機関に出させて関連業者が荒稼ぎするという利権構造になっている。

では、本当に温暖化によって地球が砂漠化するのだろうか?
じつは実態はまったくの逆なのだ。

全球の気温が上がると降水量が増えて砂漠は減る。
気温が上がるから砂漠が広がるのではない。
寒冷化のせいで降水量が足りないか、
降水量に対して過剰な耕作で水を使いすぎるから砂漠になるのだ。
実際、温暖化に伴いサハラとなど砂漠化の広がりが停滞し縮小しつつある。

ちなみに紀元前6000年~3000年の間はきわめて温暖で、
気温は現在よりも2~3℃も高かった。
この時期には熱帯収束帯が北上していた事、
モンスーン活動が活発であった事などが
古気候再現モデルなどによって確かめられている。

このためアフリカからアラビア半島、中近東および中国大陸は、
現在よりずっと湿潤で降雨量も多く、この時代サハラは緑で覆われていた。
その証拠に現在では荒涼たる大地と化したサハラ砂漠だが
各地の遺跡に当時サハラに住んでいた
動物の群れを狩る狩猟の壁画が残されている。
また古代エジプトにおいてはナイル河は
毎年のように氾濫を繰り返すほど多雨であった。
そのため天文や土地の測量術が発達した。

これほど豊かな緑に包まれていた中東は、
なぜ現代は砂漠化してしまったのか?

簡単に言えば緑が減り砂漠が増えるのは「寒いから」である。
現代は温暖化どころか、数千年前から続く
地球全体が「寒冷化」した時期のうちにある。
逆に本格的に温暖化すれば定期的に大量の雨が降り、
サハラは昔のように緑に戻るのである。

果たして昨今の温暖化によって降雨量は顕著に減ったのだろうか?
事態はまったく逆で、気象庁の統計データを見てもわかる通り、
2000年以降温暖化に比例して降雨量が目に見えて増えている。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/fig/an_wld_r1.png
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/fig/an_wld_r2.png

日本では夏は各地でゲリラ豪雨が降り注ぐようになり、かつてないほど洪水被害が多発し、
冬は冬でここ数年史上最多の積雪記録を更新し続けている。

よって、天の龍の未来像に見られたような
「温暖化によって東京が砂漠化する未来」などありえないのだ。

逆に温暖化が進めば南極の氷が解けて水位が上昇し、
恐竜時代のように世界中で膨大な緑が繁茂し、
地の龍の未来像にあるように「東京が水没して緑の世界になる」だけなのだ。
丁が見せたヴィジョンはまったく逆なのである。

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少し余談が長くなったが、話を戻そう。

当時温暖化教徒は「地球温暖化は人為的なものである」とか
「原因はCO2」などの与太をバラ撒き、そして
「このままでは地球は近世のような環境になり、全生物が激減、絶滅する」
などというありえない未来図を持てち出して、
それに対する反対運動を唱えて騒いでいた。

これらのムーブメントの旗手の一人であり、温暖化利権団体の重鎮でもある
アル・ゴアは、実はCLAMPの大好きな本物の「吸血鬼」であるというのは
面白い偶然であるとともに皮肉でもある。

さて、太古から不老不死は洋の東西を問わず人々の夢であった。
では現実に、人が歳をとらず若々しい肉体を得るにはどうすればいいか?
太古から多くの者たちが永遠の若さに憧れ、この問題に対する研究を重ねてきたが、
実は一番手っ取り早く効果的なのは、
自らの血を幼児(幼女)や少年(少女)の血と交換する事である。

これはオカルトではなく科学的に証明されている事だ。
数年前、スタンフォード大学の実験で、
歳を取ったマウスに若いマウスの血液を注射したところ、
若返り効果が確認された件が一躍話題になった。
若い血液を摂取すれば若返るのである。

(ちなみに日本の献血は献血者の80%が50代未満で、
輸血側の80%が50代以降。
奇しくも老人が若い血をどんどん吸い取って
寿命を延ばしている構造になっている)

これらは最近科学によって「発見」された事実なのだが、
もっともそんな事は、人間を生贄として捧げ、その血を啜る
おぞましい儀式を行っていた秘教団体は、
遥か太古から経験的に知っていた。

この儀式はその背徳性と、その崇拝主である存在の危険性ゆえに
キリスト教によって徹底的に弾圧され、表沙汰にはならなくなったものの、
太古から洋の東西を問わず連綿と繰り返されてきた。

