ダブルクロスリプレイ・ウルトラ
――東京。人々の影で拳を交える者共あり。
超人たる異能を有したオーヴァードと呼ばれる者共。
常人との共存を望む者共――UGH。
対し、我らこそ進化人なりとその異能を振りかざす者共――FH。
今、不倶戴天たる互いの戦いは、小競り合いでは済まなくなっていたのである。
最早死人は個人では納まらず、
グループ単位での殺し、殺されでなくばたった一度の戦闘すらも
終わりを見せようとしない。
全面戦争……とまでは行かずとも、そこには全力の闘志と狂気が孕まれていた。
では、戦いはいつ終わるのか。
――当然、それはどちらかが滅びるまで。その筈であった。
戦いの最中に現れたそれに、誰もが唖然とした。UGHも、FHも。
何の冗談なのだろうと思った。
人気の無い草原(と言っても、戦いの後に草などは残らないが)、
その上空に現れたその物体からは、こう声が届いたのである。
「われわれは、宇宙人だ!」
名乗った。はい、そうですか。
それぞれの脳裏には情けない感想だけがよぎった。
だが、その物体はこう続ける。
「これより、宇宙人連合による――地球侵攻を開始します!」
そもそも何故日本語なのか。それぞれの脳裏には同じ思いがよぎった。
しかし、時間の止まった超人たちをよそに、彼らは侵略を始める。
そして誰も予想だにしていなかったことが一つだけあった。
それは、宇宙人達の身体に宿る――レネゲイドの存在であった。