ユダヤ教の聖典・モーセ五書でも
「魔術を行ってはならない」「血を食べてはいけない」
(これらを破った者は悪魔の下僕であり、殺さねばならない。
魔術を行うか血を食べたものは地獄に落ちる)とある。
これらは食品衛生上の問題だけではなく、
こうしたのいかがわしい吸血儀式が
当時から裏で蔓延していたからである。

16世紀ハンガリーのエリザベート・バートリも、
若さを求めて膨大な数の少女を殺め、
血を集めて全身に塗りたくっていた。

この話は必要以上に仰々しく語られ、
狂気の末の迷妄だと結論づけられて意図的にお茶を濁されている。
しかし本当のところ、バートリが多大な犠牲を払ってでも
少女の血を集めていたのは、そもそもそうしたおぞましい行為が
実際に大きなアンチエイジング効果があったからだ。
更なる効能を求めて胎児をや胎盤を食べ続ける者も中国にはいた。

そうした血の儀式の系譜に連なる者は「吸血鬼」と呼ばれた。
その存在は表立って語られる事は忌避されたが、
寓話という糖衣を纏って巷間に流布された。
彼らは聖書の教えに背く存在である事から、その存在が寓話化されるに当たり
聖書のイエス像をネガ反転させたオマージュキュラとして創作される事になった。

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「吸血鬼」は様々な独特の特徴を持っている事は
「聖書」を知らない者にとっても、広く知られた事実である。
では、それらの特徴と、「聖書」のイエスの特徴を比較してみよう。

聖書ではイエスは鳩のように舞い降りた精霊によって祝福された。
←→ 曰く、吸血鬼は黒い蝙蝠を下僕とする。

復活したイエスは真っ白い服を着ており、
その信徒も仔羊の血で浄められた白い衣を纏っているという。
←→ 曰く、吸血鬼は真っ黒い服に赤いマントを羽織っている。

聖書では血を食べる事を禁止している。
←→ 曰く、吸血鬼は人間の血を吸う。

聖書の最後の晩餐で、イエスは部下である使徒たちに
後継者の証として、ワインを自らの血と思って飲むよう命じている。
←→曰く、吸血鬼は自分が血を吸った相手を自分の下僕にできる。

聖書ではイエスは一度死んだが、別の肉体を得て蘇った。
←→ 曰く、吸血鬼(やその下僕)は、一度人間として死した後、
まったく異なる力を持った吸血鬼の肉体を得て蘇る。

聖書では神の威光により復活したイエスは
不死の存在であり、歳を取ることも無い。
←→ 曰く、吸血鬼は血を啜り続けている限り
不死の存在であり、歳を取ることも無い。

聖書ではイエスは死を「眠りのようなもの」と言い、
墓穴の中で3日間「眠った」後、朝に姿を現した。
←→ 曰く、吸血鬼はいつも棺桶で眠り、夜中に起きる。

神の子イエスは手足に釘を打ち込まれ、
聖書によると目撃者曰く「木に架けられて」死亡した。
←→ 曰く、吸血鬼は杭を打ちこまれる事によって死亡する。

イエスは聖書では「義の太陽」と呼ばれ、光の存在として描かれ、
最後に闇とサタンの眷属を消滅させる者として描かれている。
←→ 曰く、吸血鬼にとって太陽は絶対的に忌避すべきものであり、
太陽の光を浴びると消滅する。

創世記で神が永遠の存在であるのに対して、「塵から生まれた者は塵に還る」とし、
サタンもまた同様の滅びの運命を辿る事を示唆している。
←→ 曰く、吸血鬼は死んだら灰(塵)になる。

ローマ布教後、十字架はキリスト教のシンボルとなった。
さらにローマ教会によって魔除けの聖水などというものが作られ、
銀は燭台などを作る神聖な金属となった。
←→ 曰く、吸血鬼は十字架や聖水が大の苦手で、
銀の武器以外では傷つけられない。

出エジプト記で殺戮の天使たちが
次々に壁をすり抜けて住民の家屋に侵入して赤子たちを殺して回ったが、
門を血で塗って天使を招かぬようにした家だけは、この被害を免れた。
←→ 曰く、これと真逆で、吸血鬼は招かれた家にしか入れない。

聖書では「獣」は神の教えに背いた邪悪な象徴である。
←→ 曰く、吸血鬼は獣のような鋭く大きな牙を持つ。

ユダヤ教エッセネ派やその流れを汲むキリスト教修道院などでは、
不純異性交遊や、性の快感に耽る事を厳禁している。
←→ 曰く、吸血鬼は性に奔放で、同性より異性の血を吸う事を好み、
また吸われた側はその行為に性的快感を伴う。

聖書にある光の救世主イエスの特徴を
全てネガティヴ反転して作られたのが
「吸血鬼」の特徴である事がわかるだろう。

その他元々悪魔(悪霊)の象徴である、
姿が見えない、鏡に映らない、様々なものに化ける、
相手を魅了する魔眼を持つ、ニンニクに弱い…
などの土着伝承と渾淆して作られたシンボルキャラクターが、
こんにちおなじみの「吸血鬼」なのである。

このあたり狂犬病に聖書の「獣」の伝承を絡めて創作された「狼男」、
規範的な女性信徒をネガティヴ反転して作られた「魔女」、
羊の対象の存在である山羊、鳩の対象の存在である蝙蝠、
淫蕩と悪徳を示す剥き出しの女性的乳房、
キリスト教と対立していたイスラーム教の開祖、
逆転させた五芒星、ミサの反対の黒ミサ…などを組み合わせて作った
悪魔「バフォメット」などと同じで、
聖書の寓話や象徴を反転させ、寄せ集めて作られた創作物の一種である。

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これら「吸血鬼」の伝承は昔からあったが、一躍有名になったのは
15世紀ルーマニア、トランシルバニア地方の
ワラキア公ヴラド・ツェペシュの俗称である
「ドラキュラ (竜の子=悪魔の子)」の名前を借りて、
アイルランド人作家ブラム・ストーカーが創作した
恐怖小説「ドラキュラ」からである。

ドラキュラのヒット後、吸血鬼は世界的にメジャーな存在となった。
ダークでグロテスクで背徳的なその存在への憧憬、
永遠の生命への渇仰や神聖化もあいまって
時代を経ても映画、小説、漫画、アニメなどで
飽きられる事なく何度も取り上げられ、焼き直されて
今日に至るまで恐れられ、愛され続けていた。

そうした創作の世界から「吸血鬼」を知った者たちは、
あくまでそれは想像上の存在であり、
本当は実在しないものだと思う事だろう。
ファンタジーの存在だと。
しかし、連綿と伝わる伝説の裏側にはそのモデルとなった実在の存在がある。
それが悪魔崇拝の宗教であり、その信徒たちである。

イギリスの王室や政治の中核を占めているのは、
そうした悪魔崇拝結社の信徒たちであるのは広く知られているところだが
(アメリカも同様で、ブッシュ親子がスカル・アンド・ボーンズの
メンバーである事は写真入りでWikipediaにも載っている)
これらの悪魔崇拝の儀式は、現在も宗教結社によって連綿と行われている。
その際に全員で血を啜り合うのだ。

ただ伝承と異なるのは、生贄となる人間は
徹底的に「恐怖」を味わわせてから殺すという事である。
人間の血の分子構造が、麻薬のそれと
ソックリである事は科学的に知られているのだが
(それ故に常習的に血を吸い続けているとクセになるらしい)
この類似性をより強調するのが「恐怖」である。

科学的に説明すると、生け贄にされた人々は、断末魔の恐怖によって
体内に分泌されるアドレナリンが急増し、
アドルルクロムというホルモンを作り出す。
これはLSD(幻覚剤)のようなもので、血中に分泌された
これを摂取する事によって。、神経伝達物質のセロトニンの分泌が促され、
脳の中心にある松果体を通じて
異次元間とのコミュニケーションを活性化させるのだという。

要は吸血儀式に参加した者たちは、
人間の血を啜る事によって悪魔と「交信」するのだ。
おそらくは幻覚なのだと思われるが、このいかがわしい頽廃的な儀式を行っている
悪魔崇拝者たちこそが、古来から伝えられてきた
「吸血鬼」の真の正体なのである。
(ちなみに温暖化利権団体の重鎮アル・ゴアは、このアドレナリンが大好きな
 飲血中毒者なのだというネットの噂がある)

キリスト教がこれらを忌避し、邪教のレッテルを貼って追い込み、
社会から隔離してきた理由もわかるというものだろう。
(今ではそのキリスト教自体が
内部からメーソンに乗っ取られているような状態だが)

元々安直で幼稚な創作物にすぎない「吸血鬼」なる設定と、
その正体のおぞましい「悪魔崇拝主義者」を神聖化、英雄視し、
漫画やアニメの中で孤高で超越者的な主人公や、
耽美な主人公格として登場させているのが、
日本という宗教にも裏世界にも無知な国なのである。

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